口ぽかんはどうやって治す?矯正で治せる?

普段からふとした時に口がぽかんと開いている方、いませんか?お子様が口をぽかんと開けているという方もいるかと思いますが、大人も気づかないうちにやっている場合が多いです。

口がぽかんと開いてしまう場合、矯正で治すべきでしょうか?

今回は、口がぽかんと開く原因と矯正で治すべきかどうかについて解説していきます。

口ぽかんとは?

口ぽかんとは、なにかに集中している時や常にお口が開いてしまっている状態で、正式名称は「口唇閉鎖不全」です。
口唇閉鎖不全症は、食べる、話すといった口周りの機能が十分に発達していない口腔機能発達不全症という病気の一つで、

  • 飲み込むとき舌を出す
  • 発音がおかしい
  • 指しゃぶり、爪かみ、唇を噛むなどの癖がある
  • 口呼吸

これらがみられる場合は口唇閉鎖不全の可能性があります。

口ぽかんになる原因は?

口ぽかんになる原因は大きく分けて3つあります。

口が原因

 唇や頬といった口周りの筋肉が十分に発達できていないため、口唇閉鎖不全になってしまいます。特に小さいお子様に多いのですが、この状態が習慣となると筋肉が未発達のまま大人になり、ずっと口呼吸をすることになる可能性があります。大人の方でも、ずっと口を閉じていると疲れる場合は、口周りの筋力が衰えていたり未発達の可能性が高いでしょう。

他にも、歯並びが悪い、舌小帯が短く動きが制限される、舌を正しい位置に置いていない、舌癖があるといったことも、口唇閉鎖不全の原因になります。

鼻が原因

アレルギー性鼻炎や花粉症、蓄膿症、鼻中隔湾曲症といった重度の鼻の病気で鼻詰まりがある場合、口唇閉鎖不全になることがあります。

その他の原因

肥満により脂肪が増えると、顎や首、喉の中、舌まで太ります。そうすると気道が圧迫され狭くなるので、口で呼吸することが多くなるため口唇閉鎖不全になってしまいます。

口ぽかんのリスクはある?

口をぽかんと開けていると、見た目が悪いだけでなく、気づかぬうちに口呼吸になっていることをご存知ですか?
口ぽかんによる口呼吸のリスクを解説していきます。

虫歯になりやすくなる

口を開けていると口呼吸になり、口腔内が乾燥してしまいます。そうすると、唾液の分泌が減ってしまいます。唾液に含まれる成分は、歯の表面が溶けた初期虫歯を再石灰化して修復してくれます。しかし、唾液が少なくなると再石灰化の働きが弱くなり、虫歯が進行しやすくなります。

歯周病になりやすく、口臭もきつくなる

唾液の量が少なくなると、唾液の殺菌作用によって洗い流せていた細菌が繁殖し、歯周病になりやすくなります。また、口腔内の細菌量が増えると、歯周病になるだけではなく、細菌から出るガスのせいで口臭もきつくなります。

出っ歯になりやすい

口が開き口呼吸をしていると、上顎の成長に影響があります。通常、口を閉じている時は舌が上顎にくっついている状態になり、この舌の力によって上顎が広がっていきます。

しかし、口が開いていると常に舌が下顎にある状態になり、上顎がうまく広がりません。そのため、歯が生えてくるスペースがなく前に飛び出し、出っ歯になりやすいです。

顔にゆがみが出る

口を開けていると、唇などの筋肉を使わないため、口周りの筋力がどんどん衰えていきます。そのため、頬や口元がたるみ、やがて繋がっている顔全体の筋肉にも影響を及ぼし、目元まで垂れ下がってしまいます。また、頬の下が膨らみ口元がもっこりとする「アデノイド顔貌」の顔つきになりやすくなります。

感染症にかかりやすい

鼻で呼吸をしていると、鼻毛や鼻水がフィルターとなり、空気中のウイルスや細菌を防げるといわれています。しかし、口がぽかんと開き口呼吸をしていると、フィルターがないためウイルスが直接体内に入り、インフルエンザなどの感染症にかかりやすくなります。

また、鼻呼吸であれば鼻の中で空気の温度や湿度を調整することができます。しかし、口呼吸だと冷えて乾燥した空気が直接気道や肺に届くため、喉や肺を痛め風邪をひきやすくなります。

