インビザラインができない?その理由と解決策を徹底解説!
矯正するなら、目立たなくて取り外しができるインビザラインでやってみたいと希望する方も増えてきています。
インビザラインが適応されない歯並びがあることをご存知でしょうか?
歯並びの矯正を検討するに当たって、インビザラインができない理由や解決策を知るのはとても重要です。
この記事では、インビザラインができない人の特徴や対策について解説します。
歯並びに悩んでいる人は、ぜひこの記事を参考に歯並びの矯正をご検討ください。
インビザラインとは
インビザラインとは、金具やワイヤーを使わず、取り外しのできる透明なマウスピースを装着して歯並びを矯正する方法です。透明で薄いマウスピースを1日20時間以上装着してゆっくりと歯を移動させます。同じマウスピースを装着し続けるのではなく、約7〜14日程度で新しいマウスピースへ交換します。
一般的に、使用するマウスピースは最初にまとめて作製するため、頻繁に歯科医院に通う必要はありません。歯並びの状態によっては、しっかりと圧力をかけて歯を動かすために「アタッチメント」と呼ばれる突起を歯の表面につけてからマウスピースを装着する場合もあります。
しかし、歯並びによってはインビザラインでの対応ができないケースがあります。
インビザラインを希望する場合は、カウンセリングの際に歯科医師にご自分の歯並びがインビザラインで治療ができるかどうか、確認しましょう。
インビザラインができない人や歯並びの特徴
ここでは、インビザラインでは治療が難しい人や歯並びの特徴について解説します。
- 虫歯や歯周病がある
- 重度の叢生(そうせい)である
- 重度の出っ歯である
- 重度の受け口である
虫歯や歯周病がある
虫歯や歯周病がある場合、インビザラインに限らずすぐに歯列矯正ができない可能性があります。これは、虫歯がある状態でマウスピースをはめてしまうと菌の増殖を促してしまったり、歯周病の場合は顎の骨が溶けてしまい、 歯が不安定になっているからです。
虫歯がある場合は治療してからマウスピースを製作すればいいのですが、矯正中に虫歯になってしまうと、治療後に歯の形が変わり、製作したマウスピースが入らなくなってしまいます。
また、歯周病を患っている歯に対して矯正をしてしまうと歯周病が進行する恐れがあります。この状態でインビザラインを行うと、最悪の場合、歯が抜けてしまう可能性もあります。
顎の骨が正常でなければ埋まっている歯を移動させることはできず、歯が移動できなければ矯正治療はできません。そのため、虫歯や歯周病がある人は歯列矯正を行う前にしっかり治療して、口腔内の環境を改善しておきましょう。
また、矯正中は口腔環境が悪化しやすい傾向にあるため、より丁寧な口腔ケアを心がける必要があります。
重度の叢生(そうせい)である
叢生とは、歯が凸凹に生えている状態のことです。軽度の叢生の場合はインビザラインでの矯正も可能ですが、重度の場合、抜歯によって歯を大きく移動させる必要があるため、インビザラインよりもワイヤー矯正のほうが適しているケースがあります。
ご自身では叢生の度合いが軽度か重度かは判断できないため、専門家である歯科医師に判断を仰ぎましょう。
重度の出っ歯である
骨格に起因する重度の出っ歯の場合、歯を大きく移動させる必要があるため、インビザラインでは対応できない可能性があります。以前はインビザラインで出っ歯の矯正はできないと言われていましたが、現在は症例数が増えてきたため、ほとんどの出っ歯はインビザラインでの治療が可能です。
外科手術が必要になるような出っ歯の場合、インビザラインで改善するのは難しいでしょう。たとえインビザラインで歯並びを整えたとしても、根本的な出っ歯の改善には至らないこともあるため、矯正装置は慎重に選択してください。
重度の受け口である
下顎が前に出ている重度の受け口の場合も歯を大きく移動させるため、インビザラインができない可能性があります。
また、骨格に起因する受け口の場合は、外科手術で顎の位置を治すこともあります。
インビザライン以外の矯正方法
ここからは、インビザラインができない場合の対策について解説します。インビザラインができないからといって、歯並びの矯正ができないわけではありません。
別の治療方法やインビザラインとの併用で矯正ができる可能性があります。
ワイヤー矯正
ワイヤー矯正は、矯正器具を歯につけてワイヤーの力で歯を動かす治療方法です。歯を大きく動かすことができるため、インビザラインでは対応が難しい症例も含め、幅広い症例に対応できます。
治療を始めてすぐは痛みを感じる傾向にありますが、数日で軽減される場合がほとんどです。また、ワイヤー矯正の装置は取り外しができないため、しっかりと口腔ケアをする必要があります。
歯の表面に矯正器具をつけるワイヤー矯正は、矯正装置が目立ってしまうと感じる人も少なくはありません。
透明または白い矯正器具を使用したり、装置を裏側に装着する「裏側矯正」という方法も人気があります。
しかし、専門的な技術が必要になるため裏側矯正ができる歯科医院が少なく、一般的に費用が高くなる傾向にあります。加えて、矯正器具をつける歯の裏側はお手入れがしにくいため、虫歯や歯周病のリスクが高いと言えます。
インビザラインとワイヤー矯正の併用
インビザラインだけでは対応できない場合は、ワイヤー矯正を併用するケースがあります。
矯正初期に歯を大きく動かす際はワイヤー矯正で治療を行い、細かい調整はインビザラインで行うことで矯正期間の短縮が可能です。
インビザラインしか扱っていない歯科医院もあるため、併用したい場合は歯科医師に相談をしましょう。
インビザラインとワイヤー矯正の手順は歯科医院や歯並びの状態にもよるため、事前に歯科医師に確認が必要です。
歯列矯正を成功させるには
矯正をしたいと考えている人は、まず歯科医師によるカウンセリングを受ける必要があります。
カウンセリングの際に、インビザラインを希望していること、自分の歯並びがインビザラインで治せるのかといったことを歯科医師に確認しましょう。
似たような歯並びや症例であっても、同じようにインビザラインで対応できるとは限りません。
まずは、カウンセリングでしっかりとご自分の希望や、歯科医師による説明を聞くことが大切です。
以下は、カウンセリングの流れの一例です。
- 現在の悩みや理想の歯並びなどのヒアリング
- 口腔内の診察
- 口腔内の写真撮影やレントゲン撮影
- 治療方法の提案
実際に歯科医師が口腔内を診察したうえで、インビザラインができるかどうかを判断します。
もしインビザラインでできなくても、ほかの治療方法を提案してくれますので、歯並びで悩んでいる人は、まず歯科医院でカウンセリングを受けてみてください。
まとめ
ここまで、インビザラインができない理由や解決策について解説しました。
インビザラインは、透明なマウスピースを装着して、少しずつ歯並びを整えていく治療方法です。ワイヤー矯正のように歯を大きく動かすことができる矯正治療とは異なるため、重度の出っ歯や受け口、叢生の人は対応できない可能性があります。
インビザラインができない場合でも、歯列矯正には他にも方法があります。インビザラインにこだわるのではなく、なりたい歯並び、手に入れたい歯並びへの最善の矯正方法を歯科医師と一緒に探すことから始めてみてはいかがでしょうか。
矯正治療を行う歯科医院では無料のカウンセリングを実施している場合が多いので、ぜひそういった機会を利用して、一度歯並びの相談をしてみましょう。