歯並びが悪くて口が閉じられない!どうやって治す?原因や治療方法を紹介

歯並びに関する悩みは、単なる外見の問題だけでなく、健康や機能面にも影響を及ぼすことがあります。
その中でも「歯並びが原因で口が閉じられない」という問題は、日常生活の様々な面で大きな制約をもたらします。
口が閉じにくいという状態は、見た目が気になる以外に食事や発音、呼吸状態などにも関わってくるため、決して軽視できません。

口が閉じにくい状態のことを、専門的な用語で「口唇閉鎖不全(こうしんへいさふぜん)」といいます。
この問題の背景には、あごの骨の構造や歯の配置に関わる複雑な要因が絡んでいます。
今回は、歯並びが引き起こす口唇閉鎖不全の主な原因と、それに対する効果的な治療方法について詳しく探求していきます。

口の閉じにくさが引き起こす問題

1.食事の問題

口唇閉鎖不全がある場合、食事の際に様々な困難が生じる可能性があります。
唇が正しく閉じられないため、食べ物が口からこぼれやすくなる可能性があり、特に液体や小さな食べ物など、口から出てしまいやすいものが摂取しにくくなります。
また、食べ物の咀嚼が不十分になり、消化が十分に行われず、栄養の吸収に影響を及ぼすリスクもあります。

これらの要因により、食事の選択肢が制約されて栄養バランスを保つのが難しくなったり、食事を摂るのに通常よりも時間と労力がかかったりします。

食事は家族や友人とのコミュニケーションの場や、自身の楽しみのひとつになっていることも多いでしょう。
しかし、口唇閉鎖不全がある場合、食事の制約や困難さによって心から食事を楽しめなくなることがあるのです。

2.発音の問題

口唇閉鎖不全は、発音に関する問題を引き起こす可能性があります。
正しい口唇閉鎖ができないため、発音の際に音が漏れやすくなります。
特に「ぱ」「ぴ」「ぷ」「ぺ」「ぽ」などの音において、唇を閉じる動きが難しい場合、はっきりと発音されないことがあります。

また、歯と歯、歯と舌、歯と唇などの間で摩擦を生じる音「摩擦音」や、「か」「が」「さ」「ざ」など、上あごと舌が触れ合う「口蓋音」の発音においても、難しさが生じる可能性があります。

発音障害は、正しい発音ができないことによりコミュニケーションに支障をきたすため、日常生活や学業、職場での会話がスムーズにできないなどの問題を抱えてしまう場合があります。

3.見た目の問題

口唇閉鎖不全は、顔面の調和とバランスにも影響を及ぼします。
Eラインという語句を聞いたことがあるでしょうか?歯科や美容分野で使われる概念で、顔の美しいプロポーションを示すものです。
Eラインは、人の顔を横から見た際に、鼻先、唇の前縁、あごの先端が一直線上に並ぶような理想的なバランスを指します。
しかし、口唇閉鎖不全が存在すると、このEラインが乱れることがあります。

口が閉じにくい状態で無理に閉じようとすると、唇やあごの位置が変わりがちです。
これにより、Eラインが乱れて、顔のプロポーションが歪んで見える可能性があります。
例えば「口元が突き出している感じがする」といった悩みの原因になります。
このような見た目の問題は、口唇閉鎖不全が長期間続く場合に特に顕著になることがあります。

4.呼吸の問題

口唇閉鎖不全は「口呼吸」という現象に関連しています。
口呼吸とは、通常は鼻を使って行うべき呼吸が、口を使って行われることを指します。口唇閉鎖不全がある場合、口が正しく閉じられないため鼻呼吸が難しくなり、代わりに口呼吸が増加することがあるのです。
口呼吸はお口の中を乾燥させ、虫歯や歯周病のリスクを増大させます。

また、口呼吸が持続すると、睡眠時に鼻呼吸が難しくなるため「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」のリスクが高まる可能性があります。SASは、呼吸が停止するか減少することで、睡眠の質や健康に影響を及ぼす症状です。
さらに、口呼吸はのどに異物や刺激物が入りやすくなるため、咳やのどの炎症が生じることもあります。

口が閉じにくくなる歯並びとは?

