マウスピース矯正の効果はいつから実感できる?
「歯列矯正」と聞くと、ワイヤー矯正を思い浮かべる方が多いかもしれません。ワイヤー矯正はもちろん定番の矯正治療法の1つではありますが、近年マウスピース矯正も注目されるようになってきました。
この記事ではマウスピース矯正の特徴やメリット、そして効果を感じられるまでの期間の目安などをご紹介します。
歯列矯正を考えている方はぜひ読んでみてください。
マウスピース矯正とは
まずはマウスピース矯正についておさらいしましょう。
マウスピース矯正は従来のようなワイヤーやブラケットを使用せずに、透明なマウスピース型の装置を使用して歯を動かす治療法です。
マウスピース装置には、歯との間にわずかな隙間が作られており、その隙間に歯が移動し、徐々に綺麗な歯並びになるように設計されています。
ワイヤー矯正とは異なり、全く目立たないため、治療中の見た目が気になる方におすすめの矯正治療法です。
マウスピース矯正治療のメリットとデメリット
マウスピース矯正治療のメリットは下記の7点です。
- ワイヤー矯正と比較して痛みが少ないため治療の負担が少ない
- 治療中も見た目を気にしなくて良い
- 取り外しができる
- 口腔ケアがしやすく、虫歯や歯周病のリスクがワイヤー矯正より低い
- 装着時に話しづらさや、滑舌の悪さを感じることが少ない
- 金属アレルギーの方でも安心して使用できる
- ワイヤー矯正よりも治療期間が短く済むことが多い
それに対して、マウスピース矯正治療のデメリットは下記の4点です。
- マウスピースを装着したときに噛み合わせに違和感をもつことがある
- 歯並びの状態によっては対応できないこともある
- マウスピースを洗浄する必要がある
- 装着時間や装着期間など自己管理が重要
これらのメリットやデメリットを知った上で、どの方法がご自分にとって最適な矯正治療か、ドクターとしっかり話し合って決めると良いでしょう。
マウスピース矯正の治療期間
マウスピース矯正の治療期間は個人差があるため一概には言えませんが、5ヶ月から2年ほどかかることが多いです。
矯正治療中に虫歯や歯周病にかかると、そちらの治療が優先されてしまうので、治療を計画通りに進めるためには、しっかりと歯磨きなどのケアを行う必要があります。
マウスピース矯正の効果が出るのはいつごろ?
では、マウスピース矯正を開始してから、いつごろから効果を感じることができるのでしょうか?
一般的にマウスピース矯正はワイヤー矯正よりも効果を感じやすいと言われています。1〜2週間ごとにマウスピースを新調するため、歯が動いていることを実感しやすいことも理由の1つでしょう。
マウスピース矯正では1ヶ月でおよそ0.25mmずつ歯が動いていきます。そのため1mmほど動いた4~6ヶ月でマウスピース矯正の効果を感じる方が多いようです。
マウスピース矯正治療を受けてから6ヶ月経過しても治療の効果を感じられない場合は、下記の点をチェックしましょう。
- 装着方法が間違っている
- 歯科医師から指示された装置の取り替え時期を守っていない
- マウスピースの装着時間が足りない
- アタッチメント(マウスピースを歯にしっかりと固定し、歯を動かすために圧力をかけるための白い突起物のこと)が長期にわたって脱落している
いずれのケースであっても、マウスピース矯正の効果が感じられない場合は、まずは担当のドクターに相談することをおすすめします。
マウスピース矯正を成功させるためのポイントは?
ワイヤー矯正よりも治療効果を実感やすいマウスピース矯正ですが、効果を高めるためにできることが数多くあります。ここではマウスピース矯正で守るべきことについてそれぞれご紹介します。
ドクターの指示に従う
ドクターの指示に従うことで最短期間でマウスピース矯正を終わらせることができます。
マウスピース矯正をしている間に、マウスピース装着時間、治療中の注意点、通院の頻度などドクターから多くの指示を受けることになるでしょう。それらの指示はきちんと守りましょう。
規定の装着時間を守る
マウスピースは1日20時間以上装着することが原則です。食事と歯磨きをする時以外は装着し続けましょう。装着時間が短くなってしまうと、治療の効果が感じられないばかりか、治療期間が長引いてしまう要因になってしまいます。
マウスピースを取り替える時期を守る
マウスピースは1〜2週間おきに新しいものに取り替える必要があります。マウスピースの取り替えは患者さんご自身で管理するため通院の負担が減りますが、取り替えの時期を守らないと治療期間が長引く要因になってしまうので注意が必要です。必ずドクターの指示を守ってマウスピースを取り替えましょう。
チューイーを使用してマウスピース装着する
チューイーとは、マウスピースをしっかりとはめ込むために活用するシリコン製のスティックのことです。
治療期間が長くなるほど、チューイーを使用せずに指や歯を使ってマウスピースをはめ込んでしまう方がいます。
しかし、マウスピースがきちんとはめ込まれないと口内で均等に矯正力が掛からなくなってしまい、矯正効果が落ちてしまう可能性があるので、チューイーをしっかり噛んでマウスピースをはめ込むという習慣を続けてください。
口腔ケアをきちんとする
歯を削る必要性が出てくるほどの虫歯ができ、詰め物や被せ物をしてしまうと歯の形が変わってしまい、マウスピースが合わなくなってしまう恐れがあります。
マウスピース矯正中は、歯磨きするだけでなくデンタルフロスを活用すること、そして食後に歯磨きをしてからマウスピースを装着するようにするなど、口腔ケアに力を入れて虫歯や歯周病の予防をしましょう。
定期的に通院する
ワイヤー矯正と比較するとマウスピース矯正は通院頻度が低く、2〜3ヶ月に一度の通院になることが多いです。しかし、通院の頻度が少ないということは、通院の必要性がないということではないので気をつけてください。
定期的な通院は、早期の虫歯が発見できたり、口腔内の状態をチェックしてもらう、マウスピース矯正が順調に進行しているかの状況確認など、矯正治療を成功させるためには欠かせない大切なことです。
自己管理が大切なマウスピース矯正だからこそ、自己判断で通院の回数を減らしたりせず、ドクターの指示を守って定期的に通院しましょう。
家族や友人に見てもらう
矯正治療中はご自身で歯の状態を毎日鏡で確認するでしょう。しかし、毎日歯の状態をチェックしているとなかなか効果を感じることが難しいものです。
時々ご家族やご友人に歯の状態を見てもらい、どのくらい効果が出ているか客観的な意見を聞いてみるのもおすすめです。
長期間にわたる治療ではモチベーションを維持することも大切ですね。
まとめ
マウスピース矯正はワイヤー矯正よりも早く効果を実感しやすいですが、それでも効果を感じるまでに4~6ヶ月ほどの期間が必要です。
今回の記事では、マウスピース矯正で守るべきポイントなどをご紹介しました。この記事を参考に、マウスピース矯正を成功に導いていきましょう。