見た目を気にしない!目立たない矯正装置の種類・特徴について解説!
矯正治療と聞くと、金属の装置とワイヤーを歯に取り付けて行う方法を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
そのため「矯正治療は目立つ」とイメージされることも少なくありません。
近年、「矯正したいけど目立ちたくない」とのニーズに応えるべく、目立ちにくい素材・方法で実施できる矯正治療が普及しているのをご存知ですか?
矯正治療中であることがわかりづらい装置があるなら、人前に出てお仕事をされている方や矯正していることを気づかれたくない方でも、安心して治療を受けられるでしょう。
目立ちにくいと言われている矯正装置として代表的なのは、以下の4つです。
・審美ブラケット・ホワイトワイヤーを用いたワイヤー矯正
・舌側(裏側)矯正
・ハーフリンガル矯正
・マウスピース矯正
今回は、歯並びにお悩みの方や矯正治療をお考えの方に向けて、目立ちにくいとされている矯正装置の特徴やメリット・デメリットについて詳しく解説します。ぜひ参考にしてください。
ワイヤー矯正①|審美性の高い装置を選ぶ
ワイヤー矯正とは、歯の表面に「ブラケット」といわれる四角い装置を取り付けて、その部分にワイヤーを通し、少しずつ歯を動かしていく矯正治療です。
理想的な位置に歯が移動するよう定期的にワイヤーを調整し、交換しながら治療を進めていきます。
ワイヤー矯正と聞くと金属の装置を使用するイメージが強いかと思いますが、「審美ブラケット」「ホワイトワイヤー」など審美性に配慮した器具で治療することも可能です。
ブラケットの素材やワイヤーの種類によって費用が異なるため、予算とのバランスを見ながら選ぶことが重要です。
歯科医院によっては「審美ブラケット×ホワイトワイヤー」というブラケットとワイヤーの組み合わせを行っていない場合もあるため、歯科医師にしっかり確認しましょう。
審美ブラケット
審美ブラケットにはいくつか種類がありますが、代表的な素材としてあげられるのは、プラスチックブラケット(クリアブラケット)とセラミックブラケットです。どちらも金属アレルギーを引き起こす心配がありません。
プラスチックブラケットは透明のプラスチックでできており、目立ちにくく装着時の痛みや違和感が少ないのが特徴です。一方で金属のブラケットに比べて強度が劣るため破損する可能性があること、色移りや変色しやすいといったデメリットもあります。
セラミックブラケットは白色や歯の色に合わせて作製することができるため、見た目も自然な仕上がりで、プラスチックブラケットと比べ変色のリスクも少ないといえるでしょう。
一方で、歯よりも硬い素材でできているため、噛み合わせによっては歯が削れてしまったり、装着時の違和感が出たりする場合もあります。そして、セラミックを使用しているため、他のブラケットより費用が高額になります。
また、審美ブラケットに共通するデメリットですが、強度を保つためにメタルブラケットより厚みがあり大きく作られています。そのため、異物感や違和感を感じやすい方もいます。
ホワイトワイヤー
ホワイトワイヤーには、一般的に用いられる銀色のワイヤーを白く塗装したもの、ロジウムという白い金属で特別なコーティングを施したもの、大きく2つのタイプに分けることができます。
銀色のワイヤーを白く塗装したタイプは、ブラッシングの摩擦によって少しずつ塗装が剝がれてしまう場合があります。早ければ一週間程度で、ところどころ銀色のワイヤーが見えてしまうこともあるでしょう。
一方で、ロジウムによりコーティングしたワイヤーは耐摩耗性に優れているため、使用中に剥げてしまうことはほとんどないとされています。そのため、治療中の見た目が変化することを心配する必要はありません。
ホワイトワイヤーは光沢があるもの、艶を消したマットなもの、真っ白なもの、黄みがかった白色など種類があります。
共通したデメリットとしては、塗装してあるため歯に矯正力をかけた時に摩擦が生じ、歯の動きに影響が出て予定通りに動かないということもありえます。
