インプラントの仮歯はそのままでも問題ない?

インプラント治療の過程では、歯が入らない期間があるのはご存知でしょうか。

その期間は仮歯を入れておくのですが、すぐに人工歯を入れないで仮歯の期間があるのには理由があります。

また、患者さんの中には、「仮歯で全然問題がないからそのままではダメなの?」とおっしゃる方もいますが、ずっと仮歯のままでは様々なリスクがあります。

今回はインプラント治療における仮歯について解説します。
インプラント治療をお考えの方はぜひ参考にしてください。

インプラントとは?

まず、インプラント治療とはどのようなものか簡単におさらいしておきましょう。

インプラントというと歯の治療のイメージがありますが、本来は「体内に埋め込む医療器具、材料」になります。
歯科以外では心臓のペースメーカーや美容整形で使用するシリコン、骨折の治療で使用するボルトなどもインプラントの一つです。

歯科治療で使用するインプラントは「デンタルインプラント」といいますが、インプラント治療の普及などにより、単に「インプラント」と呼ぶことがほとんどです。

インプラント治療は歯を失った箇所の顎の骨にチタン製の人工歯根(インプラント)を埋め込み、その上にセラミックなどで作った人工歯を装着する治療です。

メリットは見た目や噛み心地など天然の歯と変わらないくらい自然で長持ちすることですが、外科的手術が必要なことや治療費が高額になる点はデメリットといえるかもしれません。

仮歯を入れるタイミングと期間

インプラントを顎の骨に埋め込む手術をおこなった後の数ヶ月間、インプラントが骨やその他の組織ときちんとつながったか様子をみる必要があり、その期間は歯がない状態になるため、仮歯はこのタイミングで装着します。

一般的には手術の傷口の抜糸が終わり、治癒したら仮歯を入れますが、前歯の場合は目立つため早めに入れることがあります。

また、手術法によっては手術当日に仮歯を入れることもありますが、様々な条件が整っていないとできないため、すぐに仮歯を入れたい方はドクターに相談してみましょう。

インプラントと顎の骨がしっかりつながるまでおよそ3~6ヶ月かかるといわれているので、その間が仮歯の期間となります。

仮歯の役割

歯がない期間、仮歯を入れるのは見た目だけの問題ではありません。新しい歯が装着されるまでの仮歯の役割をあげてみましょう。

自然な見た目を保つ

インプラントを埋め込んだ後、数ヶ月間は歯がない状態になります。
特に前歯は目立つため、歯が抜けたような見た目だと非常に気になりますね。

人とコミュニケーションをとるときも、口元の見た目はその人の印象に大きく関わってきます。
仮歯があれば歯があるときと同じように自然な見た目になるので、見た目を気にすることなく治療を進めることが可能です。

歯並びや噛み合わせが歪むのを防ぐ

歯がない部分があるとそのスペースを埋めようとして歯が動きます。

歯は1ヶ月で1ミリ程度動くといわれているため、インプラントが定着し、人工歯が入るまで6ヶ月かかるとしたら6ミリ動くことになります。

歯が移動すると歯並びが悪くなり、噛み合わせに影響がでたり、装着予定の人工歯が合わなくなったりする可能性があります。

治療の傷口を保護する

口の中には数千億の常在菌が存在し、むし歯や歯周病の原因となる細菌も含まれています。

仮歯がないと傷口は向きだしの状態です。そのため、インプラントの金具が口の中を傷付けたり、細菌が入り込んだりすることで炎症のリスクが高くなります。

また、歯みがきや食事の際に傷口に触れてしまうことで、出血したり傷口が治癒するのに時間がかかったりしますが、仮歯が入ることで細菌の侵入や傷口を刺激するのを防いだり、傷口を守ることができます。

仮歯のままでいると?

