子どもの矯正でトラブル!?スムーズに矯正を進めるために知っておきたいこと
歯列矯正は、歯を動かして歯並びを整えます。
場合によっては抜歯の必要もでてきます。
こうした歯列矯正に対して、大人でも初めての方は不安や疑問が生じますし、治療中・治療後にトラブルも考えられます。
それは、子どもの矯正であっても同じことです。
大人と子どもで矯正のアプローチが大きく変わることはありません。
子どもの矯正は「大人がよく知っておくこと/子どもによく伝えること」がトラブルを回避するうえでとても大切なことです。
子どもの矯正をスムーズに終えられるように、矯正についての確かな知識を身につけておきましょう。
歯列矯正の基本
まず、歯列矯正の基本をおさらいしておきましょう。
一般的な矯正といえばワイヤー矯正です。
施術例が非常に多く、どのような症状にもほぼ対応が可能とされています。
歯の表面にブラケットと呼ばれる装置を取り付け、ブラケットにワイヤーを通します。
そして、動かしたい歯の両側でワイヤーを留め、ワイヤーが動く力で歯を徐々に動かしていくのです。
メリットは、前述したようにどのような症状にもほぼ対応可能なことです。
デメリットは、見た目の悪さ、次いで、矯正初期に痛みが出やすいことです。
ただし、慣れると痛みが治まる場合がほとんどですし、市販の鎮痛剤で軽減できます。
もうひとつ新たな矯正方法としてマウスピース矯正があり、矯正中の見た目の悪さを克服したことで若い人を中心に利用されている方法です。
最大のメリットは矯正中でも目立たないこと(半透明のマウスピースのため)、ただしデメリットはワイヤー矯正と比べると症例数が少なく、また、複雑な矯正には向かないということです。
このように矯正方法にも選択肢があるので、子どもの矯正にはどの方法が向いているのか、歯科医師ともよく相談してみましょう。
子どもの矯正はいつ開始すればよいか?
子どもの歯並びが悪い、問題があるのではないかと保護者であれば不安になりますよね。
では、子どもの矯正はいつ始めると良いのでしょうか。
まず、子どもの歯の成長段階を知っておきましょう。
- 6歳ごろまで……乳歯列期
- 12歳ごろまで……混合歯列期
- 以降……永久歯列期
子どもの矯正治療の場合、乳歯と永久歯が混在する時期(混合歯列期)に行う「1期治療」と、永久歯が生え揃った後に行う「2期治療」があります。
1期治療は小学生の頃、2期治療はだいたい中学生以降に行う治療と覚えておくと良いでしょう。
1期治療は必ず必要というわけではありませんが、症状によっては1期の早い時期に矯正を開始することで得られるメリットもあります。
1期から矯正を行った方が良いケースは、以下の場合が考えられます。
- 顎の成長期であるため、噛み合わせの改善や抜歯が不要になる
- 1期治療を行うことで、2期治療の軽減や2期治療が不要になる
- 現状を放置することで症状が悪化すると予想される場合の早期治療が可能になる
いずれの場合も、お子さんのお口の状態・顎の発達状態を歯科医師によく診察してもらい、お子さんへの負担が軽くて済む矯正方法を選んでいきましょう。
一方、1期治療を行わずに2期治療から開始した場合は、成人と同等の矯正治療となります。
いずれの場合でも、子どもの場合は永久歯が生え揃うまでは定期的にメンテンナスや観察を行い、矯正に適切な時期を判断することが大事といえるでしょう。
当院でも、子どもの矯正治療を行っております。
お子様の歯並びやお口の状況を拝見して、適切な矯正・時期をお伝えしていますので、お悩みの際はご相談ください。
子どもの歯列矯正メリット・デメリット
子どもの矯正の場合、1期治療から始めると大人の矯正よりも期間を要します。
矯正が終わるまでの数年、歯の中に装置を取り付けるのですから不便や不快なことも起こるだろうと考えられます。
