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保険診療・一般歯科

虫歯治療、
詰め物・被せ物

虫歯は、歯垢の中にいる虫歯菌が、糖分を分解して酸をつくり、その酸によって歯が少しずつ溶かされていく病気です。虫歯が歯の内部へ進行すると、「しみる」「痛む」といった症状が現れます。
軽度であれば削って詰め物をするだけで済みますが、進行すると被せ物が必要になったり、神経を取ったりする場合もあります。虫歯が進むほど歯の寿命は縮んでしまうため、早期発見と予防が重要です。

虫歯の進行

虫歯の進行 虫歯の進行

【CO】経過観察(通常しっかりと口腔ケアができれば進行しません)予防的に詰め物をすることもあります。
【C1】【C2】虫歯の部分を削って詰め物や銀歯で治療します。
【C3】神経をとる治療(根管治療)を行ないます。
【C4】根管治療もしくは抜歯になることがあります。

虫歯は進行の程度によっていくつかの段階に分かれており、それぞれに適した治療法があります。放置すると症状が悪化し、最終的には歯を抜かなければならないケースもありますので、早めの受診が大切です。
もし抜歯が必要になった場合は、その後の治療として「ブリッジ」「入れ歯」「インプラント」などの選択肢があります。

保険の詰め物

CR充填(コンポジットレジン)

CR充填
(コンポジットレジン)

虫歯の範囲が小さい場合に使用する詰め物です。虫歯を削った部分にコンポジットレジンとよばれる白いペースト状の樹脂を詰め、特殊な光を当てて硬化させます。見た目が自然に仕上がるのが特徴で、主に前歯や奥歯の浅い虫歯に用いられます。ただし強度は高くないため、噛む力が強い方や大きな虫歯には不向きです。通院は1回で、15~30分ほどで完了します。

金属の詰め物(金銀パラジウム合金)

金属の詰め物
(金銀パラジウム合金)

奥歯の隣接面を含む、範囲の大きな虫歯の治療で使用する詰め物です。金銀パラジウム合金製で強度が高く、奥歯など噛む力がかかる部位に適しています。ただし、見た目が銀色で目立ちやすい点がデメリットです。また、唾液の影響で金属イオンが溶け出すことで歯肉が黒ずんだり、金属アレルギーが引き起こされたりするリスクがあります。

保険の被せ物

硬質レジン(歯科用プラスチック)

硬質レジン
(歯科用プラスチック)

硬質レジンという強度の高い歯科用プラスチック製の被せ物です。自然な色調を再現でき、前歯から数えて5番目の歯までであれば、保険が適用されます。ただし、金属やセラミックほどの強度はないため、歯ぎしりや噛みしめる癖がある方には使用できません。
なお、前歯には、金属の土台に硬質レジンをコーティングした「硬質レジン前装冠」という、強度のあるタイプの被せ物を選ぶこともできます。

金属冠(銀歯)

金属冠(銀歯)

金銀パラジウム合金製の被せ物です。金属なので噛む力に耐える強度があり、主に奥歯に用いられます。また、保険が適用されるため、費用を抑えられます。ただし、見た目が銀色で口を開けると目立つ点と、金属アレルギーを引き起こしやすい点がデメリットです。
審美性を求める方や金属アレルギーの方は、硬質レジンの被せ物か自費のセラミックの被せ物のほうが適しています。

入れ歯・ブリッジ

入れ歯・ブリッジ

歯を失ってしまった後の
治療について

歯を失った部分の見た目と機能を回復させる一般的な治療法が、「入れ歯」です。入れ歯には、さまざまな種類があり、使用する材料や固定方法が異なります。保険診療でも作製できますが、自費診療なら、より自然な見た目や快適な使い心地にこだわった入れ歯を選択することが可能です。
「今の入れ歯が合わない」「見た目がもっと自然なものにしたい」などのお悩みがある方も、一度ご相談ください。

入れ歯

  • 部分床義歯(パーシャルデンチャー、PD)

    部分床義歯(パーシャルデンチャー、PD)

    一部の歯を失った場合に使う入れ歯です。まだ残っている歯が1本でもあれば、その歯に金属のバネをかけて固定します。

  • 全部床義歯(フルデンチャー、FD)

    全部床義歯(フルデンチャー、FD)

