歯の矯正で自然な笑顔を届ける

矯正は「見た目のため」とは限らない

歯列矯正は、欧米に比べ日本ではまだまだ一般的ではないと言われます。原因の一つとして考えられるのが、保険適用の有無です。欧米では矯正治療に保険を使うことができますが、日本では保険が使えません。 その理由は、「歯並びが悪いことは病気とは呼べない」という認識によるものです。

しかし、極端な出っ歯・受け口・開咬といった症状は、見た目だけでなくじつは健康にも害を及ぼします。そういった症状により唇がうまく閉じられないと、人は自然と口呼吸になってしまうのです。 口呼吸が習慣になると、口の中の唾液が極端に不足した「ドライマウス」の状態を引き起こします。そしてドライマウスは、虫歯や歯周病の大きな原因にもなります。

病気ではないと判断されてしまう出っ歯・受け口・開咬などですが、歯列矯正でそれらを改善することで、口呼吸も改善されるケースが多いのです。 また噛み合わせの機能もアップし、唾液の分泌がスムーズになります。唾液には殺菌作用がありますから、スムーズに分泌できることにより自浄作用のアップも期待できます。 加えてブラッシング(歯みがき)もしやすくなるため、虫歯や歯周病のリスクを抑えることにも繋がります。

歯列矯正が必要な症状の要因は「9割が遺伝」

出っ歯や受け口になる要因は、先天的なもの、つまり遺伝の要素が強いと言われています。 また、 ・唇が鼻の下から裂けてしまう「唇顎口蓋裂」 ・上唇小帯に隙間ができる「正中離開」 なども、遺伝が要因である可能性が高いものです。

上唇小帯というのは、歯茎と唇が完全に離れてしまわないよう口の中でそれらを繋いでいる部分のこと。その真ん中に隙間が開いてしまう症状が「正中離開」です。

上唇小帯は、ケガなどで切れてしまうこともあります。その場合も歯茎と唇は離れますが、傷口が治癒するにつれてだんだんと元に戻っていきます。ところが先天的な「正中離開」の場合は、そうはいきません。 唇の表側から裏側まで巻き込んで中心に隙間が開いてしまっており、自然に治癒はしないのです。 この場合は手術になりますが、ただ麻酔してカットしただけではすぐまた元の状態に戻ってしまうのです。きちんとV字型に切除して、元に戻らないよう縫合を施す必要があります。

また、歯列矯正が必要な症状の要因は、長い目で見ると食生活にも関係があると思われます。食べ物が昔よりもずっと柔らかくなっており、人類全体の顎が小さくなってきているのです。 歯の本数は変わらないのに顎だけが小さくなっているため、例えて言うなら「8人がけの電車の椅子に、何十人もがぎゅうぎゅうに座ろうとしている」というような状況になっています。

他に後天的な要因として、乳歯の脱落が挙げられます。 臼歯が6歳ころに生えてきます。この臼歯の生える時期くらいまで、ずっと口の中に乳歯が生えたままであれば問題ないのです。 しかし虫歯などで6歳以前の早いうちに乳歯を失ってしまうと、後から出てくる臼歯は本来の位置より2~3ミリも前方にズレて生えてきてしまいます。 臼歯の位置がズレることで、その後生えてくる歯のスペースが無くなってしまいます。そのため、叢生や乱杭歯になりやすくなります。

また、指しゃぶりも後天的な要因の一つです。指しゃぶりの癖が抜けないと、正面から見て上下の前歯が閉じない「開咬」や「オープンバイト」と言われる状態になります。 ちなみに指しゃぶりとは、指だけでなく毛布や衣類なども含め「しゃぶりたがるもの」全般を指してそう呼びます。 お子さまの中には、1日あたり2~3時間何かをしゃぶっていないと落ち着かないという子もいます。そういった傾向のあるお子さまの歯並びには、とくに気をつけてあげる必要があります。 また、唾を飲み込む時に舌を突き出す癖を持っているお子さまもいます。それも「開咬」や「オープンバイト」の原因になりやすいので、注意が必要です。

その他にも後天的要因として、 ・鼻づまり ・扁桃腺(アデノイド)肥大 などが挙げられます。

扁桃腺が肥大していると、いつも口が開いている状態になりがちです。これも出っ歯や開咬の原因になりやすいとされています。 また、「子どもの頃に口元を強くぶつける」などの事故が原因となるケースもあります。 ぶつけたことで永久歯の根っこが曲がってしまい、永久歯が本来とは異なるズレた場所に生えたり、ねじれて生えてきたりするためです。 ちなみに永久歯は6歳ぐらいで生えてきますが、2~3歳の頃にはもう歯茎の中に根っこが存在しています。

「歯茎が長い」という悩みは2〜3分で解消できる!

