矯正費用の相場は?費用について詳しく解説!

見た目や歯の健康のために、歯列矯正を検討している方は多いのではないでしょうか。しかし、歯列矯正は高額というイメージがあり、費用面から諦めるという方も少なくありません。

歯列矯正では、全体矯正や部分矯正、成人矯正、小児矯正だけでなく矯正装置によって費用が異なります。

そこで今回、様々な歯列矯正の費用相場と支払い方法などを解説していきます。歯列矯正は高額だからと諦めるのではなく、自分に合った矯正方法と無理のない支払い方法が見つかる一助になれば幸いです。

歯列矯正の装置は何がある?

まず初めに歯列矯正の装置について、それぞれ簡単にお伝えします。

ワイヤー矯正(表側矯正)

歯の表側にブラケットと呼ばれる矯正器具を装着し、ワイヤーの力で歯を動かす矯正方法です。症例数が非常に多く、ほとんどの歯並びに対応できます。

ワイヤー矯正(裏側矯正)

表側矯正と同じ原理で歯を動かしますが、ブラケットを取り付けてワイヤーを通すのが裏側になる矯正方法です。

装置が裏側にあるため目立ちにくいのが特徴ですが、歯科医師の高度な技術が必要なため、対応していない歯科医院もあります。

ハーフリンガル矯正

ワイヤー矯正の一種で、矯正装置を目立ちやすい上顎は裏側に、目立ちにくい下顎には表側に取り付ける矯正方法です。

上下ともに裏側矯正をするよりも費用を抑えることができますが、こちらも裏側矯正同様に歯科医師の高度な技術が必要になります。

マウスピース矯正

透明の樹脂でできたマウスピースを装着して徐々に歯並びを整える矯正方法で、目立たない矯正として近年人気があります。症例数は増えてきていますが、重度の歯列不正には対応できないことがあります。

部分矯正

前歯や気になる箇所だけといった部分的な歯並びを整える矯正方法です。歯を動かす量が少ないため、費用と期間を抑えることができます。

ワイヤー矯正とマウスピース矯正のどちらも部分矯正は可能ですが、どの歯並びにも対応できるという訳ではないないため、ご希望されても適応できない場合があります。

装置の費用相場

歯列矯正は自由診療になるため歯科医院によって費用設定が違い、使う器具によっても変わります。あくまで一つの目安として参考にしてみてください。

  • 表側矯正:60~130万円
  • 裏側矯正:80~150万円
  • ハーフリンガル矯正:80〜130万円
  • マウスピース矯正:80~120万円
  • 小児矯正:1期治療;5~20万円、2期治療;60〜150万円
  • 部分矯正:10〜70万円

子供の矯正(小児矯正)の場合、乳歯と永久歯が混在している6〜12歳の「1期治療」とすべて永久歯に生え変わった13歳以降の「2期治療」に大きく分かれます。

1期治療は顎の成長を促したり悪癖を直して永久歯がきれいに並ぶような土台作りをすることが目的で、2期治療は大人と同じく歯がきれいに並ぶよう整えていきます。歯科医院によっては1期治療から継続して行うと割引されることがあります。

装置以外に費用はかかる?

歯列矯正は装置以外にも費用はかかり、治療前、治療中、治療後とそれぞれありますので、細かく見ていきましょう。

治療前にかかる費用

・カウンセリング費用:無料〜5,000円程度

カウンセリングは無料で行っている歯科医院も多く、費用が必ずかかるわけではありません。カウンセリングでは、実際のお口の中を拝見し、現在の歯並びや噛み合わせの問題点、それに対してどのような矯正方法が適応か、抜歯の必要があるかどうかなどを聞くことができます。

場合によっては、レントゲン撮影が必要になり、その場合は費用が別途かかることがあります。

・診断費用:無料〜約7万円

レントゲンやCT撮影、虫歯のチェック、マウスピース矯正の場合はシミュレーションも診断費用に含まれます。

今後の計画を立てるための非常に重要なデータとなるため、様々な診断材料が必要です。診断費用はカウンセリング費用に含まれていることもあります。

・便宜抜歯費用:2,000円~30,000円

矯正治療をするにあたって歯を抜く必要がある方もいます。その場合、保険の適応ができず抜歯費用は自費でかかりますが、1本あたりの抜歯費用は歯科医院によって異なります。

