噛み合わせが悪いまま放置するとどうなる?

物がうまく噛めない、前歯で噛み切れないといったことはありませんか?歯並びが悪いだけでなく、噛み合わせが悪い場合はこのような不具合が起きてしまいます。

「物が噛みにくいだけだからこのままでいい」と思うかもしれませんが、噛み合わせが悪いと将来的に大きなトラブルにつながる可能性があります。

今回は、悪い噛み合わせを放置しているとどうなるか解説していきます。

良い噛み合わせとは

悪い噛み合わせを見ていく前に、まずは良い噛み合わせについて具体的に紹介します。

  • 上下の前歯の中心が合っている
  • 上の歯1本に対して下の歯2本が噛み合う
  • 横から見た時、上の真ん中の前歯が下の前歯より2~3mm前に出ている
  • 横から見た時、上の真ん中の前歯が下の前歯を2~3mm覆っている
  • 上の第1大臼歯(前から6番目の歯)の頬側の尖っている部分が、下の第1大臼歯の溝にきちんと噛み込む

これらの条件を満たしていると、噛み合わせが良いといえます。

噛み合わせが悪いとは

前述した良い噛み合わせ以外はすべて噛み合わせが悪いという訳ではありません。噛み合わせが悪いという状態は以下の場合です。

  • 出っ歯
  • 受け口
  • ガタガタの歯並び
  • 八重歯
  • 前歯の先端同士が噛み合う
  • 上下の歯が噛み合わない
  • 左右にズレがある
  • 歯の本数が足りない

このような歯並びや噛み合わせの場合、そのまま放置していると様々なトラブルが起こるリスクが高くなります。

噛み合わせが悪いままだとどんな影響がある?

噛み合わせが悪いまま長期間放置していると、口周りにどのような影響を及ぼすのか見ていきましょう。

よく噛めない

噛み合わせが悪いとよく噛まずに食事をしてしまいます。それが常習化すると、丸呑みしたり固形のまま食べ物が胃に届くため、消化不良を起こすことが考えられます。

また、よく噛むという習慣がないため、口周りの筋肉が衰えて、口がぽかんと開いた状態になりやすいでしょう。
特にお子様の場合、口周りの筋肉が育たないだけでなく、顎の発達に影響が出ます。そうすると、口がぽかんと開くだけでなく、噛む力が鍛えられず、やわらかいものしか食べられなくなり、さらに顎が発達しないといった悪循環に陥ります。

顎関節症になりやすい

噛み合わせが悪いと片側ばかりで噛むなど偏りが出るため、噛むたびに顎に負担がかかり顎関節症を引き起こすことがあります。

口を開けるたびに音がする、口が大きく開かない、口を開けると顎が痛いといった症状がみられる場合、顎関節症の可能性があります。このまま放置してしまうと外科手術が必要になることもあるため、顎に少しでも異常を感じたら早めに歯科医院を受診しましょう。

歯や歯茎に過度な負担がかかる

嚙み合わせが悪いと歯や歯茎に負担がかかってしまいます。というのも、うまく噛めないため過度に強く噛んでしまったり、特定の歯に負担が集中したりすることで、歯にヒビが入ったり割れたりするだけでなく、歯を支えている骨や歯茎にも影響が出て、歯茎が下がったり、歯がグラついたりすることもあります。

噛み合わせが良い場合は上下左右均等に力が加わるため、負荷も分散されます。また、食べ物を効率的に噛めるため、必要以上に強く噛むこともなく、歯や歯茎にかかる負担も軽減されます。

虫歯や歯周病になりやすい

噛み合わせが悪い状態は、総じて歯並びが悪い場合が多いといえます。

歯並びが悪いと歯が重なり合う部分の歯磨きがしにくく、汚れが残って虫歯になりやすくなり、また特定の歯に負荷がかかっているために歯周病を進行させてしまうことがあります。

