ワイヤー矯正で使う「青ゴム」って何?使用の目的や装着時の注意点を解説!

歯科医院で行う矯正治療の中で代表的な方法のひとつが、「ワイヤー矯正」です。患者様の状態によっては、ワイヤー矯正を行う前の下準備として「青ゴム」と呼ばれる装置を使い、あらかじめ歯を少し動かす工程があることをご存じですか?
今回は青ゴムについて、使用の目的や装着期間、装着時の注意点などを解説します。

ワイヤー矯正で使用する「青ゴム」とは?

代表的な矯正治療のひとつであるワイヤー矯正では、歯の表面に小さなブラケットを取り付けてワイヤーを通し、歯に適切な力をかけることで、効果的に矯正治療を行います。
ブラケットの取り付け方は、専用の接着剤で直接貼り付ける「ダイレクトボンド法」と、金属の輪を歯に巻き付ける「金属バンド法」の2つです。歯の状態や位置などが原因で、ダイレクトボンド法ではブラケットがうまく取り付けられなかったり、ブラケットが外れやすいといった場合には、金属バンド法を用います。

歯に金属バンドを取り付けるためには、歯の間にある程度スペースが空いている必要がありますが、奥歯など歯と歯の間が詰まっていて隙間がないときに使用されるのが「青ゴム」です。
青ゴムは、歯間を拡げるために歯と歯の間に装着して使用する矯正器具で、セパレーティングモジュール、セパレーター、セパレーティングゴムなどと呼ばれます。見た目が青いので青ゴムという名前が浸透していますが、透明やグレーのものもあり、性能に違いはありません。

ちなみに、ダイレクトボンド法のみでブラケットをしっかりと取り付けられる症例や、金属バンドをはめる隙間が最初からある症例の場合は、青ゴムを使用せずに矯正を進めます。また、マウスピース矯正でも青ゴムの使用はありません。

青ゴムの使い方

青ゴムを引っ張って薄くして、歯間に挟み込みます。引っ張ったゴムは元の状態に戻ろうと収縮するため、その圧力を利用して青ゴムと隣り合う歯を押し、少しずつ隙間を作るのです。

青ゴムの装着期間

青ゴムを装着する期間は歯の状態や動きやすさで変わりますが、通常は1~2週間ほどです。ただ、途中で青ゴムが切れたり外れたりした場合は装着し直さなければいけないため、装着期間は延びてしまいます。

青ゴムの装着は痛みがあるって本当?

青ゴムは狭い歯間に無理やりねじ込んで使用するため、歯の間に何か食べ物が挟まっているような違和感があったり、歯が押されていることで鈍い痛みが出たりする場合があります。痛みの強さには個人差があり、全く痛みを感じない方もいますが、強い痛みを感じる方も少なくないようです。

通常の矯正治療では、歯を0.5~1mm動かすのに約1ヶ月かけますが、青ゴムによる歯間の拡大は1週間前後で行うため、歯に強い圧力がかかることで痛みが強く出るケースがあります。
また、一般的な痛みのピークは青ゴムを装着してから2~3日目ですが、1週間以上強い痛みが続く方もいます。

青ゴム装着中の痛みへの対処方法

食べ物に注意する

青ゴムを装着している部位で固いものを食べると、強い痛みを感じることがあります。その痛みが長く続くケースもあるため、青ゴムを装着している間は固いものを避け、なるべくやわらかいものを口にするように心がけるといいでしょう。

固いものの具体例

  • 固い生野菜や果物
  • ホルモン類やスルメイカなど、噛み切ることが難しい食べ物
  • せんべいや固いパンなど、噛み応えがあるもの

ブラッシングはやさしく行う

青ゴムを装着中でも歯磨きは欠かせませんが、強い力でブラッシングをしてしまうと、痛みを引き起こしたり青ゴムが外れたりする場合があります。やさしくブラッシングをする、やわらかいブラシを使用するなど、歯に力を加えないように工夫をするといいでしょう。

市販の痛み止めを飲む

痛みが強い場合は、市販の痛み止めを飲むのも一案です。青ゴムの装着期間は前述したとおり1~2週間と短めなので、市販薬をうまく利用しながら痛みを乗り越えましょう。青ゴム装着直後にすでに痛みがある場合は、その場で歯科医師に痛み止めを処方してもらえることもあります。
痛み止めが効かなかったり、どうしても我慢が難しかったりする場合は、担当の歯科医師に相談しましょう。

青ゴム装着中の注意点や疑問点

青ゴムが外れないようにするコツ

青ゴムがとくに外れやすいのが、歯磨きの最中です。青ゴム装着中は歯に違和感があるため、強めにブラッシングをしてしまう傾向があります。普段よりもやさしくブラッシングすることを意識してください。

青ゴムを装着中、ガムやキャラメルなどの粘着質な食べ物は青ゴムに付着して外れてしまうことがあるため、避けたほうが無難です。また、粘着質な食べ物は青ゴムの周辺に付着するとブラッシングしにくく、汚れを落としきれずに虫歯の原因になったり、青ゴム周辺に付着した食べ物を取ろうと無理にブラッシングすることで、青ゴムが外れてしまったりすることもあります。

青ゴムが取れてしまったらどうすればいい?

青ゴムが効果的に作用したことによって歯間にスペースができてくると、ゴムがゆるんで不意に外れてしまうことがあります。また、前述の通り粘着質の食べ物を食べたり、強くブラッシングをしたりして外れることも少なくありません。珍しいケースですが、もともと青ゴムがうまくはまっていなかったために外れることもあるようです。

青ゴムが外れてしまったらすぐに口から取り出して、できるだけ早く歯科医院を受診しましょう。その際、外れた青ゴムは再利用できる可能性があるので、密閉容器などに入れて持参することをおすすめします。
また、青ゴムが外れたまま放置してしまうと、せっかく移動した歯が元に戻って治療を最初からやり直さなければならなくなるため、歯科医院へは早めに連絡しましょう。

青ゴムを飲み込んでしまったら?

青ゴムはとても小さいので、うっかり飲み込んでしまう場合があります。しかし、青ゴムは体に害のない素材で作られており、飲み込んでも時間が経てば体外に排出されるため、過度に心配することはありません。
もし飲み込んでしまったら、早めに歯科医院を受診してその旨を報告し、新しい青ゴムを装着してもらいましょう。

青ゴム装着以降の治療の流れは?

ワイヤー矯正の下準備として青ゴムの装着を行う場合、青ゴムを外したあとは歯に金属バンドやブラケットを装着し、そこに矯正用のワイヤーを取り付けて徐々に歯を動かしていきます。
ワイヤー矯正の期間は症例によって大きく異なり、歯全体を矯正する場合は1~3年程度、部分矯正の場合は3ヶ月~1年半程度です。その間は、1ヶ月に1回歯科医院を受診して、検査と調整を行います

矯正器具が外れたあとは、歯が後戻りしないように「リテーナー」と呼ばれる保定器具を装着します。こちらの装着期間は2~3年程度で、数か月に1回は歯科医院を受診して検査を行うのが一般的です。

まとめ

青ゴムの装着中は痛みが出やすいと聞くと、少し不安になってしまうかもしれませんが、ワイヤー矯正において青ゴムを用いる治療はとても大切な工程です。そのため、1~2週間の青ゴム装着を耐え抜けば本格的な矯正治療に入ることができると考えれば、モチベーションの維持につながるのではないでしょうか。
ご紹介した装着中の痛み対策や注意点を参考に、矯正治療を成功に導きましょう。

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