子どもの歯科矯正、マウスピースは何歳からできますか?

お子さんの歯並びが気になって、きれいな歯並びにしてあげたいと考えたり、お子さんの歯科矯正に興味をお持ちの親御さんは少なくありません。

近年は今まで歯科矯正の主流であったワイヤー矯正の他に、目立たず取り外しのできるマウスピース矯正も普及してきました。

「マウスピース矯正に興味あるけど、何歳からできるの?」
「うちの子はもうマウスピースを付けられる?」
マウスピース矯正という言葉は聞いたことがあっても、詳しく知らない方も多いと思います。
そこで今回は子どものマウスピース矯正は何歳からできるのか、マウスピース矯正のメリット・デメリットなどをお話していきます。

お子さんのマウスピース矯正をお考えの方はぜひ参考にしてください。

子どもの歯科矯正とは?

歯の矯正は歯並びを改善するといったイメージがありますが、大人と子どもの歯科矯正では治療の目的が異なります。

大人の場合は、歯を動かして歯並びをきれいに整えることが目的です。歯並びを整えることで、審美面の改善だけでなく、噛み合わせの調整やむし歯、歯周病を予防できるといったメリットがあります。

一方で、子どもの矯正は、これから生えてくる永久歯がきれいに並ぶための土台を作ることが目的です。矯正治療を利用してあごが正しく発育するように促し、土台作りをしていきます。

あごの成長期を利用する治療法のため、できるだけ早い時期に矯正を始め、成長が終わる前に治療を終わらせることが理想的といえるでしょう。

小児用マウスピースは何歳から使用できる?

小児用マウスピースを使用できる年齢は、ハッキリと〇歳からと決まっているわけではありません。

対象となる年齢は定めてありますが、あくまで標準的な使用年齢であって、お子さんの歯の状態や、気持ちの問題などで年齢が前後する場合があります。お子さんのお口の状態や性格などをしっかりドクターと相談して、納得したうえで治療を開始することが大切です。

ただし、受け口のお子さんの治療に関しては、乳歯が生えそろう3歳頃から始めても早すぎることはありません。受け口の傾向がある場合は、早めにドクターに相談しましょう。

子どものマウスピース矯正の種類

子どものマウスピース矯正にはどのような種類があるのでしょうか。
代表的なものをいくつかあげてみます。

インビザラインファースト

マウスピース矯正ブランドのインビザラインが提供する子ども用のマウスピースになります。6~10歳前後が対象で、大人のマウスピースと同様に、透明で目立たず、取り外しが可能です。

他のマウスピースとの一番の違いは、一人ひとりに合わせたオーダーメイドのマウスピースということです。
そのため、比較的高額な治療費がかかります。

また、1日の装着時間が20~22時間と長いため、食事や歯みがき時以外はほとんど装着していなければなりません。

T4K・マイオブレイス

様々な症例に対応できるマウスピースですが、歯を動かす矯正ではなく、筋機能訓練を取り入れた矯正法になるため、主に歯並びや噛み合わせの改善に使用されます。

6~10歳前後が対象となりますが、口の中にマウスピースを入れられるお子さんなら3歳頃から使用可能です。

装着時間は就寝時と日中の1時間程度で、装着と並行して口周りの筋肉トレーニングをおこないます。
歯科医院での定期的なトレーニングの他に、自宅でも2分程度のトレーニングを毎日続ける必要があるので、親御さんのサポートも重要です。

ほとんどの歯並びに対応できますが、特にでっ歯の治療では高い効果が期待できるといわれています。

プレオルソ

日本の歯科医師が開発した子ども用のマウスピースです。素材はポリウレタンでできており非常に柔らかく、痛みや違和感が少なくて済みます。

装着時間は寝る時+日中の1時間程度のため、学校などに装着していく必要はありません。トレーニングを併用するため、口呼吸や口周りの筋肉の動きの改善に役立ち、永久歯がきれいに生えそろうようにしていきます。

6歳前後〜10歳前後までの骨の柔らかい時期に使用するのが効果的です。

ムーシールド

受け口の治療に使用されるマウスピースです。3歳前後から使用可能で、口周りの筋肉を整え、歯並びを改善します。

基本的には寝る時の装着を指示されることが多く、早ければ3ヶ月くらいで効果がでることもあり、比較的治療効果が早く現れます。

小児用マウスピース矯正のメリット・デメリット

子どものうちにきれいな歯並びの土台をしっかり作っておくことは大切ですが、子どものマウスピース矯正にデメリットはないのでしょうか。

メリット・デメリットの両方をあげてみましょう。

メリット

  • ワイヤー矯正のように目立たない

インビザラインは透明なため、ほとんど目立ちません。ワイヤー矯正のように目立ってしまうと「恥ずかしい」「友だちに何か言われるかも」といった心配もありますが、気にせず治療ができます。また、プレオルソは装着時間が就寝時と日中の1時間のため、学校や幼稚園、保育園などでは外せる点がメリットでしょう。

  • むし歯のリスクを減らす

取り外しができないワイヤー矯正とは違って取り外せるため、しっかり歯みがきができます。セルフケアのしやすさは、むし歯になるリスクを減らすうえで非常に重要なポイントです。

また、マウスピースを交換するための定期的な通院により、たとえむし歯になったとしても早期発見・早期治療につながります。

  • 舌癖の改善で後戻りの予防になる

歯並びが改善できたとしても、舌の悪い癖が治らないと歯並びが元に戻ってしまう場合があります。
マウスピースを装着し、トレーニングをすることで口の周りの筋肉や舌がうまく使えるようになり、舌の悪い癖を改善する効果があります。

舌の癖は歯並びに非常に影響しますので、マウスピース装着とトレーニングで正しい舌の位置を習慣化していきたいですね。

デメリット

  • 本人の意思と保護者の協力が必要

マウスピースの種類によっては1日20時間装着が必要なものもあります。装着時間を守らないと、十分な効果が得られません。
お子さんによっては、マウスピースを装着していることがストレスになるので、治療を成功させるためには、本人の歯並びを治したいというモチベーションが大切です。

また、マウスピースの種類によっては、トレーニングを併用するタイプもあるので、まだ自己管理が徹底できない年齢のお子さんは親御さんの協力が必要です。装着やトレーニングを指示するだけでなく、褒めたり励ましたりしながら、お子さんの気持ちに寄り添って共に治療をすすめていきましょう。

  • 治療期間が長期になる場合がある

子どものマウスピース矯正は、将来永久歯がきれいに生えそろう土台作りが目的です。そのため、歯の状態やあごの成長具合によっては二期治療(永久歯が生えそろってから)の矯正治療が必要になることがあります。
その場合、治療期間が長期になるだけではなく、追加の治療費もかかります。

まとめ

いかがでしたか。

今回は子どものマウスピース矯正は何歳からできるのか、マウスピース矯正のメリット・デメリットなどをお話してきました。

子どものマウスピース矯正に関しては親御さんの考え方や、ドクターの治療方針、お子さんの歯の状態などで矯正を始める年齢が前後してきますので、複数の歯科医院を受診し様々な話を聞いてから決めるのも良いかもしれません。

また、毎日装着して長期間に渡る治療になりますので、お子さんの治療に対するストレスを低減したり、モチベーションを保てるよう親御さんの協力も大切です。親子でよく話し合い、お子さんが無理なく治療できるような工夫をしていきましょう。

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