顔のバランスが崩れる

顎が突出していることで引き起こされる出っ歯や受け口、歯の中心がずれて左右均等に噛めないというような悪い噛み合わせの場合、顔のバランスが崩れる原因になります。

また、噛み合わせの悪さから一部の筋肉ばかりが発達してしまい、年数が経つにつれ左右差が出てどんどん顔のバランスが崩れて、見た目に対するコンプレックスにつながることもあります。

口臭の原因になる

噛み合わせが悪いと口がうまく閉じられないことがあります。口が閉じられないと、気づかないうちに口呼吸になって口の中が乾燥するため、細菌が繁殖して口臭の原因となります。

また、噛み合わせの関係でよく噛めないと、唾液の分泌量が減って乾燥を感じやすくなるので、口臭が発生することもあります。

うまく発音ができない

噛み合わせが悪い歯並びの場合、舌の当たる位置や息の出具合によって、滑舌が悪くなることがあります。

息が漏れやすい歯並びの場合は「さ行」が発音しにくく、舌に影響が出る歯並びの場合は「た行・ら行」が正しく発音できないといったことがあります
滑舌の悪さは時にコンプレックスにつながるため、対人関係に影響が出ることが考えられます。

噛み合わせが悪いことによる全身への影響

噛み合わせの悪さは口周りだけでなく、一見関係がないように思える全身症状にも影響が出ていることがあります。

慢性的な頭痛や肩こり

口周りの筋肉は首や肩にもつながっているため、噛み合わせが悪いと、顎の筋肉だけでなく、連動している首や肩にもしわ寄せがきて筋肉が固くなり、血流が悪化してしまいます。その結果、肩こりや首こりを引き起こすことがあります。

また、顎や口周りの筋肉に負荷がずっとかかっていると頭痛を引き起こす原因にもなりえます。そのため、噛み合わせを治したら慢性的な頭痛が収まったというケースもみられます。

肩こりや頭痛だけでなく、腰痛やしびれ、神経痛、全身の疲労感といった症状は、実は噛み合わせが原因だったケースもあるため、長引く体の不調があれば一度噛み合わせに問題がないか確認しましょう。

消化器官への負担

前述しましたが、噛み合わせが悪くよく噛めない状態になると、丸呑みや固形状のまま食べ物が胃腸に届くため、負担がかかってしまいます。

「30回噛みましょう」などとよく噛むことをすすめるのは、顎の発達を促すためだけでなく、食べ物を細かくし唾液を多く分泌させることで、胃腸の負担を減らすためでもあります。

歯の本数不足で噛むことが難しかったり、乳幼児やご年配の方などよく噛めない場合は、胃腸の負担を減らすためにやわらかい物を食べるかと思いますが、自分の歯がしっかり生えそろっている方は、よく噛んで食事をして、胃腸の負担を減らしましょう。

噛み合わせの治療が必要な人は意外とたくさんいる?

完璧で良い噛み合わせだという方はほとんどいません。誰しもどこかしら噛み合わせに異常があることがほとんどです。

噛み合わせが悪い場合は治療せずに自然に治ることはなく、放置していると「噛みにくい」「顎が痛い」といった症状がどんどん悪化します。今は何も症状がなかったとしても知らず知らずのうちに負荷は蓄積され、何かの拍子で次から次へとドミノ式のようにお口の中だけでなく全身に様々な不具合が生じてしまいます。

また、年齢を重ねるにつれ、歯が移動したりすり減ったりして噛み合わせが変化します。些細な噛み合わせの変化が新しい問題を引き起こす場合もあるため、定期的なチェックが必要です。

まとめ

噛み合わせを悪いまま放置してしまうと、口周りだけでなく、全身への影響があります。

噛み合わせが悪いといっても、少し調整をすれば良くなる方、被せ物をやり変えて治す方、歯列矯正でしか治せない方など、人それぞれ症状が異なります。小さい頃からずっと同じ噛み合わせだと体が慣れてしまい、噛み合わせが悪いことに気づかないことがほとんどです。
少しでも気になる症状がある場合は、早めに歯科医院で噛み合わせをチェックしてもらいましょう。

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