インビザラインにも種類がある?各プランの特徴や矯正の効果を解説!
インビザラインは、透明で装着感の少ないマウスピース(アライナー)を使用することで、歯並びのゆがみや噛み合わせを効果的に矯正することができる治療方法です。
インビザライン矯正には、歯並びの乱れ具合に応じて様々な種類が用意されています。
それぞれのプランでどのような治療ができるのか、気になる方も多いのではないでしょうか?
このコラムでは、インビザライン矯正の種類やそれぞれの特徴を紹介します。
インビザライン矯正とは?
まずは、インビザラインがどのような矯正方法かをおさらいしましょう。
インビザライン矯正は、一般的に以下の流れで進行します。
1.歯科医師の診察
最初に、歯科医師との相談と診察が行われます。歯並びの現状や治療目標について詳しく話し合います。
2.精密な検査
口腔内のデジタルスキャン、レントゲン、写真撮影などの手段を使って歯並びの状態を評価し、インビザライン矯正が適しているかどうかを判断します。
3.治療計画の立案
専用のソフトウェアを使用して治療計画を作成します。
治療の段階や予想される結果をシミュレーションで見ることも可能です。
4.アライナーの作製
治療計画が確定した後、デジタルスキャンのデータをもとに透明なマウスピース「アライナー」を作製します。
5.アライナーの装着
アライナーが完成したら、いよいよ治療の開始です。
アライナーを1日に20時間以上装着し、約10日ごとに次のアライナーに交換します。
アライナーはほとんど目立たず、外すこともできるため、食事や歯磨きは普段通りに行うことが可能です。
6.定期的なフォローアップ
治療期間中は定期的に通院し、治療の進捗や歯の健康状態をチェックします。
歯の移動が計画通り進んでいるかどうかを確認し、必要に応じてアライナーの調整を行います。
7.治療完了後のアフターケア
すべてのアライナーを使い切ったら、インビザライン矯正は完了です。
治療後は歯並びの安定化のために、リテーナーを使用することが一般的です。
リテーナーは歯が元の位置に戻らないようにするための装置で、決められた時間帯に装着します。
インビザラインの種類は具体的にどんなものがあるの?
冒頭で述べた通り、インビザライン矯正にはいくつかの種類が存在します。
歯並びの悩みや症状はひとりひとり異なるため、それぞれに適した治療を行うために様々なプランが設けられているのです。
インビザラインは、プランによって矯正の範囲や効果、作製できるアライナーの枚数、治療期間や費用などが変わってきます。
ここからは、当院で扱っているインビザライン矯正の種類について紹介します。
治療の目安として一般的に適している症状についても解説しますが、実際にプランを決定する際は自分で判断せず、歯並びの詳しい検査を受けてから歯科医師と相談しましょう。
1.インビザラインライトパッケージ
インビザラインライトパッケージは、インビザライン矯正の中でも軽度な歯並びの問題に対して特化した治療プランです。
例えば、前歯の軽度なゆがみを部分的に改善したい場合や、前歯のすきっ歯の治療などに適しています。
アライナーは最大14枚まで作製できます。
以下に、インビザラインライトパッケージの主な特徴を紹介します。
・短期間での治療が可能
インビザラインライトパッケージは、比較的短期間での治療が可能です。
軽度な歯列の問題に焦点を当てており、アライナーの枚数も少ないため、複雑な症例よりも治療期間が短くなることが一般的です。
・コストが抑えられる
部分的な歯並びの問題を、コストを抑えて治療することができます。
症状によっては、上あごのみ、または下あごのみなど必要な部分にだけ治療を行うことで、さらに金銭的な負担を少なくすることも可能です。
・奥歯の矯正が必要な場合は適していない
インビザラインライトパッケージは、部分的な歯並びの問題に特化しています。
そのため、奥歯の移動を伴う複雑な矯正や、全体の噛み合わせの治療などには向いていません。
奥歯を動かす必要があるにも関わらず無理やり前歯だけを動かそうとすると、噛み合わせや歯並びがさらに悪化する場合もあるため、適応かどうかをしっかり検査してから選択しましょう。
2.インビザラインコンプリヘンシブパッケージ
インビザラインコンプリヘンシブパッケージは、前歯から奥歯まで歯並び全体を治療することができ、より複雑な歯並びの問題に適しています。
例えば、重度な歯の傾斜や歪み、奥歯の位置による噛み合わせの問題などを対象としています。
アライナーの枚数は無制限のため、枚数に応じて追加費用がかかることはありません。
以下に、インビザラインコンプリヘンシブパッケージの主な特徴を紹介します。
・矯正効果を追求できる
インビザラインコンプリヘンシブパッケージでは、より詳細な矯正治療が可能です。
追加費用をかけずに治療ができるため、歯並びの全体的なバランスや噛み合わせの改善に重点を置き、納得するまで治療することができます。
・奥歯を動かすことができる
インビザラインライトでは難しい奥歯の移動も、インビザラインコンプリヘンシブパッケージで対応できます。
奥歯の噛み合わせを適切にしたり、奥歯から順序良く動かして前方に突き出している歯並びを改善したりなど、様々な活用方法があります。
・治療は比較的長期間に及ぶ
インビザラインコンプリヘンシブパッケージはより複雑な矯正を対象としているため、通常は治療期間が長くなります。
個々の症例によって異なりますが、数年にわたる治療期間が必要な場合もあります。
3.インビザラインモデレートパッケージ
インビザラインモデレートパッケージは、インビザラインライトパッケージとインビザラインコンプリヘンシブパッケージの中間的なプランです。
ライトパッケージでは治療が難しいけれど、コンプリヘンシブパッケージを利用するほどではない、という中等度の歯並びの乱れに適しています。
アライナーは1クール26枚まで作製でき、必要に応じて3クールまで追加することができます。
以下に、インビザラインモデレートパッケージの主な特徴を紹介します。
・小さな奥歯のずれも治せる
インビザラインライトパッケージでは治療が難しい小さな奥歯のずれも、インビザラインモデレートパッケージでは治療が可能な場合があります。
必要に応じて、自宅で小さな輪ゴムをかける「顎間ゴム」を使用することもありますので、歯科医師の指導内容をしっかり聞くようにしましょう。
ただし、奥歯のずれが大きい場合は治療が難しいこともあるため、インビザラインコンプリヘンシブパッケージの利用を検討する必要があります。
・片あごのみの矯正が可能
インビザラインコンプリヘンシブパッケージでは対応していない片あごのみの治療も、インビザラインモデレートパッケージでは選択することができます。
症状に合わせて、上あごのみまたは下あごのみの治療を選択することで、より負担の少ない治療が可能です。
自分に合ったプランを選ぶには?
インビザラインについて、具体的な治療プランの決定は歯科医師との相談の上で行われます。
患者さんそれぞれの歯列や骨格の状態、治療の目標、予算などを考慮しながら選択します。
歯並びの乱れ具合に適さないプランを選択した場合、矯正治療が中途半端になり追加の治療が必要になったり、理想と異なる結果になったりするリスクがあります。
各プランでどこまで矯正できるのか、しっかりと理解することが大切です。
もちろん、歯科医師に自分の希望を伝えることも重要なので、不安なことはどんどん質問し、納得した上で治療を開始しましょう。
まとめ
インビザラインのプランは、患者さんの状況や治療目標に合わせて設定されています。
専門知識のある歯科医師と相談し、最適な治療プランを選択することで、理想の歯並びに近づくことができます。
インビザラインの利点を最大限に活かしながら、美しい歯並びと機能的な噛み合わせを実現しましょう!