    片顎のすべての歯を失った場合に使う入れ歯です。歯肉などの粘膜や唾液の吸着力を利用し口の中で安定させる仕組みになっています。

入れ歯の調子が悪い場合

入れ歯の調子が悪い場合

入れ歯を使用している方のなかで、「痛い」「外れやすい」「しっかり噛めない」といったお悩みを抱えている方も少なくありません。
そのような場合は、痛みの原因となる部分を調整したり、外れにくくするために材料を加えたり、金具の締め具合を調整して安定感を高めることが可能です。また、噛み合わせを見直すことで、噛む力を取り戻すこともできます。
ただし、保険診療の入れ歯には機能面で限界があることも事実です。より快適で自然な見た目を求める方には、自費診療の精密な入れ歯のほか、インプラント治療もご提案できます。気になることがありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。

ブリッジ

ブリッジ

歯を1〜2本ほど失った場合、その両隣にしっかりした歯が残っていれば、それらを支えにして橋をかけるように人工の歯を入れる治療法です。抜けた部分を補い、噛む機能を回復させることができます。

メリット
  • 治療期間が短く、早ければ2回の通院で完了する
  • 見た目が自然で、入れ歯のように目立ちにくい
  • 固定式なので、取り外す手間がない
  • 保険適用のタイプもあり、費用を抑えられる
デメリット
  • 欠損部分の両隣の歯を削って土台にする必要がある
  • 土台となる歯に大きな負担がかかり、将来的に影響が出ることがある

咬合調整

咬合調整

現在、日本人の約8割が何らかの噛み合わせの問題を抱えているといわれています。
噛み合わせが正しくないと、虫歯や歯周病、顎関節症のリスクが高まるだけでなく、発音が不明瞭になったり、姿勢のバランスが崩れたりすることがあります。また、胃腸の不調や口呼吸、不眠、肩こりといった全身への悪影響も少なくありません。さらに、「噛むと痛い」といった不快感がある場合、噛み合わせの不適切さが歯一本一本に過剰な負担をかけていることもあります。
このような症状がある場合には、噛み合わせの調整や歯列矯正によって、歯や顎のバランスを整えることで改善が期待できます。また、歯ぎしりが原因の場合は、就寝時にナイトガードを装着することで歯にかかる力を軽減し、症状を和らげることができます。噛むときに使う咬筋が過度に強い方には、その筋肉の働きを抑えるためにボトックス治療を行なうこともあります。

根管治療

根管治療

根管治療とは、歯根の中にある根管という管の中から、虫歯に感染した神経を取り除き、内部をきれいに消毒して薬を詰める治療です。虫歯が神経まで進行すると痛みが強くなるため、根管治療を行なって痛みを取り除きます。また、根管内を徹底的に消毒し、密封することで虫歯の進行と再発を防げます。治療が完了するまで数回の通院が必要ですが、自分の歯を残すために大切な治療です。

根管治療の流れ

  1. STEP 01
    感染源の除去

    感染源の除去

    虫歯を削って虫歯部分を取り除いた後、専用の器具を使って根管内から感染した神経を丁寧に取り除きます。

  2. STEP 02
    根管内の処置

    根管内の処置

    根管内を薬剤でしっかり洗浄し、無菌状態になったのを確認してから、ガッタパーチャという材料をすき間なく詰めて、再び細菌が入らないように封鎖します。

  3. STEP 03
    レントゲンによる確認

    レントゲンによる確認

    根管内に詰めた材料の状態を確認するためにレントゲンを撮影します。これで根管治療は完了です。その後は失った歯を補う被せ物の土台作りへと進みます。

歯周病治療

歯周病治療

歯周病は、歯肉や歯を支える骨が炎症を起こす病気です。原因は主に歯と歯肉のすき間に溜まった歯垢の中の歯周病菌で、歯肉の腫れや出血を引き起こします。さらに悪化すると、歯がグラグラと揺れるようになり、最終的には抜けてしまうこともあります。初期は自覚症状が少ないため、気づかないうちに進行することが多い病気です。歯周病を防ぐためには、毎日の正しい歯磨きと、定期的な歯科検診が大切です。

歯周病のよくある症状

  • 歯肉が赤い
  • 歯肉から血が出る
  • 歯肉が下がってきた
  • 歯がしみる
  • 膿の味がする
  • 口臭がある
  • 歯肉が腫れて痛みがある
  • 歯並びが悪くなった
  • 歯が揺れる
  • 噛むと痛い
  • 歯が抜けた
歯周病と全身疾患

歯周病と全身疾患

歯周病が進行すると、歯周病菌がつくり出す有害な物質が毛細血管を通じて全身に巡り、心臓病や肺炎、糖尿病などの発症リスクを高めたり、これらの病気の悪化を招いたりする可能性があると考えられています。このように、歯周病はお口の中だけでなく、全身の健康とも深く関わっています。口だけでなく体のためにも歯周病の早期治療は重要です。

