出っ歯を治したい!理想の歯並びを手に入れるための方法とは?
生まれつき出っ歯が気になり、どのように治すべきか悩んでいる人もいるでしょう。理想の歯並びを手に入れるためには、出っ歯の治療方法やそのリスクについて理解しておくことが重要です。
出っ歯を治したいと考えている人は、ぜひこの記事を参考に理想の歯並びを手に入れてください。
出っ歯とは
出っ歯とは、専門的には上の前歯が前方に出ている状態の「不正咬合」のことを指します。ここでは、出っ歯の原因やその弊害、放置することで起こる悪影響について解説をします。
出っ歯になる原因
出っ歯の原因として考えられているのは、主に以下の3つです。
- 遺伝的要因
- 長期的なおしゃぶりの使用
- 頻回な口呼吸
遺伝的要因は全体の3〜4割ほどといわれているため、両親や祖父母などが出っ歯の場合は生まれつき上顎の骨が前方に出ている可能性があります。
また、乳児期に長期的におしゃぶりを使用すると前歯が前方に押し出されたり、下顎が下がってしまったりする場合もあります。おしゃぶり以外にも指しゃぶりや爪を噛む行為なども同様です。
口呼吸が頻回になっている場合は、頬からの力によって歯が内側に押されてしまう可能性があります。これは、口呼吸によって舌が下がり上顎から離れてしまうため、頬からの力が優位になってしまうのが原因です。
出っ歯による弊害
出っ歯による弊害の主な例は以下のとおりです。
- 発音が悪くなる
- 咀嚼がしにくくなる
- 口の中が乾燥しやすくなる
- 口元の印象が悪くなる
出っ歯は、上の前歯が出ているため、噛み合わせが上手くいかず、食べ物が食べにくかったり、発音が悪くなったりする場合が少なくありません。
また、出っ歯の人は、突き出した前歯の影響で口呼吸をする傾向にあります。口呼吸で口内が乾燥し唾液が少なくなると虫歯や歯周病になりやすくなってしまうため注意が必要です。ほかにも、出っ歯によって盛り上がってしまった口元をコンプレックスに感じる人も多いでしょう。
出っ歯を放置すると起こる悪影響
出っ歯を放置すると起こる主な悪影響は以下のとおりです。
- 胃腸に負担がかかる
- 虫歯や歯周病のリスク高くなる
- 顎関節症のリスクが高くなる
胃腸に負担がかかってしまう原因は、噛み合わせが悪く咀嚼が不十分になって食べ物の消化に時間がかかる傾向にあるからです。
また、先ほども述べましたが、前歯が出ているため唇が閉じにくく、口の中が乾燥しやすいため虫歯や歯周病のリスクが高くなる可能性もあります。
さらに、前歯の噛み合わせが上手くいかないと、奥歯で食べ物を噛む癖がついてしまい、顎関節症のリスクが高くなる傾向にあります。
出っ歯を治すための4つの方法
ここでは、出っ歯を治す方法について解説をします。治し方の特徴を正しく理解して、ご自分にあった治し方を選びましょう。治療方法は主に以下の4つです。
- マウスピース矯正
- ワイヤー矯正
- インプラント矯正
- セラミック矯正
マウスピース矯正
透明な医療用のマウスピースを歯に装着して出っ歯を治す方法です。
全体矯正 | 部分矯正 | |
治療期間 | 1〜3年程度 | 半年〜1年程度 |
費用 | 45〜120万円程度 | 30〜60万円程度 |
主なメリットとしては以下の3つが挙げられます。
- 透明であるため目立ちにくい
- 他の矯正方法より痛みを感じにくい
- 自由につけ外しができるためケアがしやすい
デメリットは以下の3つです。
- 決められた装着時間を守らなければならない
- 重度の出っ歯には対応できない
- 歯の移動距離が大きい場合には適さない
マウスピース矯正は、一般的に1日20時間以上のマウスピースの装着が必要です。そのため、装着時間が足りないと適切な効果が得られない可能性があります。
また、マウスピース矯正は、出っ歯の程度によっては対応ができないため注意が必要です。マウスピース矯正を行う際は、事前にマウスピースでの矯正が可能かどうか歯科医師に相談しましょう。
ワイヤー矯正
歯にワイヤー器具を装着してワイヤーの力で歯を動かす方法です。
全体矯正 | 部分矯正 | |
治療期間 | 2〜3年程度 | 半年〜1年程度 |
費用 | 50〜100万円程度 | 20〜40万円程度 |
ワイヤー矯正の主なメリットとしては以下の3つが挙げられます。
- 重度の出っ歯にも対応できる
- 費用が安い傾向にある
- 歯を早く動かせる傾向にある
デメリットは以下の3つです。
