マウスピースのメンテナンスは必要?何をするの?
基本的にマウスピース矯正は自己管理で行う矯正治療で、装置を自分で取り外したり、新しいマウスピースに交換して歯並びを整えていきますす。そのため、歯科医院でのメンテナンスだけでなく、ご自身で毎日しっかりとメンテナンスを行うことが大切です。
メンテナンス次第でマウスピース矯正の効果も変わってきますので、今回はマウスピース矯正のメンテナンス方法についてお伝えします。
ご自身で行うメンテナンスについて
マウスピースはお口の中に入れるもののため、どうしても細菌などの汚れがつきます。汚れが蓄積されると以下のようなトラブルが発生します。
- 虫歯・歯周病のリスクが高まる
- マウスピースの劣化が早くなる
- 口臭が発生する
これらを防ぐために、マウスピースは毎日正しくお手入れする必要があります。使用しているマウスピースの汚れや臭いが気になるという場合は、普段のお手入れ方法を再確認してみましょう。
詳しいお手入れのやり方はこちらの記事でもご紹介していますので、合わせてお読みください。
https://8wa.jp/topics/2402_no2/
①流水下で洗う
やわらかめの歯ブラシを使い、マウスピースに付着した汚れを流水下で優しくこすって落としましょう。マウスピースの素材はプラスチックやポリウレタン製のため、熱湯を使うと変形をしてしまうので気をつけてください。
また、研磨剤配合の歯磨き粉を使用するとマウスピース自体に細かい傷がつき、かえって汚れや細菌が残りやすくなります。そのため、歯磨き粉を使用する場合はジェルや泡タイプのものがおすすめです。
②マウスピース専用の洗浄剤を使う
毎日丁寧に磨いていたとしても、見えない細菌は付着してしまいます。そのため、浸け置きで消毒できる洗浄剤を併用すると、より清潔にマウスピースを使うことができます。
マウスピース専用の洗浄剤は歯科医院や薬局で購入することができます。タブレットタイプや顆粒タイプなどがありますが、入れ歯用ではなくマウスピース専用のものを使ってください。
使用頻度は、週に1回がおすすめです。浸け置き後は水でしっかりと洗浄剤を洗い流してから使用しましょう。
③マウスピースの交換時期を徹底して守る
使用するマウスピースは定期的に新しいものに交換する必要があります。交換する頻度などはマウスピースのタイプによって異なり、1〜2ケ月で交換するものが多いですが、2週間や1年ごとに交換するものもあります。交換時期を守らないとスケジュール通りに治療が進まず、治療期間が延長してしまいます。
使用中にヒビが入る、欠ける、うまくはまらなくなった、効果を実感できないという場合は歯科医院に連絡し、装置を確認してもらいましょう。
④正しく保管する
マウスピース矯正は初回治療時にまとめて装置を渡されます。矯正の種類によって、数枚の方もいれば50枚以上に及ぶ方もいます。枚数が多い場合は保管方法も重要です。
装置は清潔な箱や袋に入れ、風通しの良い場所または直射日光が当たらず高温にならない場所で保管し、装置を交換する度に保管している箱や場所に問題がないかチェックをするのがおすすめです。
以上のように、マウスピースをよい状態で使用するためにも、ご自身でしっかりメンテナンスを行いましょう。
歯科医院での定期チェックの内容
ご自身によるメンテナンスだけではなく、矯正治療中は1〜2ヶ月に1回の頻度で歯科医院に通院し、歯科医師による定期的なチェックを受ける必要があります。実際にどのようなことを毎回チェックしているのか見ていきましょう。
治療が計画通りに進んでいるか確認
定期チェックで通院する理由は、どの程度治療が進んでいるか確認するためです。
しっかりとマウスピースの装着時間を守って、新しいマウスピースへの交換も歯科医師の指示通りにできている場合は当初の治療計画通り順調に歯並びが整ってくるはずです。
もし治療計画より歯が動かず遅れが出ている場合は、装着時間を守れているか、装置が欠けたり変形していないかを確認し、必要に応じて治療計画を立て直したり、マウスピースを再製作するなどして対処します。
お口の中の確認
矯正治療中は通常時と比べ虫歯や歯周病になりやすく、装置が正しく使えていない場合は歯茎を傷つけるだけでなく、歯を支えている骨に過度なダメージを与えてしまうことがあります。そういったお口のトラブルが発生していないかを確認します。
マウスピース矯正は食事や歯磨きの時に取り外すためワイヤー矯正と比べると虫歯のリスクは減りますが、リスクがまったくないという訳ではありません。
マウスピース矯正中に大きく歯を削るような虫歯や歯がグラつくような歯周病になってしまうと、そちらの治療が優先され、当初立てた矯正の治療計画から大きくずれ、治療期間が延びたり、追加費用がかかることも考えられます。
定期的にお口の中をチェックすることで虫歯や歯周病の早期発見・早期治療にもつながり、矯正治療への影響を最小限に抑えることがきます。
噛み合わせの調整
マウスピースが正しく噛み合っているかどうか定期的に確認することも大切です。うまく噛み合っていない、違和感が強く痛みがある場合は、必要に応じて装置の噛み合わせの調整や修正をします。
マウスピースに不具合がないかの確認
マウスピース装置にヒビがないか、かたついたり変形していないか、アタッチメントが取れていないかなどをチェックします。また、マウスピースがざらついていたり尖った部分があると、頬や唇の内側など粘膜が傷ついて口内炎などになってしまう場合があるため、お口の中が傷つかないようマウスピースを研磨したりして対処します。
マウスピースのクリーニング
ご自身で毎日お手入れしていても、取り切れない汚れがありますので、定期チェックの際に歯科医院でマウスピースを洗浄してもらいましょう。歯科医院では専用の洗浄剤や超音波洗浄機などを使用してマウスピースを洗浄するため、マウスピースに付着した歯石や着色を取り除くことができます。
まとめ
マウスピース矯正中のメンテナンス全般について解説しました。自己管理が中心のマウスピース矯正ですが、歯科医院での定期チェックも大切だとご理解いただけたでしょうか?
マウスピース装置は日々使うものなので、どうしても劣化します。劣化したまま放置すると大がかりな修理や新しく作り直すことになり、もともとの治療計画に遅れが出ることがあります。
また、歯の動きは個人差が大きいため、数ヶ月単位で様子を見ながら、シミュレーション通り歯が動いているか、最初に立てた治療計画に問題がないか確認をする必要があります。
矯正治療は治療期間が長く、その間に患者様の生活に様々な変化もあるでしょう。通院できない時期があるかもしれません。通院できない期間中も、歯が元の位置に戻らないよう適切にマウスピースを使うためにはどうしたらよいか、治療スケジュールを変更する必要があるのかなど、担当の歯科医師にきちんと相談することが大切です。
矯正治療は歯科医師との信頼関係の上で成り立つ治療であるため、何かあればすぐに歯科医院に相談して治療を成功させましょう。