歯周病と妊娠

歯周病と妊娠

一部の歯周病菌は、女性ホルモンを栄養にして増える性質があります。そのため、妊娠中は歯肉が炎症を起こしやすく、歯周病の進行も早まる傾向があります。さらに、妊娠中に歯周病が悪化すると、胎児の健康や成長にも悪影響を及ぼす可能性があることがわかっています。なお、妊娠中でも歯周病の治療は可能です。治療を希望される場合は、妊娠4〜8ヵ月の安定期に受診ください。

クリーニングによる歯周病治療

クリーニングによる
歯周病治療

歯のクリーニングは、歯科医師や衛生士が専用の機械や器具を使って、歯の汚れや歯垢、歯肉との間に溜まった歯石を取り除く治療法です。歯垢や歯石は虫歯や歯周病の原因となるため、しっかりと取り除くことが重要です。特に歯石は歯磨きで取り除けません。歯石には穴が多く、歯垢が溜まりやすくなるため、定期的にクリーニングで取り除きましょう。

治療に使用する機材

保険の範囲内で歯石や着色の除去をする場合には、エアースケーラーや超音波スケーラーを使用します。超音波スケーラーは、超音波の振動と水を利用して歯周ポケットに入り込んだ歯石や歯垢を効果的に取り除くことができる器具です。その後、専用のペーストで歯の表面を滑らかに仕上げます。特定の部位では、手動のスケーラーを使うこともあります。

  • エアースケーラー

    エアースケーラー

  • 超音波スケーラー

    超音波スケーラー

  • ポリッシングブラシ・ラバーカップ

    ポリッシングブラシ・ラバーカップ

  • ペースト

    ペースト

  • 手用スケーラー

    手用スケーラー

親知らず治療

歯周病治療

親知らずの抜歯とは

上顎の親知らずは、痛みや腫れが少ないことが多く、下顎よりもスムーズに抜歯が可能です。歯肉に埋まっている場合は、抜歯を避けることが一般的ですが、抜歯が必要な場合は、上顎洞に歯が落ちないように慎重に手術を行ないます。
一方、下顎の場合は、顎の骨の中に神経や血管が通る「下歯槽管」という組織があり、これを避けるために専門的な知識と技術が求められます。もし神経や血管を傷つけてしまうと、出血が多くなったり、術後に麻痺が残ったりする可能性があります。そのため、当院では通常のレントゲンに加えてCTを使用して三次元画像を取得し、安全性に配慮して手術を行なっています。

レントゲン画像 CT画像

非抜歯にできるケース アイコン非抜歯にできるケース

正常に萌出していて口腔内の清掃も良好であり、すべての歯が顎の骨内に適切に収まっていて炎症の原因ともなっていない場合、将来的に歯の再植手術に活用できる可能性もあることから、こうしたケースでは抜歯をおすすめすることはありません。
なお、抜歯が必要な場合には、当院では安全かつスムーズに処置を行なっておりますので、ご安心ください。

抜歯後の注意点

抜歯後は、血行が良くなるような行為(長時間の入浴や飲酒、激しい運動)は控えてください。血流が促進されることにより、再び出血してしまうおそれがあります。
また、当日は強いうがいをしないように注意してください。抜歯したあとの傷口には、まず血が溜まって「血餅(けっぺい)」というかさぶたのようなものができます。これは傷の治りを助ける大切なものですが、強いうがいをしてしまうと血餅が剥がれ落ち、強い痛みをともなう「ドライソケット」という状態になることがあります。

治療における注意点

審美治療・セラミック治療にともなう一般的なリスク・副作用

・審美治療としてセラミック治療を行なう場合、自費(保険適用外)での診療となり、保険診療よりも高額になります。
・事前に根管治療(神経の処置)やコア(土台)の処置が必要となることがあります。
・治療では歯を削ることがあります。また、知覚過敏を発症することがあります。
・抜髄(神経の処置)や抜歯が必要になることがあります。
・抜歯や外科処置をともなう場合、出血や腫脹(しゅちょう)を生じることがあります。
・治療で歯肉を移植する場合、二次的な出血・疼痛・腫脹(しゅちょう)が見られることがあります。
・治療後、自発痛、咬合痛、冷温水痛を生じることがあります。
・歯ぎしり・食いしばりなどの癖や噛み合わせによっては、補綴物が破損することがあります。
・セラミック製の補綴物は、金属製の補綴物よりも歯を削る量が多くなることがあります。
・噛み合わせ・歯ぎしりの強い方は、セラミックの破損を防止するため、マウスピースをおすすめすることがあります。