仮歯の期間中、特にトラブルもなく快適に過ごせていると治療を中断してしまう患者さんもいらっしゃいます。
長期間仮歯のまま過ごしても問題はないのでしょうか。

仮歯はあくまで「とりあえずの仮の歯」なので、長期間使用できるものではありません。
仮歯はきれいだし、特に問題ないからといってそのまま放置し治療を中断するのは非常に危険です。

では、仮歯のまま放置しているとどのようなリスクがあるのでしょうか。

最終的に装着する歯が合わなくなる

仮歯はやわらかく、特に奥歯はすり減るのが早いため、長期間使用していると隙間ができ、隣や向かいの歯がよってくるので噛み合わせが悪くなります。

噛み合わせが悪くなると最終的に装着する歯が合わなくなったり、埋め込んだインプラントに想定外の力が加わりインプラントが外れたりすることがあり、それまでの治療が無駄になる可能性があります。

むし歯や口臭の原因になる

仮歯には細菌を防ぐふたの役割もあります。

しかし、長期間使用することですり減ったり、接着剤が溶けたりすることで隙間ができ、そこから細菌が入りやすくなりむし歯や口臭の原因になる場合があります。

突然外れることがある

仮歯はあくまで一時的に使用する前提のため、耐久性がありません。
また、後に外すことを考慮し弱めの接着剤でつけてあるので、食事の際や何かの拍子に突然外れることがあります。

変色し、見た目が悪くなる

仮歯はプラスチック製でやわらかく、水分と一緒に汚れも吸収します。
そのため、長期間使用しているとステインや細菌による着色で変色し、見た目に影響がでてきます。

仮歯の期間に注意すること

手術後の仮歯の期間は、歯ぐきが非常にデリケートな状態です。
仮歯の期間中に注意することを解説します。

仮歯のまま治療を中断しない

仮歯はプラスチック製のため、劣化しやすく長期間の使用には適していません。
そのまま放置しておくと黄ばんできたり、口臭の原因になるだけではなく、すり減ってくることで噛み合わせにも影響がでてきます。

あくまで「治療期間中の仮の歯」だということを忘れないようにしましょう。

食べ物に気をつける

仮歯の期間中は食べるものに注意が必要です。

特に

  • ガム
  • キャラメル
  • スルメ
  • フランスパンなど硬めのパン
  • おせんべい

など、硬いものや歯にくっつきやすいものは仮歯が外れたり壊れたりする原因になるので、できるだけ避けましょう。

歯みがきは丁寧におこなう

仮歯自体はむし歯にはなりませんが、だからといって歯みがきを怠ってはいけません。

仮歯の組織周辺は汚れや細菌がたまると、インプラント周囲炎などの炎症を引き起こす可能性があります。
歯周病と同じような症状で悪化するまで気が付きにくいので、仮歯であっても丁寧に歯みがきをおこない口の中を清潔に保つことが大切です。

また、仮歯はプラスチック製のため、もろく、力を入れてこすると割れたり外れたりする可能性があるので、力を入れないように注意し、優しくみがきましょう。

外れたり割れたりしたらすぐ受診する

万が一、外れたり割れたりしたら放置せずに早めに受診しましょう。

仮歯が外れたら歯がない状態になるため、噛み合わせに影響がでたり、細菌感染のリスクが高まったりします。

できるだけ早めに受診し、再装着や修復などの処置を受けるようにしましょう。

まとめ

いかがでしたか。
今回はインプラントの仮歯はそのままでも問題ないか?ということについて解説しました。

仮歯はあくまで治療期間中だけの「仮の歯」になりますので、長期間の使用や外れたときに放置しておくのは非常に危険です。

せっかくインプラントを埋め込む手術をしたのに、その後、新しい人工歯が装着できなかったなどということになったら大変です。

仮歯の期間は制限があったり、注意事項があったり大変な部分もありますが、インプラント治療を成功させるために仮歯の期間は非常に大切です。

治療後の快適な生活を思い浮かべながら仮歯の期間を乗り切り、インプラン治療をすすめていきましょう。

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