矯正中のメンテナンスはどうすればいい?歯磨きのコツや口腔ケア方法を解説!

矯正治療の種類はさまざまですが、大まかに分類すると「ワイヤー矯正」と「マウスピース矯正」に分かれます。
ワイヤー矯正では歯の表面に「ブラケット」と呼ばれる小さな固定器具を装着してから、その中にワイヤーを通します。近年人気が高まっているマウスピース矯正も、歯の表面に「アタッチメント」と呼ばれる小さな固定器具を装着するのが一般的です。

ブラケットやワイヤー、アタッチメントは歯に固定して使用するため、装置の周りは食べかすや汚れが付着しやすく、放っておくと虫歯や歯周病、口臭などの原因になります。矯正期間にもよりますが2~3年程度は装置を使用するので、毎日の歯磨きや口腔ケアが必要です。
そこで今回は、矯正治療中のおすすめのブラッシング方法やケアについて解説します。

矯正治療中は入念なセルフケアが必須!

矯正治療中、歯の表面に装着するワイヤーやブラケット、アタッチメントは、基本的に取り外しができません。いずれも複雑な作りの装置なので歯磨きがしにくく、慣れないうちは時間がかかったり磨き残しがあったりするため、通常よりも念入りなブラッシングが必要です。

まずは、毎食後の歯磨きを徹底しましょう。口腔内の衛生状態を保つためにはやはり食後のブラッシングが一番なので、何かを口にしたらすぐに歯磨きができるよう、歯磨きセットを持ち歩くのがおすすめです。
歯磨きがすぐにできないときや外出先で歯ブラシセットを忘れたときは、食後すぐに口をゆすいだりうがいをしたりするだけでも、口腔内の汚れを多少は洗い流すことができます。
またブラッシングをする際は鏡を見ながら行うと、矯正装置についた汚れを目視できるので汚れを落としやすくなります。歯磨き粉が泡立って口腔内がよく見えない場合は、低発泡タイプの歯磨き粉を使うとよいでしょう。

矯正治療の効果を高めるためには、口腔内が清潔な状態であることが求められます。なぜなら、歯垢や食べかすが矯正装置に付着していては、正常な歯の移動を妨げるおそれがあるためです。また、矯正治療中に虫歯や歯周病になると、そちらの治療のために矯正治療が中断されてしまうので、矯正の期間が長引くこともあります。
矯正治療中の丁寧な口腔ケアは、虫歯や歯周病にならないためだけではなく、矯正治療をスムーズに行うためにも必要なことなのです。

矯正治療中のブラッシングに適した歯ブラシの種類

市販されている歯ブラシの中には、矯正治療用の商品もたくさんあります。普通の歯ブラシよりもコンパクトで、矯正装置を効果的に磨くことができるため、ご自身が使いやすいタイプの歯ブラシを選んで使うとよいでしょう。
ここでは、矯正治療中におすすめの歯ブラシをご紹介します。

毛先が山型になっている歯ブラシ

歯ブラシの中心が山型になっているので、歯と装置の間や複雑な装置など、デコボコした部分が磨きやすい歯ブラシです。角度を付けてワイヤー部分に当てれば、歯とワイヤーの間を無理なく磨くことができます。

毛先が谷型(U字型)になっている歯ブラシ

毛先の真ん中がへこんでいるので、ワイヤーやブラケットをまたいだ状態で歯の表面を磨くことができます。矯正装置に負担がかかりにくいのも大きなメリットです。

ワンタフトブラシ

毛束が1つで山型になっていて、歯を1本ずつ磨けるタイプの歯ブラシです。ヘッドがとても小さいため、歯の間や歯と歯肉の境目、歯の裏側など、普通の歯ブラシでは磨きにくい部分にも毛先が届きます。

電動歯ブラシ

矯正装置をつけていても、電動歯ブラシを使用することは可能です。ただ、電動歯ブラシだけですべての汚れを落とすことは難しいため、ほかの歯ブラシや後述するケア用品を併用するといいでしょう。

どういったタイプの歯ブラシを使用するにしても、毛がやわらかめの商品を使うことをおすすめします。毛先が硬いと矯正装置が磨きにくく、無理やり磨くと歯肉や装置を傷つけるおそれがあるためです。

矯正治療中のブラッシング方法

矯正治療中の歯磨きは、ブラケットやアタッチメントなどの装置を中心に歯ブラシを当て、小刻みに動かしながら歯を1本ずつ磨くようにするのが基本です。

1:ブラケット(アタッチメント)の上側に歯ブラシが斜め45℃くらいになるように当て、小刻みにやさしく動かしながら磨く
2:同じブラケット(アタッチメント)の下側に歯ブラシを斜めに当てて、同じように磨く。そのまま、ゆっくりと円を描くようにブラケット(アタッチメント)の周りも磨く。ワイヤーが通っている場合は、ワイヤーと歯の間にも毛先が届くように動かす
3:ブラケット(アタッチメント)の周囲を磨き終わったら、歯と歯肉の境目をやさしく磨く
4:歯の裏面にも矯正装置がある場合は、表面と同じように磨く。矯正装置が一切ない場合は、通常の歯磨きと同じ工程で磨く

