歯科治療は、一般的な虫歯治療、セラミックを用いて治すセラミック治療、矯正治療、インプラント、入れ歯など多種多様です。
現在、日本の歯科治療ではそれぞれの医院が得意分野を一つ持っていて、来院される患者さんを自分の得意分野を駆使して無理矢理
何とかしようとしたり、得意分野の所だけ引き受けて、苦手な分野は紹介状を書いて他の医院で治療をして頂くというのが一般的です。
このような状況は歯科治療にそんなに詳しくない患者さんにとって有難い話ではないと私は常々考えております。
そこで、当院ではそれぞれの分野のスペシャリスト(認定医)が勤務していて、患者さんの御希望をできるだけ聞き入れ、
最も適している治療法を御提案させて頂き、ほとんど全ての治療を当院で完了できる体制を確保しております。
医療において重要なのはインフォームドコンセント(informed consent=「説明と同意」)、セルフディターミネーションプリンシプル(self
determination principle=「自己決定権」)、トゥルーステリング(truth
telling=「真実を言う」)という3つのこと。インフォームドコンセントばかりがクローズアップされる事が多いですが、
当院ではこの3つをいつも心がけておく事が重要と考えています。
「トゥルーステリング」の例としてよくあるのがガンの告知の問題ですが、昔はガンなのに、
ガンと言うとご本人がショックを受けるのではないか?と考えてガンではありませんと言っていました。
しかし、真実によって患者様も心づもりが変わってくるわけです。
ガンならガンでそれがわかっていれば、余生の過ごし方の設計が出来ます。
やはり今は嘘をついて励ましてあげるという時代ではありません。
きちんと真実を話して、どうしていくのかを相談する。手術して摘出するのか、薬物療法でいくのか、放射線療法でいくのかを患者様が決める。
それがセルフディターミネーションプリンシプルです。
そのためには十分な説明が必要です。
なので十分な説明をして、きちんと同意をもらった上で治療を進める、それがインフォームドコンセントです。
歯科治療でいえば、犬歯の後ろあたりの歯が1本抜けたとします。
当然抜けたスペースを矯正する場合、矯正装置で閉じていく事になります。
しかし、それは矯正歯科の目線であって、インプラント(人工歯根)の専門医はそこへインプラントを1本植えましょうという話になります。
しかし実際は、矯正とインプラントの両方をしてくれるクリニックは非常に稀です。
当院の場合は、矯正にもインプラントにも対応しております。
審美歯科の観点からでしたら、前後の歯を削ってブリッジという橋をかける方法もありますと、
現代歯科医学で考えられる全ての治療方針を説明した上で、患者様にそれを選択して決定して頂く事が可能です。
医療法人社団山手会理事長 藤田 博紀