- 痛みの程度が強い場合がある
- 矯正装置が目立ってしまう
- 日々のケアがやりにくい
ワイヤー矯正の場合、取り外しができないため歯磨きがしにくく、虫歯や口臭などを引き起こす可能性があります。また、ワイヤーの力で歯を動かすため、一般的に治療を開始してすぐは歯の痛みが出やすいといわれています。
インプラント矯正
顎の骨に直接埋め込んだネジを土台にして歯を動かす矯正方法です。基本的にマウスピース矯正やワイヤー矯正と併用され、失った歯を補うためのインプラント治療とは異なる治療方法です。
治療期間は、症状にもよりますが1年以上かかるでしょう。しかし、マウスピース矯正やワイヤー矯正を単独で行うより短くなる場合がほとんどです。
費用は、一般的に土台のネジ1本につき5,000〜30,000円程といわれています。
インプラント矯正のメリットは以下の3つです。
- 矯正期間が短くなる傾向にある
- 歯を大きく動かすことができる
- 重度の出っ歯にも対応できる
顎の骨にネジを固定しているため、ネジが動いてしまう心配がなく、安定的に歯を大きく動かせます。そのため、歯を大きく動かす必要のある重度の出っ歯にも対応が可能です。また、同様の理由でワイヤー矯正やマウスピース矯正を単独で行うよりも短い時間で矯正ができる傾向にあります。
デメリットとしては以下の3つが挙げられます。
- 手術が必要になる
- 土台のネジが抜ける可能性がある
- 炎症や腫れ、感染症などのリスクがある
インプラント矯正は、土台のネジを顎の骨に埋め込む手術が必要です。手術といっても局所麻酔で30分もせずに終わりますが、炎症や腫れ、感染症などを引き起こす可能性があります。また、顎の骨の状態によっては、土台のネジが抜ける可能性もあります。
セラミック矯正
前歯を削ってセラミックの被せ物を被せ、見た目を整える方法です。軽度〜中程度の出っ歯に対応できます。
治療期間は、歯の本数によって異なりますが、即日〜3ヶ月程度といわれています。
費用は、一般的に1本につき40,000円〜150,000円程度です。
セラミック矯正のメリットは以下の3つです。
- 矯正治療よりも治療期間が短い
- 歯を動かさずに出っ歯を矯正できる
- 矯正装置が必要ない
歯を削って出っ歯を治す治療方法のため、矯正装置は使用せず、歯は動かしません。
また、ほかの矯正方法と異なり、即日〜3ヶ月程度と治療期間が短いのは大きなメリットです。
デメリットとしては以下の3つが挙げられます。
- 歯の神経を抜く必要がある
- 軽度〜中程度の出っ歯にしか対応できない
- 本数が多い場合は費用が高くなる傾向にある
セラミック矯正は、歯の神経を抜かなければならないため、歯の寿命を縮めてしまう可能性があります。
また、出っ歯の程度によっては対応ができない、歯並びを改善するのではなくあくまで見た目をきれいにする方法のため、根本的に歯並びから治す必要がある方にはおすすめできません。
出っ歯を治す際に気を付けること
出っ歯を治す際に気をつけるべきことは以下の3つです。
- 定期的にメンテナンスを受ける
- リテーナーを装着する
- 爪を噛んだり舌で歯を押すなどの悪癖を直す
定期的にメンテナンスを受ける
治療が終わったからといって、半永久的に効果が続くとは限りませんので、定期的に歯科医院で検診を受けましょう。
リテーナーを装着する
マウスピース矯正やワイヤー矯正で出っ歯を治した場合、歯が元の位置に戻ろうとする「後戻り」を防ぐための「リテーナー」と呼ばれる装置を着けなければなりません。
リテーナーの装着期間は、矯正にかかった期間と同じくらいとされており、せっかく矯正治療が終わったのに…と負担だと感じる人も多いでしょう。しかし、歯の位置を定着させるにはリテーナーの装着は必要不可欠です。矯正後は、歯科医師の指導のもと、リテーナーを装着しましょう。
爪を噛んだり舌で歯を押すなどの悪癖を直す
出っ歯の原因として、爪を噛んだり舌で歯を押したりする悪癖が挙げられます。大人の場合、悪癖で歯が大きく動く可能性は低いですが、長い期間続ければ出っ歯が再発する可能性もあるため注意が必要です。
爪を噛んだり舌で歯を押したりする悪癖がある人は、日常から意識してやめるようにしましょう。
まとめ
出っ歯は放置しておくと胃腸に負担がかかったり、虫歯のリスクが高くなったりします。
すべての治療にはメリットやデメリットがあるため、しっかりと治療方法を理解し、ご自分にあった治療を選びましょう。