噛み合わせの治療にともなう一般的なリスク・副作用

・機能性や審美性を重視するため自費(保険適用外)での診療となり、保険診療よりも高額になります。
・噛み合わせのバランスによっては、ご自身の歯を削る場合があります。
・歯の状態によっては根管治療が必要になることがあります。
・治療後に噛み合わせが変わることがあります。

入れ歯の作製・使用にともなう一般的なリスク・副作用

・内容によっては自費(保険適用外)となり、保険診療よりも高額になります。詳細は歯科医師にご確認ください。
・入れ歯を固定するため、患者様の同意を得てから残存歯を削ったり抜歯したりすることがあります。
・使用直後は、口腔内になじむまで時間がかかることがあります。
・事前に根管治療(神経の処置)や土台(コア)の処置が必要となることがあります。
・入れ歯を装着していない時間が長いと、残存歯の傾きや損失、歯槽骨(歯を支える骨)の吸収などが起こることがあります。
・咬合が変化したり、固定源である残存歯が削れたり抜けたりした場合は、入れ歯の調整・修理が必要になることがあります。
・金属を使用する入れ歯では、金属アレルギーを発症することがあります。
・使用方法などにより、破損することがあります。
・定期的な検診・メンテナンスが必要です。

ブリッジの作製・使用にともなう一般的なリスク・副作用

・内容によっては自費(保険適用外)となり、保険診療よりも高額になります。詳細は歯科医師にご確認ください。
・失った歯の両隣の健康な歯を削る必要があります。
・支えになる歯に負担がかかり、将来的にその歯を失う可能性が高くなります。
・奥の場合は金属でしか対応できません。
・連続して歯を失っている場合、治療できないことがあります。
・ブリッジと歯肉との間に食べ物のかすが詰まりやすいので、口の中の衛生状態を保つことが難しくなります。
・顎骨の吸収を抑制できません。

根管治療にともなう一般的なリスク・副作用

・治療内容によっては保険診療となりますが、機能性を重視する場合は自費(保険適用外)での診療となり、保険診療よりも高額になります。
・根管治療を行なうと、歯の構造が筒状になるため、歯が破折しやすくなります。
・再度根管治療を行なうとさらに根管壁が薄くなり、より歯が破折しやすくなりますが、コア(土台)と被せ物を接着力に優れたセメントで接着し、歯・コア・被せ物を一体化させることで、破折のリスクを抑えられます。
・再度根管治療を行なっても、予後が悪くなってしまうことがあります。このような場合は、外科的な治療で対応することがあります。

歯周病治療/歯周組織再生治療/歯周外科にともなう一般的なリスク・副作用

・内容によっては自費(保険適用外)となり、保険診療よりも高額になります。詳細は歯科医師にご確認ください。
・歯周病の進行状況によりますが、歯垢や歯石の除去時に痛みを感じることがあります。
・治療に対して患者様が協力的でない場合は、改善に歯周外科治療や歯周組織再生療法が必要になることがあります。その場合、歯肉を切開するため腫れや痛みをともなうことがあります。
・治療後歯肉が下がることがあります。
・治療によって歯肉が引き締まってくるため、被せ物と歯肉の段差とが目立つことがあります。

スケーリング/ルートプレーニングにともなう一般的なリスク・副作用

・基本的には保険での診療となりますが、治療内容によっては自費(保険適用外)となることもあり、保険診療よりも高額になります。
・ルートプレーニングは、歯肉の中に器具を入れるため通常の歯石除去よりも痛みを感じることがあります。
・歯のすき間に付着していた歯石が除去されることで、歯のすき間が目立つことがあります。
・処置後、歯肉から出血することがありますが、時間の経過とともに治癒します。
・処置後1~2日、何もしなくても痛みが出ることがあります。また噛んだときや歯を磨くときも痛みが出ることがありますが、時間の経過とともに治癒します。
・処置後、しばらく知覚過敏の症状が出ることがありますが、時間の経過とともに治癒します。
・処置後、歯肉の退縮を引き起こすことがあります。

親知らずの抜歯にともなう一般的なリスク・副作用

・基本的には保険での診療となりますが、治療内容によっては自費(保険適用外)となることもあり、保険診療よりも高額になります。
・抜歯後の数日は、腫れや痛み、出血が止まらないことがありますが、多くの場合、数日から1週間ほどでおさまります。
・下唇から下がしびれる神経麻痺を生じることがあります。
・舌の一部または全部の神経が麻痺し、味覚も麻痺する場合があります。
・下顎を抜歯した場合、抜歯した傷口から空気が入り、突然頬や顎が腫れることがあります。