ワイヤー矯正中に笑うと装置が気になる。よくある悩みの解決方法は？

ワイヤー矯正を検討しているものの「装置が目立つのが気になる」「なるべく目立たない矯正治療をしたい」と考えている人も多いのではないでしょうか。

この記事では、ワイヤー矯正であっても装置が目立たないようにする方法を説明しています。
ワイヤー矯正の種類やそれぞれのメリット・デメリットを理解して、自分に合った矯正治療を選択しましょう。

ワイヤー矯正とは

ワイヤー矯正とは、歯の表面にブラケットと呼ばれる装置を接着し、ブラケットにワイヤーを通して適切な力を歯に加えることで歯を動かす矯正治療です。ワイヤー矯正は矯正治療の基本でもあり、古くから取り入れられている治療法でもあります。

ワイヤー矯正のメリット

ワイヤー矯正は矯正治療の中でも特にメジャーな治療法です。メリットは以下のとおりです。

歯並びが良くなる

ワイヤー矯正で治療を行うことによって歯列不正を改善できます。歯並びがきれいになればブラッシングなどのセルフケアも行いやすくなるため、虫歯や歯周病リスクも下げることが可能です。

また、矯正治療で歯並びが良くなることで、お口に対する意識が向上する人も増えます。

自分で取り外しをする必要がない

ワイヤー矯正は装置を歯に固定しているので自分で取り外しができません。そのため、マウスピース矯正のように自分で装置を着脱する必要がありません。

マウスピース矯正は自分で取り外しを行い、装着時間を自己管理する必要があります。装置を装着する時間が少なければ、十分な矯正効果がみられず治療が進まないこともあります。その点、ワイヤー矯正は定期的に歯科医院で調整をしてもらうことで、適切な力が歯に加わり自然と治療を進められます。

症例への適応範囲が広い

ワイヤー矯正はマウスピース矯正に比べて適応症例が多いことも大きなメリットの1つです。基本的に軽度の歯列不正から重度の歯列不正まで対応できます。

特に歯が捻れている症例や、噛み合わせが深かったり浅かったりする症例、歯を大きく移動させる症例などはマウスピース矯正で治療するのは難しいといわれています。ワイヤー矯正であればこのような症例も治療可能です。

ワイヤー矯正のデメリット

メリットも多いワイヤー矯正ですが、デメリットもいくつかあります。ワイヤー矯正のデメリットは以下のとおりです。

矯正中は痛みが生じる

ワイヤー矯正は歯を動かすときに痛みを伴います。通常は1週間ほどで痛みが落ち着いてきますが、どうしても痛みを我慢できない場合は鎮痛剤を処方してもらいましょう。

見た目が気になる

ワイヤー矯正はブラケットやワイヤーが目立ちやすいので、見た目が気になって口元を隠してしまう人もいます。しかし、口元がきれいになる過程であり、治療が進むにつれて「装置の見た目も気にならなくなってきた」と感じる方も少なくありません。

このあと詳しく解説しますが、どうしても見た目が気になる場合は、透明のブラケットや白いワイヤーを使用したり、裏側矯正にしたりするなど、納得のいく治療法を選んで、治療へのモチベーションを上げていきましょう。

口内炎が発生しやすい

ワイヤー矯正は歯に装置を接着するため、常に凹凸を感じることになります。装置に唇や舌が当たって傷がついたり口内炎になったりすることも多いです。ただし、装置に慣れることで口内炎の発生頻度は減少します。

また、口内炎に装置が当たって痛い時は「矯正用ワックス」というものもあります。装置に矯正用ワックスをつけることで装置を保護するので、口内炎の痛みを軽減できます。矯正用ワックスは多くの矯正歯科医院で取り扱っているので、口内炎ができて悩んでいる方は一度歯科医院で相談してみましょう。

ワイヤー矯正中でも人前で笑いたい

ワイヤー矯正は装置が目立ちやすい治療と思われがちですが、使用する装置の種類や治療法によっては、目立ちにくくすることが可能です。

裏側矯正を選択する

裏側矯正とは、歯の裏側にブラケットを装着して、裏側にワイヤーを通す矯正治療法です。裏側矯正のメリットは、装置が裏側にあるため正面から見えにくい点です。
「マウスピース矯正ではなくワイヤー矯正で治療をしたいけど、とにかく装置が目立たない方法がいい」という方に適しています。

一方で、舌に装置が当たりやすいので慣れるまでは舌が傷つきやすく、口内炎もできやすいのが裏側矯正のデメリットです。また、ワイヤー矯正をし始めたばかりころは「発音しにくい」と感じる人も多いでしょう。
装置が表面から見えないので、装置周囲の歯磨きも難しく、虫歯や歯周病のリスクが高くなるというデメリットもあります。

裏側矯正は表側矯正に比べて，より技術が必要な治療法になります。そのため、費用も高額になりやすいという点もデメリットになるでしょう。裏側矯正の料金相場はおよそ110〜180万円ほどといわれています。

よく見える上の歯だけを裏側矯正に、見えづらい下の歯は表側矯正にする「ハーフリンガル矯正」という選択肢もあります。ハーフリンガル矯正にすれば、上下とも裏側矯正にするよりも費用を抑えられます。

透明の器具でワイヤー矯正を行う

ワイヤー矯正で特に目立ちやすいのはワイヤーではなくブラケットです。ブラケットは歯の表面に接着するので常に見える状態にあります。ブラケットを透明のものにするだけでさほど目立たなくなるので、見た目が気になる人におすすめです。

クリアブラケットのメリットは、通常の金属のブラケットに比べて装置が目立ちにくいことです。金属アレルギーの方でも使用できるという点もメリットとなります。

クリアブラケットのデメリットは、金属のブラケットに比べて強度が劣ることや、飲食物によって着色しやすいことが挙げられます。

また、クリアブラケットを選択した場合、通常のメタルブラケットよりも治療費が高額になりやすいです。料金相場はおよそ80万〜110万円ほどでメタルブラケットよりも10万円ほど高くなるケースが多いです。

ブラケットだけでなく、ワイヤーも白いものを選択すると、より目立ちにくくなります。

部分矯正を行う

全体の歯列を矯正する前顎矯正ではなく、一部分だけの矯正をする部分矯正であれば、装置を装着する部位も限られるので目立ちにくくなります。部分矯正のメリットは、治療期間も短く、また費用も抑えられる点です。

一方で、部分矯正のデメリットは誰でも部分矯正が適応されるわけではないということです。部分矯正は部分的な軽度の歯並び改善に適している治療ですが、歯を大きく動かしたり、全体の噛み合わせ調整が必要となったりする場合は適応されません。部分矯正の料金相場は、症例によって異なりますが30万円ほどといわれています。

まとめ

ワイヤー矯正は多くの症例に適応できる矯正治療法です。ただし、装置を歯に接着する必要があるため見た目を気にされる人は多いです。治療期間は個人差がありますが、多くの場合1〜3年ほどかかります。「ワイヤー矯正で治療をしたいけど、目立つのが嫌だ」という方は、裏側矯正や使用する装置の種類などを検討してみましょう。

また、矯正治療は「きれいな歯並びになりたい」「頑張って口の環境を整えたい」という積極性が大切です。この積極性がなければ、治療を続けるのが苦痛になったり、ケアを怠って口腔内環境が悪化してしまったりする可能性が高くなります。自分が納得のいく治療法で、きれいな歯並びを目指しましょう。