治療を始めてもすぐに結果は出ませんから、子どもが「嫌だ」と言い出して途中で治療を断念するケースも出てこないとは限りません。
保護者からお子さんに、矯正のメリット・デメリットをきちんと伝えていきましょう。
子どもが矯正に対して前向きで協力的になれば、矯正中の生活もスムーズになりますよ。
子どもの歯科矯正メリット
- 歯並びがきれいになり、見た目のコンプレックスから解放される
- 噛み合わせが良くなることで、体調に良い影響を及ぼす
- 歯磨きがしやすくなり、虫歯になりにくくなる
- 発音(滑舌など)が良くなる
子どもの歯科矯正デメリット
- 治療の段階で痛みが生じる場合がある
- 治療が長期にわたる場合がある
- 治療中の歯磨きが難しく、虫歯になりやすい
- 矯正中の見た目が気になる
また、歯列矯正の世界的な認識として「矯正がきちんとできるのは意識が高い」ことがあげられます。
まだまだ日本では矯正に対するハードルが高い現状ですが、海外では歯並びの美しさを保つことは常識になっています。
ですから、子どもの頃から矯正を行っておくことは、将来世界で活躍するであろう子ども達にとってプラスになることも考えらえます。
子どもの矯正トラブル対応法
一般的に子どもの矯正で耳にするトラブルを解決していきましょう。
事前の検査を十分にしていないのでは?
矯正治療では、頭部のX線検査は必要不可欠です。
X線写真と患者さんの歯型を分析して治療計画を立てていくためです。
検査をせずに矯正だけを行ってしまうと、そもそも矯正治療が不要だったケースや、症状の悪化といったトラブルとなるケースも見受けられます。
矯正は専門性の高い治療です。
矯正治療のトラブルにあわないように、症例数や経験豊富な矯正治療を専門に行う歯科医院で相談してみましょう。
歯科医師から矯正は早い方が良いと急かされる
子どもの矯正は、低学年ぐらいから始める傾向が多くなっています。
これは、受験やクラブ活動に影響するのではと心配する声もあるためです。
子どもの矯正を早く行うことにも利点はあります。
低年齢の子どもの顎の成長を矯正治療に活かすことができ、ある程度の治療効果が見込めるためです。
しかし、全てのお子さんが早いうちに矯正をすることが良いわけではありません。
歯科医師から、お口の状態をあまり診察せずに高額な矯正を勧められたら、別の歯科医院と比較しても良いでしょう。
セカンドオピニオンを検討することも、選択肢を増やすことや安心のために効果的ですよ。
いきなり歯を抜かれた
歯の生え方が悪いという理由だけで、歯を抜いてしまうケースが聞かれます。
例えば、八重歯は犬歯が飛び出ていることが多いですが、犬歯は寿命の長い歯なので残しておく方が良い場合がほとんどです。もちろん、検査の結果によっては犬歯を抜かざるを得ないケースもあります。
抜歯の場合は、必ず歯科医師がお子さんと保護者の方に説明し、了承を得た上で行います。ところが、検査をしないで犬歯が抜かれてしまったとしたらどうでしょうか。
一度抜いてしまった歯は二度と生えてきません。
お子さんの長い人生で、一番良い歯並び・噛み合わせとなるための矯正治療ですから、お子さんのためにも検査と診断をきちんと行う矯正歯科医院を選んであげることも大切です。
まとめ
今回は、子どもの矯正トラブルについてお伝えしました。
トラブルが起きてからでは手遅れになる場合もあります。
子どもは自分で矯正の良し悪しを判断はできません。
必ず保護者の方が正しい矯正の知識を身につけ、歯科医師に相談し、お子さんのために最良の選択をしてあげてください。
また、歯列矯正は一生ものです。
後悔のない治療・納得のいく仕上がりを目指していきましょう。
当院にもお気軽にご相談ください。