・矯正装置費用

使用する矯正装置にかかる費用のことで、前述したように選択するものによって大きく異なります。

治療中にかかる費用

・調整料・処置料:2,000円〜1万円ほど/回

調整料・処置料は通院ごとにかかってくる費用のことで、こちらの費用設定も歯科医院によって異なります。

治療後にかかる費用

矯正装置を使って歯を動かした後、保定装置を使用しながら歯並びに変化がないかなどをチェックするために通院が必要です。この期間は約2年間です。

・保定装置費用:無料〜6万円

保定装置の種類は様々で、マウスピース型、プレート型、ワイヤー型などがあります。保定装置の費用は矯正装置費用に含まれていることもありますが、保定装置を紛失してしまった場合は費用がかかってくることもあるので紛失しないよう気を付けましょう。

・保定観察(管理)費用:無料〜6,000円

保定観察(管理)費用は、保定期間中の通院ごとにかかる費用です。矯正装置を外した直後は通院頻度が1ヶ月に1回ほどですが、問題がなければ半年に1回、1年に1回と徐々に頻度が減っていきます。

矯正費用の支払い方法

歯列矯正の費用は高額のため、支払いに不安を感じる方もいらっしゃると思います。多くの歯科医院で見られる支払い方法についてお伝えします。

トータルフィー制(治療費総額制)

トータルフィー制は総額制とも呼ばれ、ほとんどの治療費用を一括で支払う方法です。1回の支払額は大きいですが、治療期間が延びても装置代や通院費用を追加で支払う必要がないのがポイントです。

処置別支払い制

処置別支払い制は各装置代や治療代金が提示されており、装置の装着や治療が完了したタイミングで支払っていく方法です。

高額の費用を事前に準備する必要がない反面、支払いが都度発生するため、治療が長引いた場合はトータルフィー制よりも費用がかかることがあります。

歯列矯正は分割払いやローンでの支払いはできる?

歯列矯正の費用は高額なため、金融機関と連携して「デンタルローン」を組むことができたり、クレジットカードでの分割払いや歯科医院内での分割払いに対応している場合もあります。

「デンタルローン」とは歯科治療への支払いのみを目的として借り入れできる特別なローンで、近年、採用している歯科医院も増えています。
デンタルローンを利用すると、信販会社が治療費を一括して歯科医院に支払います。利用した方は、元金と金利を月々支払しますが、通常のカードローンより金利が低いことが特徴です。

「院内分割払い」は窓口で矯正治療期間内に分割払いする方法で、歯科医院独自のもののため金利や分割手数料は発生しないことが多いです。しかし、治療期間内に必ず完済する必要があるため、1回の支払い額が高くなる傾向があり、また対応していない歯科医院もあります。

歯列矯正は医療費控除を使える?

医療費控除制度を活用した場合、治療額と所得に応じて一定の金額が還付されます。

見た目の改善のための矯正治療は医療費控除の対象外になりますが、噛み合わせの改善であれば対象です。また、子供の歯列矯正の場合も、成長のために必要な治療と判断されるため対象になります。

申請をするためには領収書が必要なため、領収書は大切に保管し、確定申告の時に手続きをしてください。また、自分が対象になるかわからない場合は歯科医院に相談してみましょう。

まとめ

歯列矯正の装置や装置以外の費用の相場、支払い方法などを解説しました。歯列矯正を始める上で、費用については事前にしっかり確認することが大切です。

費用を安く抑えることも大事ではありますが、矯正治療の質が低下してしまっては元も子もありません。費用だけを見て自分の歯の状態に合わない治療方法を選択してしまうと、のちに様々なトラブルにつながることもあります。

そのため、複数の歯科医院で相談やカウンセリングを受けて自分に合った矯正方法を知ることもよいですし、費用や支払い方法に関する不安はしっかり歯科医院で確認し、納得した上で矯正治療を進めていきましょう。

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