歯1本につき上記のようにブラッシングをしながら、全ての歯を磨きます。歯ブラシを持つときは力が入りすぎないように、鉛筆のような持ち方をするのがおすすめです。
ワンタフトブラシを使用する場合は、ワイヤーと歯の間や奥歯の矯正器具周辺など、ブラッシングが足りないと思う部分を重点的に、小刻みに動かしたり小さな円を描くようにしたりしながら磨きます。

歯磨き粉はどうすればいい?

矯正治療中に使用する歯磨き粉は、フッ素配合のものを選びましょう。フッ素には、虫歯の原因になる菌の働きを弱めたり、エナメル質の修復を促進したりなど、歯の表面を強化して虫歯になりにくくする効果があります。
厚生労働省が推奨している、歯磨き粉におけるフッ素濃度と1回の使用量(1日に2回使用する想定)は、以下の通りです。

  • 歯が生えてから2歳までは、900~1,000ppmFの歯磨剤を米粒程度(1~2mm程度)
  • 3〜5歳までは、900~1,000ppmFの歯磨剤をグリーンピース程度(5mm程度)
  • 6歳以降は、1,400~1,500ppmFの歯磨剤を歯ブラシ全体(1.5~2cm)程度
    ※市販されている歯磨き粉のフッ素濃度上限は、一般的に1,450ppmFです。

矯正治療中は口腔内の健康を維持することが重要なので、使用している歯磨き粉にフッ素がどのくらい含まれているかを気にするとよいでしょう。

歯磨き以外のセルフケア

矯正治療中はどうしても虫歯や歯周病のリスクが高くなるため、歯磨きによるケアだけでは不十分です。ここでは、ブラッシング以外で行うセルフケアの方法をご紹介します。

フロス

歯間や矯正器具の隙間などは、糸状のフロスを活用しましょう。ワイヤー矯正をしている場合は、ワイヤーの上だけでなくワイヤーの下にもフロスを通して掃除をすると、効果的に歯垢を除去できます。通常のフロスと比べてワイヤーとブラケットの間を掃除がしやすい矯正用のフロスもあるので、使いやすいものを選びましょう。

歯間ブラシ

歯間ブラシは、ワンタフトブラシよりもさらに細かい部分を磨くことができます。歯間ブラシと聞くと歯と歯の間を掃除するものと思いがちですが、ブラケットやアタッチメントの周り、ワイヤーと歯の表面の間、歯の側面などを磨くのにも効果的です。治療によっては、顎の骨にアンカースクリューというネジのような金具を埋め込むことがありますが、こちらのブラッシングも歯間ブラシが適しています。
用途や歯間の広さに応じて、ご自身にあったサイズの商品を選びましょう。

洗口剤(デンタルウォッシュ)

歯磨き後に洗口液を適量口に含んですすぐことで、虫歯や歯周病の予防や口臭の防止など、口腔内を清潔に保つ効果が期待できます。

キシリトールのガムやタブレット

キシリトールには、虫歯の発生を予防する効果があると証明されています。ただし日本歯科医師会からは、キシリトールの効果が十分に期待できるお菓子はシュガーレスのキシリトールガムかタブレットに限られるとアナウンスされているので、キシリトールを摂取したいときは食品の種類と成分に気を付けるといいでしょう。

歯科医院による定期的なクリーニングもおすすめ

矯正治療中は、普段よりも時間をかけて丁寧に歯磨きをしても、ご自分の努力だけで汚れを全て取りきるのは困難です。そのため、定期的に歯科医院を受診し、クリーニングをしてもらうとよいでしょう。

クリーニングの内容は歯科医院によって異なりますが、歯垢や歯石の除去、高濃度フッ素の塗布などのセルフケアでは難しい処置をしてもらえるので、矯正治療中の虫歯や歯周病の予防に効果的です。

矯正治療を行っている歯科医院でクリーニングをお願いする場合は、装置をある程度外してからクリーニングをしてもらえるケースもあります。またクリーニングの際は、歯磨きの指導を同時にお願いするのもおすすめです。

まとめ

矯正治療中のセルフケアや歯科医院でのクリーニングは、矯正治療をスムーズに行うために必要不可欠です。

矯正治療は、美しく健康的な歯並びを手に入れることが目的です。今回ご紹介したブラッシング方法やケアを参考に、ご自身でのしっかりメンテナンスを行いながら、矯正治療を成功に導きましょう。

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