インビザラインのメリットとデメリットは?
今まで歯の矯正と言えば、歯の表面にワイヤーを取り付ける方法が一般的でしたが、ワイヤーは非常に目立つため、その見た目が嫌で矯正治療に踏み切れなかったという方もいるのではないでしょうか。
しかし近年、目立たない透明なマウスピース矯正が普及し、矯正治療を検討する方が増えてきました。
装置が目立たず、取り扱いも簡単なイメージがあるマウスピース矯正ですが、メリットとデメリットを正しく理解することが大切です。
今回はマウスピース矯正の中でも主流となっているインビザラインに焦点を当て、メリットとデメリットをご紹介します。
インビザラインとは?
インビザラインという言葉を聞いたことがありますか?
インビザラインとは、アメリカのアライン・テクノロジー社が開発した矯正治療で、透明なマウスピースを歯に装着し、歯並びを改善、整えていきます。
マウスピースは透明で目立たず、従来のワイヤー矯正のように矯正中だと気付かれにくいのが1番の特徴です。目立つ、痛いといった矯正治療のストレスを軽減でき、理想とする歯並びに近づける方法で、今までワイヤーが嫌で矯正治療を躊躇していた方でも、治療を始めたり、検討したりすることができるようになりました。
インビザラインのメリット
早速、インビザラインのメリットを紹介します。
治療前に治療後の歯並びを確認できる
インビザラインは過去の膨大な症例や研究を基に、コンピューターによる独自のシミュレーションで治療計画がたてられます。
そのため、治療過程や完了までの歯が移動する様子や、治療後の歯並びを事前に確認できるので、治療に対する不安が解消され治療に対するモチベーションも維持できます。
周囲から気づかれないよう治療ができる
矯正治療は決して恥ずかしがることではありませんが、ワイヤーが目立って人目が気になったりする方が多いと思います。特に、仕事で接客をする方や、人前で話をすることが多い方などは、ワイヤー矯正に踏み切れないこともあるでしょう。しかし、インビザラインは透明なマウスピースを装着するだけなので、目立つことなく治療を進められます。
痛みや違和感が少ない
インビザラインはワイヤー矯正よりも弱い力で徐々に歯を動かすため、移動の際に感じる痛みは少なくなります。
また、治療の前に最も効率よく歯を動かせるよう、治療の過程をシミュレーションし、それに基づきマウスピースが作られます。マウスピースは非常に薄く滑らかで、一人ひとりの歯並びに沿った形をしているので、違和感や痛みを極力抑えた治療と言えるでしょう。
取り外しができる
装置の取り外しができるのも大きなメリットです。食事や歯みがきの際には取り外すため、食べ物が制限されたり、歯みがきに手間がかかったりなどのリスクがありません。矯正治療前と同じように生活できるので、矯正治療によるストレスも軽減されます。
むし歯や歯周病になりにくい
ワイヤー矯正は取り外しができないため、ブラケットやワイヤー部分など、歯ブラシの当たらない場所があります。そういった場所は汚れが溜まりやすく、むし歯や歯周病になるリスクが高くなります。
インビザラインはマウスピースの取り外しができるため、歯みがきも普段通り行えます。また、2~3ヶ月ごとに通院が必要なため、定期的に歯科医院でクリーニングを行い、お口の中を清潔に保てます。
金属アレルギーの心配がない
ワイヤー矯正では金属のブラケットやワイヤーを使用するため、金属アレルギーがある方は注意が必要です。また、今はアレルギーがなくても、長期間金属を使用していることにより、金属アレルギーを発症するリスクがあります。
インビザラインは金属を使用していないため、金属アレルギーをお持ちの方や、発症が心配な方でも安心して治療を行えます。
歯並びの悩みに合わせてプランが複数ある
インビザラインには複数のプランがあり、歯並びのお悩みに合わせてプランを選択することができます。
- インビザラインライトパッケージ
インビザラインライトパッケージは比較的軽度の不正咬合に適しています。
動かせる範囲に制限がなく奥歯も動かせますが、マウスピースの枚数が14枚までと制限があるため、奥歯を大きく動かす全体矯正には不向きで部分矯正に使用されることが多いです。 - インビザラインコンプリヘンシブパッケージ
インビザラインコンプリヘンシブパッケージは前歯から奥歯まで全体を矯正することができ、マウスピースの枚数に制限がないため、インビザラインの中で最も幅広い症例に対応できます。 - インビザラインモデレートパッケージ
インビザラインモデレートパッケージは、インビザラインライトパッケージとインビザラインコンプリヘンシブパッケージとの中間のプランです。
軽度から中度の症例に適しており、マウスピースは最大で26枚使用できますので、インビザラインライトパッケージでは足りないけど、インビザラインコンプリヘンシブパッケージを利用するほどではない方に向いています。
他にも、ごく軽度の歯列不正に対応した「インビザラインエクスプレスパッケージ」、前歯の歯並びを整えるのに特化した「インビザラインGo」、6歳のお子様から始められる「インビザラインファースト」もあります。
インビザラインのデメリット
メリットがあればデメリットも存在します。インビザラインのデメリットを詳しく解説していきます。
自己管理をしっかりとしなければならない
インビザラインはマウスピースを1日20~22時間以上装着しなければ十分な効果が得られません。装着時間が短いと、場合によっては治療が遅れ、期間が長引くこともあります。
自由に取り外しができるため、つい装着するのを忘れてしまったり、めんどくさくなってしまったりすると、治療の効果がなかなか出ず、治療期間にも影響します。
インビザラインで矯正する場合、歯科医師の指示を忘れず、ご自身でしっかりと装着の約束事を守ることが非常に大切です。
対応できない症例がある
歯並びや骨格、口内環境などによってはインビザラインで対応できないことがあります。特に、上下の骨格のバランスが非常に悪い、歯を大きく移動しなければならないといった歯並びはインビザラインでは対応が難しいことがあります。
その場合は、ワイヤー矯正と併用や、インビザライン以外での矯正治療法を提案されることがありますので覚えておきましょう。
インプラントや重度の歯周病があると適用外
歯周病の方は矯正治療を行う前に歯周病の治療を行わなければなりません。特に歯周病が進行している方は、矯正の途中で歯が抜けてしまうことがあるため、インビザラインによる治療はできません。
また、矯正治療は歯を動かすことで歯並びを整えますが、インプラントは人工の歯の根っこのため動かすことができません。
ただし、インプラントが動かす必要のない歯であればインビザラインが可能な場合もありますので、ドクターに相談してみましょう。
ドクターの専門的な知識や経験が必要になる
インビザラインはコンピューターのシステムで治療計画を作成しますが、患者さんの希望や一人ひとりの歯並びに合わせて細かな調整が必要です。
この細かな調整で治療後の仕上がりが変わってきますので、治療を検討する際は、インビザライン治療の症例数が多い歯科医院や、インビザライン矯正に特化した歯科医院を選ぶと安心です。
まとめ
いかがでしたか。
今回はインビザラインのメリット、デメリットについてお話してきました。
どの治療法にも言えることですが、メリットがあれば必ずデメリットも存在しますので、「見た目がいいからこっち!」と単純には決められないですね。
ご自分の歯の状態や、希望の歯並びなどを信頼できるドクターとよく相談のうえ矯正治療法を選びましょう。