様々な問題を抱えている口唇閉鎖不全ですが、その原因が歯並びにある場合も少なくありません。
口唇閉鎖不全を引き起こす歯並びには、いくつかの種類があります。代表的なものを詳しく見ていきましょう。

・下顎前突(かがくぜんとつ)

下顎前突とは、下あごの骨が適切な位置より前に突き出している状態を指します。
下あごと上あごの位置のバランスが悪いため、口を閉じる際に上唇と下唇が重なりにくく、口唇閉鎖不全を引き起こす場合があります。

・上顎前突(じょうがくぜんとつ)

上顎前突は、上の歯や上あごの骨が下あごよりも前に突き出ている状態のことです。
こちらも下顎前突と同様に、上下のあごのバランスが正常でなくなり、口唇閉鎖不全が引き起こされることがあります。
また、上顎前突の場合は上の歯が前に突き出ているため、口を閉じる際に歯が妨げとなることも原因のひとつです。

・開咬(かいこう)

開咬は噛み合わせの異常の一つです。
奥歯でしっかり噛んだ時に上下の前歯の間に隙間ができ、唇が閉じにくくなることで口唇閉鎖不全を引き起こします。

歯列矯正で口の閉じにくさは治せる!

歯並びが原因の口唇閉鎖不全は、歯列矯正で治療が可能です。
実際に「口が閉じにくい」というお悩みで矯正相談に訪れる方はたくさんいらっしゃいます。
矯正治療の流れは、歯並びの状態や治療法によって異なる場合もありますが、一般的な流れを以下に紹介します。

1.診察と検査

最初に歯科医師による診察が行われます。歯列や咬合の状態が詳しく評価され、治療の必要性や適切な治療法が検討されます。
写真撮影やレントゲン撮影、口腔内スキャンなどの診断手段が使用されることがあります。

2.診断と治療計画の立案

検査結果をもとに診断が行われ、具体的な治療計画が立案されます。
歯列の状態、咬合、口唇閉鎖、顔のバランスなどの要素を考慮して、どの治療法が最適か、治療の予想期間、費用などが検討されます。

3.治療装置の選択

歯列矯正にはさまざまな種類の治療装置があります。ワイヤーの力で歯を動かす「マルチブラケット装置」や、取り外し式の透明な「マウスピース装置」などが選択肢として考えられます。
本人の希望や治療計画に基づいて、適切な装置を選ぶことが重要です。

4.定期的な調整

矯正治療中は、一定の間隔で歯科医院に通院し、装置の定期的な調整や経過観察が行われます。
マルチブラケット矯正の場合、ワイヤーの調整やゴムバンドの交換などが実施されます。
マウスピース矯正の場合も、治療が順調に進んでいるか定期的にチェックを受けます。
また、必要に応じてマウスピースを調整したり、歯を効率よく動かすための「アタッチメント」を装着したりすることがあります。

5.治療の完了と保持

歯の移動が目標に達したと判断されたら、治療は終了です。
治療終了後は、歯が元の位置に戻るのを防ぐための「保定装置」の着用が必要になることがあります。
保定装置を効果的に使用することで、歯並びの安定性が保たれ、美しい見た目を維持することが可能になります。

ここでは矯正装置による治療の一般的な流れを紹介しました。
歯並びの乱れが骨格的な問題によって引き起こされている場合、矯正装置による治療のみでは根本的な解決に至らず、あごの骨の位置を移動させる外科手術が必要になる場合もあります。
まずは、自身の歯並びの状態を歯科医院で正確に評価し、よく相談した上で治療方法を検討しましょう。

おわりに

口の閉じにくさを解消するための方法として、歯列矯正は一つの有力な選択肢です。
口がしっかりと閉じることの重要性を再確認し、適切な治療によってその問題を解消することは、生活の質を向上させる一つの手段となります。
自身の笑顔を取り戻し、自信を持って人生を楽しんでいきましょう!

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