歯並びが体の不調や姿勢が悪い原因になることはありますか?
「歯並びが体とどう関係あるの?」「歯並びが原因で頭痛?」
おそらく、知らない方のほうが多いと思います。
今回は歯並びと体の不調や姿勢との関係について解説していきます。
歯並びが気になる方、体の不調の原因を知り、改善したいと考えている方はぜひ参考にして下さい。
歯並びや噛み合わせと姿勢の関係
姿勢の重心は頭にあります。
姿勢がよくないと中心からズレた頭の位置を支えるため、首や腰の筋肉が過度に緊張し、体に歪みが生じます。
歪みが生じることで全身のバランスが崩れ、頭の重心位置もズレてしまいます。
そのズレが顎のバランスを崩して歯並びがよくない原因になります。
また、姿勢が悪いと聞いて真っ先に思い浮かぶのが「猫背」です。
背中が丸まり、頭が前にでている状態のため、胸を広げにくく呼吸がしづらくなります。
呼吸がしづらくなると、酸素が不足するため自然と息をたくさん吸おうとして口呼吸になりやすくなります。
口呼吸をしていると、口の周りの筋肉が衰えバランスが崩れ、歯並びや噛み合わせにも影響がでてきます。
歯並びや噛み合わせでおこる体の不調
全身の筋肉は筋膜というもので繋がっています。
一部分の筋肉に負担がかかってしまうと、その部分に引かれるように他の部分にも影響がでてきます。
歯並びや噛み合わせが原因でおこる体の不調にはどのようなものがあるでしょうか。
主な症状をいくつか解説していきます。
頭痛・肩こり
歯並びがよくないと、食べ物を噛むときに顎に大きな負担がかかるため、顎の周りの筋肉が常に緊張状態になり血行が悪くなる場合があります。
そうすると肩や首の筋肉も緊張状態になり、痛みがでてきてしまいます。
さらに、肩や首の症状がひどくなってくると、それが原因で頭痛に繋がることがあります。
また、顎に負担がかかることでこめかみ周辺の筋肉が張り、神経を圧迫することで肩こりや頭痛を引きおこす場合があります。
むし歯・歯周病
歯並びがよくないと、歯が重なった部分やデコボコした部分に歯ブラシが入りきらず、どうしても磨き残しがでてきます。
そこに汚れが溜まり、むし歯や歯周病の原因となるのです。
また、歯並びがよくなく、噛み合わせがうまくいかないとよく噛めなくなるため、唾液の量が減ってしまいます。
唾液には口の中を殺菌する作用があるため、唾液が減ることで口の中の殺菌が十分におこなわれず、むし歯や歯周病の原因となります。
発音や滑舌が悪くなる
歯並びがよくないと、歯の隙間から息が漏れたり、舌の当たり具合に影響がでるため、発音が悪くなったり、滑舌がよくなかったりします。特にサ行やタ行の発音に影響がでてきます。
発音や滑舌に問題があると、それが気になりうまく会話ができず、他人とのコミュニケーションにも悪影響がでてきます。
特にアナウンサーや俳優、歌手、声優など言葉を発する仕事をお考えの方は、早めに歯並びを改善しておくことをおすすめします。
内臓へ負担がかかる
食べ物が栄養源として体に吸収されるには、まずそれを消化しなければなりません。
そのため、口の中でまず噛み砕いて消化しやすい大きさにします。
そして噛むことで唾液を分泌させ、唾液に含まれる消化酵素と食べ物が混ざることで消化しやすい状態になり、胃に送られます。
歯並びや噛み合わせが悪いとよく噛み砕くことができずに、唾液の分泌量も少なくなります。
そのため、消化しきれない状態で胃に送られてしまうことで胃に負担がかかります。
ストレスになる
歯並びが様々な体の不調に関係していることをお伝えしてきました。
体の不調の原因が分らなかったり、不調が続くことでそれがストレスになり、イライラしたり、気分がすぐれなかったりします。
また、歯並びが悪いことで、見た目のコンプレックスの原因になる場合もあります。
そのため、人との会話や食事が億劫になったり、人前にでることが嫌になり、ストレスを感じたりすることもあるでしょう。
歯並びや噛み合わせがよくない原因
歯並びや噛み合わせがよくない原因はいくつかあります。
以下に思い当たるものはありますか?
口呼吸をしている
舌の正しい位置や口の周りの筋肉によって、正しい噛み合わせができるようになっています。
口呼吸の癖があると舌が正しい位置からズレてしまったり、口が開いたままになっていたりするので、口周りの筋肉のバランスが崩れ、歯並びや噛み合わせがよくない原因となります。
姿勢が悪い
姿勢が悪いと体のバランスに影響がでてきます。
姿勢が悪いとは、背中が丸まっていることや、猫背だけではありません。
頬杖をついたり、足を組んだりなど、何気ない癖も姿勢を悪くします。
姿勢が悪い場合は体のどこかに負担がかかり、それをカバーしようとしてまた別のところに負担がかかります。その繰り返しで噛み合わせまでにも影響がでることがあるのです。頬杖などは大人になってからも続く癖のため、頬杖をつく癖のある方は注意しましょう。
口の周りの癖
指しゃぶりや爪を噛む、唇を噛む、いつも同じ側で噛んでいるなども原因のひとつです。
何気ない癖のように思えますが、思った以上に歯や顎に負担がかかっているのです。
これらは子どものころからの癖であることが多いものです。
数回おこなったからといってすぐに影響がでるものではありませんが、長期間負担がかかることで歯並びや噛み合わせに影響がでてくる場合があります。
歯並びや噛み合わせを悪化させないために
では、歯並びや噛み合わせを悪化させないためには、どのようなことに気をつけて生活すればよいのでしょうか。
そのポイントを解説していきます。
姿勢や左右のバランスに気をつける
姿勢と歯並びは共に影響を与えたり受けたりします。
正しい姿勢をキープするのは、思ったより大変なものです。
体幹や筋肉なども関係してきますので、正しい姿勢を保つことは体全体のバランスを整えることにも繋がります。
特に猫背の方や、仕事などで座りっぱなしが多い方は姿勢を意識してみましょう。
また、足を組む、頬杖をつく、かばんをいつも同じ肩の方に下げる、いつも同じ方でばかり噛むなど、左右のバランスが崩れると歯並びや噛み合わせに影響がでてきます。
バランスが崩れると片方に負担がかかり、顎の骨や関節に歪みが生じる場合があります。
普段から意識して左右のバランスが均等になるように心がけましょう。
歯列矯正を受ける
歯並びや噛み合わせは自分でどうにかできるものではありません。
近年はインターネット上に様々な情報が掲載されているため、検索すれば自力で治す方法などもでてくるかもしれません。
ですが、噛み合わせは体全体の健康に関わってきます。
既に歯並びや噛み合わせがよくない方は、自己判断の誤ったやり方で悪化させることのないよう、専門的な知識や技術を持つ歯科医院で歯列矯正の相談をすることをおすすめします。
おわりに
いかがでしたか。
今回は歯並びと体の不調や姿勢との関係について解説してきました。
普段の生活の中で、「歯並びや噛み合わせが体全体の健康に繋がっている」とはあまり意識したことがないと思います。
しかし、歯並びや噛み合わせが原因で様々な体の不調を引きおこす場合があるのですね。
歯並びは見た目が気になるだけではなく、体全体の健康にも繋がっていることをしっかりと理解し、姿勢や左右のバランスに気をつけるなど、普段から意識して生活していきましょう。