他にも、口が開いたままだと免疫力が低下しやすく、アトピー性皮膚炎や喘息、胃腸炎などにもなりやすくなります。

いびきをかきやすい

口呼吸はいびきの原因にもなります。いびきをかいていると熟睡ができず、疲労もなかなか取れないでしょう。

また、口をぽかんと開けていることにより舌の筋肉が弱っていると、寝ている時に舌が喉のほうへ行き、気道を塞ぐ睡眠時無呼吸症候群になりやすくなってしまいます。

姿勢が悪くなる

口が開いて口呼吸になると、下顎が下がり、舌を前に突き出すようになるため、猫背になりやすくなります。

口ぽかんを引き起こす歯並びとは

前述しましたが、歯並びが原因でどうしても口がぽかんと開くことがあります。どのような歯並びか解説していきます。

上顎前突(出っ歯)

上の前歯や上顎が前方に出ている歯並びです。口元が突き出てしまうため、口がぽかんと開きやすく口呼吸になる原因になります。
お子様の場合、上の前歯が出ているため、ぶつけて歯を折ってしまったり唇を傷つけてしまったりと注意が必要です。また、指しゃぶりやおしゃぶりを使っていた期間が長いと、前歯を後ろから押す力がかかり、出っ歯になりやすいといわれています。

反対咬合(受け口)

下の歯が上の歯より前にあり噛み合っている歯並びです。大きく息をすると舌が気道を圧迫してしまうため、口呼吸になりやすいです。
反対咬合を放置しておくと、顎関節症になりやすく顔も歪みやすいでしょう。

開咬

奥歯はカチッと噛んでいても、上下の前歯が噛み合わない歯並びです。上の前歯が出っ歯のようになることが多いため、唇が閉じにくく口呼吸になりやすいです。

食べ物を飲み込む時に舌を前に出したり、舌で上の前歯を押す癖、指しゃぶりの期間が長いとなりやすい歯並びです。

口ぽかんの治療方法は?

口ぽかんはどのように治すのでしょうか?矯正をして治すべきでしょうか?

歯列矯正で治す

前述した上顎前突や反対咬合、開口といった歯並びが原因で口ぽかんになっている場合、歯列矯正をしなければ、なかなか治らないでしょう。

歯列矯正は、ワイヤー矯正とマウスピース矯正どちらが適応するかは歯科医師に相談してみてください。

MFT(口腔筋機能療法)で治す

歯列矯正をしたからといって、口呼吸や口ぽかんが完全に治る訳ではありません。口周りの筋肉や舌を鍛えないと、なかなか歯並びがよくならなかったり、元の歯並びに戻ってしまったりします。そのため、口周りの筋肉を鍛えるMFTが必要になります。

舌を正しい位置に置くことや舌を鍛えること、口周りの筋肉を鍛える「あいうべ体操」、風船膨らまし、舌回しなど、患者様に合った方法で行っていきます。

お子様の場合は、顎を広げる、舌を正しい位置に誘導する、口周りの筋肉を鍛えるといったマウスピース型の装置を使用すると歯並びに改善が見られ、歯列矯正をせずに済む場合もあります。

耳鼻咽喉科で治す

鼻詰まりなどが原因の場合は耳鼻咽喉科で治療をしましょう。鼻詰まりが解消できると、鼻呼吸がしやすくなります。しかし、口周りの筋肉が衰えていたり未発達の場合は、MFTが必要です。

自分で意識して治す

歯並びや鼻に問題がない場合、自分で意識するだけで改善することがあります。

鼻呼吸を意識する、舌を正しい位置に置くことを常に意識して、睡眠時にはドラッグストアなどで売られている鼻呼吸テープなどを使用するのも一つです。

まとめ

口がぽかんと開いてしまう原因や治し方について解説しました。ご自身ではしていないと思っていても口ぽかんをしている場合もあり、口が開いているということは必然的に口呼吸になっています。

これから風邪やインフルエンザが流行る時期になるため、一度ふとした時に口が開いていないかチェックしてみてください。また、お子様が口ぽかんをしている場合は、なかなか自分で改善するのは難しいため、歯科医院に相談してみてください。

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