「笑ったときに歯茎が目立ってしまう」という悩みの原因は、歯茎が長いというケースが多いです。歯茎の長さは、2~3分の治療で簡単に治すことが可能です。

矯正で治す場合は、歯茎に矯正用インプラントを埋め込みます。直径約2ミリ、長さ約7~8ミリの小さな細いピンを埋め、矯正器具を前歯に装着します。 そして、矯正器具とピンとの間に透明なゴムをかけ、前歯6本を上に引っ張り上げるのです。前歯が上に持ち上がると、連動して歯茎も最大で2ミリほど上に持ち上がります。 さらに迅速な治療法として、電気メスでカットするという方法もあります。歯茎に麻酔をしてから、2ミリ程度カットするのですが、この施術は通常2~3分で完了します。 これだけの方法でも、笑顔になったときの歯茎はかなり見えにくくなります。(ただし歯茎は再生能力が活発なため、しばらく経つと元の状態に戻ってしまうこともあります)。 電気メスでカットする場合も最大2ミリ程度の施術になりますが、狭いお口の中ではたとえ0.5ミリでも印象は全く変わるものです。これらは需要が多い治療法で、みなさんとても喜ばれます。

矯正後に歯茎が下がって見えるのはなぜ?

矯正後に、歯茎が下がってしまうケースもあります。その原因は矯正そのものではなく、叢生や乱杭歯がきっかけで発症した歯周炎によるものです。

歯周炎によって、歯茎が炎症を起こし、赤く腫れぼったい状態になっているのです。また、歯茎の下にある顎の骨も含め、全体的に下側に下がった状態になっています。 矯正治療できちっと歯が並ぶことにより、歯茎は引き締まります。歯茎や顎の骨が下がったまま引き締まることで、歯茎の下がりが目立って見えてしまいます。 矯正が原因ではありませんが、誤解をされることが多いケースです。

矯正中は虫歯になりやすいってホント?!

矯正中に限ったことではありませんが、ブラッシングをきちんとしないと当然ながら虫歯リスクは高まります。 とくに矯正中は、矯正器具がついていない状態の歯よりも磨くべき場所が増えます。その分、虫歯のリスクは高くなると言えるかもしれません。 と言っても、大人の場合は歯が強いため虫歯の進行が遅く、矯正中に新たな虫歯が生まれるといったことはほとんどありません。

しかし、問題は子どもの矯正の場合です。子どもの歯は「幼弱永久歯」と言って、生えてきたばかりの永久歯です。 中学生くらいまでの子どもの歯は、じつは非常に脆く、虫歯の進行も早いのです。 当院では矯正中の虫歯リスクを予防するため、治療のたびに毎回、超音波でクリーニングをしています。月に2回のチェック、毎回のクリーニングをしますので、かなりの確率で子どもの虫歯も防げます。 大人の方のセルフケアとしては、通常の歯磨きを行うことです。矯正しているからといって特別意識する必要はありませんが、ただワイヤーが通っているため糸楊枝は通せません。 気になる方は歯間ブラシを使って頂くと良いでしょう。歯ブラシは、一般的な市販の歯ブラシで充分です。道具よりも、きちんと磨くことに重きを置きましょう。 気になる方は、赤い染め出し液で時々チェックしてみると良いでしょう。当院では、矯正をスタートされた患者さんには漏れなくチェックのための赤い染色剤をお渡ししています。

歯並びと口周りの筋肉の関係

人間の顔には、もともと11種類もの表情筋があります。 そのうち矯正と関係がある筋肉は、 ・口輪筋 ・オトガイ筋 ・大頬骨筋 の3種類です。

口輪筋は唇をしっかり閉める筋肉です。前歯が出ている状態が続くと、この口輪筋が弱くなり、衰えていきます。するとだんだん口を閉じる力が弱まってしまい、口呼吸になりやすくなるのです。 矯正治療で一番大きな分岐点は「抜歯をするかしないか」というのが一般的ですが、この口輪筋がきちんと機能していない場合は、抜歯が必要になってきます。 この場合、犬歯の後ろの小臼歯を抜いて、しっかりと前歯を引っ込めてあげるという治療プランが推奨されます。 オトガイ筋というのは、下唇の下あたりにあります。いわゆる「出っ歯」の状態で無理やり口を閉じようとすると、オトガイ筋が不自然に緊張してしまいます。 この場合、矯正治療で上下の歯がしっかりと噛み合わせられる形に治し、前歯を引っ込めてあげることにより、オトガイ筋も正常に機能し始めます。 筋肉自体を手術しなくても、歯の矯正が結果的に筋肉の動きや強さを改善するのです。 大頬骨筋が関係してくるのは、「反対咬合」つまり「受け口」の場合です。受け口の場合、大頬骨筋が正常に機能していないケースが多いです。 大頬骨筋がスムーズに機能しないと、笑い方が不自然になってしまい、生活にも支障があります。矯正により反対咬合を改善してあげることで、大頬骨筋が正常に機能し、ちゃんと口角が上がって自然な笑顔にしていくことができます。

歯並びを治して自然な笑顔に

上記の3つの表情筋は、自分で鍛えて改善していくことはなかなか困難です。また歯並びも、自身の努力のみで改善するのはとても難しいでしょう。 やはり、歯並びを改善したいのであれば、歯列矯正が適切です。綺麗に並んだ白い歯が見える自然な笑顔は、人の印象をがらりと変えます。矯正治療は歯並びの改善だけではなく、口元の印象や、ひいてはその人全体の印象の改善にもつながります。

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