矯正中にやってはいけないことはありますか?
歯並びが気になると、人前で食事や会話を思い切り楽しめないことがありますね。
お子さんの歯並びが気になる親御さんや、大人でも自分の歯並びが気になって矯正治療をお考えの方も多いかと思います。
「長期間治療するのだから、しっかりと効果がでるようにしたい」「治療中に制限されることが多くて大変そう」
矯正治療は長期間にわたるため、治療をおこなうにはある程度の覚悟も必要になってきます。
今回は、矯正治療をお考えの方に向けて矯正治療中にやってはいけないことを解説していきますので、ぜひ参考にしてください。
歯の矯正治療とは
まずは矯正治療について簡単にまとめておきます。
歯の矯正治療とは、歯並びや噛み合わせが悪いところを、きれいな歯並びに整えていく治療です。
矯正の装置を装着し、歯やあごの骨に力をかけながらゆっくりと、少しずつ歯を動かし並びを整えます。
ワイヤー矯正治療
「ブラケット」と呼ばれる矯正の装置をつけ、ワイヤーを通して歯を正しい方向へ引っ張り、少しずつ歯を動かしていきます。
様々な種類の症例に対応でき、治療中は装着したままになるため、取り外しの手間がかかりません。
一方で、表面に装着するため、ワイヤーやブラケットが目立ちやすい、歯をきれいにみがきにくくなる、痛みがでることがあるなどのデメリットがあります。
マウスピース矯正治療
歯の形に合わせた透明なマウスピースを装着し、段階に応じてマウスピースを取り換えて歯を動かしていく治療法です。
透明なので目立たず、取り外し可能なため、食事や歯みがきなどに影響なく生活することができます。
しかし、対応できる症例が限られている、装着時間や交換時期などの注意点をしっかりと守らないと効果がでにくいなどのデメリットがあります。
ワイヤー矯正中にやってはいけないこと
ワイヤー矯正治療中にやってはいけないことを解説していきます。
硬い物や粘着性の高い物を食べる
基本的には絶対に食べてはいけない食べ物はありません。
しかし、気をつけて食べないと、装置の破損や変形に繋がったり、破損したりすることで口の中を傷つけてしまう場合があります。
特に気をつけたいのが、硬い食べ物とガムやキャラメルなどの粘着性の高い食べ物です。
硬い食べ物は矯正装置に強い力が加わるため、破損や外れるなどのリスクが高くなります。
また、前歯で丸かじりするような食べ方も避けましょう。
ガムやキャラメルなどの粘着性の高い食べ物は、矯正装置にくっつくと取ることが難しく、無理に取ろうとすると矯正装置が外れてしまう場合があります。
歯みがきなどのケアを十分にしない
ブラケットとワイヤーの矯正装置は基本的につけたままになるので、装置と歯の間や歯と歯の間にみがき残しがでてきます。
そのため、普段よりも念入りにケアしないと、むし歯などの口内トラブルが発生するリスクが高くなります。
自宅での歯みがきの他に、歯科医院でのメンテナンスやクリーニングなどを定期的におこなうことが大切です。
スポーツや楽器など自己判断でおこなう
スポーツや楽器なども注意が必要です。
基本的には絶対にやってはいけないスポーツはありません。
しかし、格闘技などの顔に直接衝撃が加わるスポーツは注意が必要です。
また、口に咥え息を吹き込むような楽器は、矯正治療をはじめて慣れないうちは違和感があるかもしれません。
慣れてくるに従い違和感もなくなりますが、気になる方はドクターに相談してみましょう。
マウスピース矯正中にやってはいけないこと
マウスピース矯正治療中にやってはいけないことを解説していきます。
装着時間や交換時期を守らない
マウスピースは一日20時間以上装着する必要があります。
取り外しができるため、つい、外したままになることがあるかもしれません。
しかし、装着時間を守らないと、その分歯が思うように動かず、治療期間が長引く可能性があります。
また、マウスピースは、治療段階により、次のマウスピースにかえながら歯を動かしていきます。
装着する順番や交換時期など、ドクターからの指示を守らないと治療が遅れてしまいます。
マウスピースを装着したまま食事をする
マウスピースを装着したまま食事をするのは避けましょう。
装着したまま食事をすると、歯とマウスピースの間に食べ物のカスがたまりやすくなり、むし歯などの口内トラブルの原因となります。
また、殺菌効果のある唾液が口の中に行きわたらず、殺菌効果が十分に発揮されないため口の中が不衛生な状態になります。
マウスピースはプラスチックでできているため、食べ物を噛む力と同じ力でマウスピースを噛んでしまうと破損の可能性があります。
マウスピースは破損してしまうと修復することができないため注意しましょう。
食事のあと歯をみがかずに装着する
食事の際、マウスピースは外して食事しますが、その後歯みがきをせずに装着することは避けましょう。
マウスピースと歯の間に食べかすや汚れが挟まってしまい、むし歯や口内トラブルの原因となります。
外食時など、すぐに歯をみがくのが難しい時はうがいなどで食べかすを残さないようにし、帰宅後はすぐに歯みがきをするようにしましょう。
矯正治療中の注意点
矯正の治療中はどのようなことに注意していけばよいのでしょうか。
ワイヤー矯正の注意点
・食べ方や調理法を工夫する
硬く、前歯で噛みきるような食べ物は、奥歯で食べられるように一口大に切るなど工夫して食べましょう。
また、柔らかめに調理するなど、歯にあまり力をかけなくても済むような工夫も大切です。
・歯みがき時に気をつけること
ブラケットやワイヤーを装着したままだとどうしても磨き残しがでてきてしまうため、いつも以上に歯みがきに気をつけなくてはなりません。
ブラケットの周辺をきれいにみがくために、歯ブラシのヘッドは小さめの物を選び、歯に対して45度の角度で当てます。
歯と歯の間は歯ブラシを縦にしてみがく、専用のデンタルフロスやタフトブラシを使用するなどして、できるだけ磨き残しがないように注意しましょう。
・違和感があればすぐに相談する
違和感や痛みがある場合、自己判断で矯正装置を動かしたりずらしたりせず、必ず歯科医院に相談して対処してもらうようにしてください。
マウスピース矯正の注意点
・装着時間や方法を守る
マウスピースの効果をしっかりと発揮するためには装着時間をきちんと守りましょう。基本的には、食事と歯みがきの時以外は装着します。
また、マウスピースは少しずつ形をかえたものをスケジュールに沿って交換していかなければならないため、交換の順番や時期を自分でしっかりと管理することが大切です。
・飲食の際はマウスピースを外す
マウスピースの破損の原因となったり、歯とマウスピースの間に食べかすが入り込み、むし歯などの原因るため、飲食時はマウスピースを外します。
お茶やコーヒーなどは歯やマウスピースに着色する可能性がありますので、飲み物を飲む際も外すようにしましょう。
・マウスピースはきちんと手入れする
マウスピースは取り外しができるため、自宅でのケアが必要になります。歯科医院で指示された通りにケアをおこないましょう。ケアがきちんとできていないと口内トラブルやむし歯の原因となります。
まとめ
今回は矯正中にやってはいけないことについて解説しました。
矯正の種類によってやってはいけないことや注意点が違いますので、自分の治療法に合わせて気をつけていきましょう。
歯並びは全身の健康にも繋がりますし、見た目のコンプレックスが原因となり人前で堂々と行動できないなど、精神的にも影響があります。
体も心も健康でいられるよう、歯並びが気になっている方は矯正治療を検討してみてはいかがでしょうか。