ワイヤー矯正は頬に刺さることがある?痛みが出たらどうする?
歯列矯正の方法として、ワイヤー矯正は非常に有効な施術方法です。
症例数も多く、ほぼすべての歯列の悩みに応えられるように技術も進歩しています。
そうしたワイヤー矯正ですが、矯正を始めてから終了までには1年以上かかる場合もあり、その期間お口の中にはワイヤーや取り付けるための器具(ブラケット)を装着したまま過ごすことになります。
お口の中でトラブルが起こらないかと不安や心配を抱く患者さんも少なくありません。
特に「ワイヤーが口の中を傷つけないのか」「もしもワイヤーが外れたらどうしたらいいのか」といった声が聞かれます。
実際に、長い矯正期間のうちにトラブルが起こることもあり得ます。
今回はワイヤー矯正中にワイヤーが頬に刺さることがあるのか、その時はどう対処したらよいのか。
ワイヤー矯正中に多い、ワイヤーによるトラブルへの対処方法と予防方法をお伝えしていきます。
トラブルへの対処方法を知っておけば、安心して矯正中も過ごすことができますよ。
ワイヤー矯正の仕組み
ワイヤー矯正の仕組みをおさらいしておきましょう。
ワイヤー矯正は、その名の通りワイヤーの力で歯を動かしていく矯正方法です。最初は波打っているワイヤーが真っ直ぐに戻ろうとする力を利用するのです。
歯もまた、隙間があると埋めるように勝手に動く性質を持っています。歯が抜けたからとそのままにしておくと、抜けた部分だけの空洞ではなく、隙間だらけの歯並びになってしまう、というケースもあります。
ですから、歯列矯正の場合には、歯を動かすコントロールが非常に重要なのです。
歯が動くことで痛みを感じる患者さんもいらっしゃいます。
特に矯正の初期には装置への違和感もあって、痛みに敏感になりやすいものです。
一時的に市販の鎮痛剤でも効果はありますが、痛みの強さは個人差があるので歯科医師に相談して適切な対応をとっていきましょう。
ワイヤー矯正の仕組みに話を戻しましょう。
歯の表面に、ワイヤーを通すブラケットという器具を装着し、ブラケットを通してワイヤーを調整・固定します。
しっかりと調整されているワイヤーではありますが、患者さんのお口の状態(お口が小さい、生活習慣など)によっては、ワイヤーが頬の内側に刺さることがあります。
また、ブラケットが頬の粘膜に当たり傷ができると口内炎になります。
ブラケットと頬の粘膜が擦れてできた傷に細菌が入り込んで炎症を起こしてしまうのですが、ブラケットが擦れるといった原因を解決しないと口内炎は治りません。
このように、ブラケットが擦れる・当たる、ワイヤーが刺さることが原因で痛みを生じることは矯正中に見かけられます。
矯正のワイヤーが頬に刺さる原因
ワイヤー矯正の仕組みがわかったところで、トラブルが起こる原因を知っておきましょう。
「こういうことが起きるのか」と知っておけば、いざという時に慌てることもなくなりますよ。
歯が動いたためにワイヤーが余って刺さる
ワイヤー矯正では、ワイヤーが真っ直ぐになる力を利用して歯を動かすとお伝えしました。
動かしたい歯を起点として、左右の奥歯へとワイヤーを引っかけるのです。
矯正が進行すると、歯が動きワイヤーが真っ直ぐになっていきます。
ワイヤーが真っ直ぐになると、両端に余分なワイヤーが出てくるためワイヤーが頬に刺さって痛みを生じる原因となってしまうのです。
矯正が順調に進行している証ですが、調整も必要になっている状況ですから、早めに歯科医師に相談しましょう。
ワイヤーがずれて刺さる
矯正を始めたばかりの頃は、ワイヤーが波打っている形になっています。この状態では、ブラケットとワイヤーに隙間が生じてしまう場合があります。
このような場合はワイヤーがずれてしまう可能性も高く、飛び出したりしてしまうこともあり得ます。
ワイヤーがずれたまま放置しておくと、頬の内側に刺さって痛いだけでなく、歯を動かすこともできない状況になっているために矯正が進行しません。
ワイヤーがずれていると思ったら歯科医師に相談してください。
そして、矯正を順調に進めていくように対応してもらいましょう。
ワイヤーが外れて刺さる
ワイヤーがずれるだけではなく、ブラケットから外れてしまう場合もあります。
ずれる場合と同様に、矯正を始めたばかりのワイヤーが波打っている状況下で起こりやすいのですが、完全に外れてしまうと頬の内側に擦れて痛みの原因となってしまいます。
ワイヤーが飛び出してしまっている場合は、大きな傷にもなりかねないので、早めに歯科医院を受診しましょう。
矯正のワイヤーが頬に刺さって痛いときの対処方法
矯正のワイヤーが刺さって痛いときには、様々な原因が考えられるため、歯科医院を受診することが大切だとお伝えしてきました。
それでは、歯科医院ではどのように対応するのでしょうか。
ワイヤーを折り曲げる・カットする
ワイヤー矯正では、左右の奥歯に向けてワイヤーを通すことをお伝えしました。
ですから、左右の奥歯にワイヤーの両端があり、この端を「ワイヤーエンド」と呼びます。
ワイヤーエンドは頬の内側に当たらないように、歯科医師が折り曲げたりカットするなどの調整を行っています。
しかし、矯正が進んで歯が動いてくると、初期の調整時よりもワイヤーエンドが飛び出してくるため、頬に刺さってしまうこともあります。
ワイヤーエンドが頬の内側に当たって痛みが出た場合には、ワイヤーを折り曲げるなどの調整を行います。
場合によっては、はみ出しを防ぐためにカットをする場合もあります。
余分なワイヤーを残さずにカットするため、歯科医師の技術も必要です。矯正治療の経験が豊富な歯科医師を選んでおきたいですね。
また、ワイヤーを折り曲げる・カットする治療は、専門の医療器具で行います。
決して自己判断で行わないように注意をしてください。
ワイヤーが頬に刺さることは異常ではない
これまでお伝えしてきたとおり、ワイヤー矯正中にワイヤーが頬に当たる・刺さる、そして痛みが出ることは異常ではなくきちんと原因があることでした。
矯正が順調に進行していれば出てくる症状でもあるため、心配し過ぎないことも矯正生活中には大切なことです。
とはいえ、痛みもトラブルもできるだけ回避したいものです。
歯科医師は適切なタイミングでメンテナンスを計画していますから、スケジュールに沿って通院し、その際に痛みがあれば相談したり、処置を受けていきましょう。
まとめ
いかがでしたか。
ワイヤー矯正中にワイヤーが頬に当たる原因や対処方法がお分かりいただけたことでしょう。
ワイヤーが頬に刺さるといったトラブルは避けたいものですが、矯正中にはありうるトラブルです。順調に進行している場合でも起こりえます。
予防方法としては、通院間隔をきちんと守り、メンテナンスを欠かさないことが一番です。
心配し過ぎず、信頼できる歯科医師と伴走して、理想のきれいな歯並びを手に入れましょう。
矯正は一生モノとよくいわれます。
矯正は終了までに時間もコストも少なからずかかります。ですから、自分の理想の歯並びに向けて後悔のない矯正を行っていきましょう。
そのためには、矯正施術例が豊富な歯科医院選びも重要です。
当院では様々な矯正の実例がございます。ぜひ参考になさってください。
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