メリット
・対応できる症例の幅が広く、症状が重い場合でも対応可能
(※一部では外科手術が必要な場合もあります)
・装置が白色や透明なのでお口を開けたときに目立ちにくい
・金属アレルギーのある方でも選択できる可能性がある
デメリット
・審美ブラケットはメタルブラケットより厚みがあり大きく作られているため、口元が気になることがある
・プラスチックブラケットは過度な力がかかると破損する可能性がある
・食事や歯磨きがしづらい場合がある
・ホワイトワイヤーは塗装されているため力をかけた時に摩擦が生じて歯の動きに影響が出る場合がある
・特殊な素材を使用するため費用が高くなる可能性がある
ワイヤー矯正②|舌側(裏側)矯正
舌側(裏側)矯正とは、歯の舌側・裏側にブラケットとワイヤーを装着する矯正方法です。リンガル矯正とも呼ばれています。
装置は外から見えることがほとんどないため、見た目を気にする必要がありません。
一方で、歯の裏側という見えにくい箇所に装置を取り付けるため、ドクターの高度な技術が求められることから、表側矯正に比べると費用が高くなる傾向です。
メリット
・比較的多くの症例に対応できる
・お口を大きく開けない限りは治療中であることに気づかれにくい
・口元に物が当たった際、装置でお口の中を傷つける心配が少ない
・唾液の量が多くなるため虫歯や歯周病になりにくい
デメリット
・装置が舌側にあることで滑舌や発音に違和感が出ることがある
・食事やブラッシングがしにくい
・表側矯正に比べて矯正装置が外れやすい
ワイヤー矯正③|ハーフリンガル矯正
ハーフリンガル矯正とは、表側矯正と裏側矯正を組み合わせて行う矯正方法です。ハイブリッド矯正やコンバインド矯正と呼ばれることもあります。
外から目立ちやすい上の歯には裏側矯正、唇で隠れて目立ちにくい下の歯には表側矯正を施し、歯を整えていきます。
歯の表側に取り付ける装置に、前述した審美ブラケットやホワイトワイヤーを選択することで、さらに目立ちにくくなります。
メリット
・普段の会話や笑顔で下の歯があまり見えない場合は矯正装置が目立ちにくい
・上下の歯を裏側矯正で治療するより費用を抑えることが可能
・表側矯正は下のみのため装置を取り付けたことによる口元の突出感が軽減できる
デメリット
・症状によっては治療できない場合がある
・上下の歯を表側矯正する場合に比べ費用が高くなる
・食べ物が詰まりやすく歯磨きがしづらい
マウスピース矯正
マウスピース矯正とは、透明なマウスピースを装着することで歯を動かしていく矯正方法です。ひとつのマウスピースで動かせる歯の範囲は決まっているため、定期的に新しいマウスピースに交換しながら、歯を理想の位置に移動させていきます。
また、マウスピースは透明で薄い素材のため、歯に装着していることがほとんどわかりません。
マウスピースにはさまざまなブランドが展開されています。費用・治療期間・通院回数・特徴がそれぞれで異なるため、自分に合ったブランドを見つけることが大切です。
メリット
・着脱が可能なので食事や歯磨きがしやすく普段の生活と同じように過ごせる
・樹脂などの素材から作られているため金属アレルギーの方でも治療可能
・お口の中を傷つける心配が少ない
デメリット
・症例によっては対応できない場合がある
・装着時間やメンテナンスなど自己管理が必要
・着用後、数日間はお口に違和感が出ることがある
・取り扱いに注意しなければ割れる可能性がある
まずは歯科医院に相談しよう
今回は目立ちにくい矯正方法についてお伝えしました。
審美ブラケットやホワイトワイヤーを用いたワイヤー矯正、裏側矯正、ハーフリンガル矯正、マウスピース矯正と矯正方法がさまざまにある中で、どのように選べばいいか悩むこともあるでしょう。
だからこそ「目立ちにくさのレベル」「費用」「理想の歯並び」「治療期間」といったご自身の基準を持つことが重要です。
まずは歯科医院へ相談に行き、お口の状態から対応できる矯正方法の種類について詳しく聞きましょう。
そのうえで、ご自身が納得した矯正方法を選び、美しい歯並びを手に入れてくださいね。