歯の白い斑点をきれいにしたい!ホワイトスポットの原因と治療法を解説!
「歯の表面に白い斑点や、まだら模様があって気になる…」とお悩みの方はいませんか?
痛みはないものの、お口を開けたときに目立ってしまうため、コンプレックスに感じることがあるかもしれません。
これらの歯の表面にできる白い斑点や模様は「ホワイトスポット(白斑)」と呼ばれています。
ホワイトスポットは進行具合により、見た目や症状が異なります。
軽度では、歯の表面に白い部分とそうでない部分がある状態です。なかには、茶色や黄ばんだシマ模様が見られることもあるでしょう。
重度になると、全体的に黄色っぽく見えるようになります。また、変色だけでなく凹凸やくぼみができたり、歯との間に隙間が生じたりするケースもあります。
今回は、ホワイトスポットの原因と治療法について詳しく解説します。
歯に白い模様が見られる方は、ぜひ参考にしてください。
ホワイトスポットの原因4つ
ホワイトスポットができる原因には、以下4つのことが考えられます。
・初期の虫歯
・エナメル質の形成不全
・フッ素の過剰摂取
・矯正治療の影響
この項目では、それぞれについて詳しく説明します。
①初期の虫歯
虫歯と聞くと、歯に穴があいたり黒く変色したりするイメージがあるかもしれません。しかし、虫歯は白い斑点として現れることがあります。
虫歯菌が作り出す酸によって、歯の表面からリンやカルシウムが溶けることを「脱灰」といい、これが虫歯のはじまりです。
虫歯の初期段階では歯が光沢を失い白く濁って、ホワイトスポットが見られるようになります。
②エナメル質形成不全
エナメル質形成不全は、歯の表面を覆うエナメル質が正常に形成されない状態です。原因は先天的なものと後天的なものに分けられます。
先天的な原因としては、胎児期に母親が栄養不足になる、ホルモンバランスに異常がある、病気を患ったことが考えられます。また、母親が服用していた薬の影響で胎児の歯の形成が妨げられる場合もあるでしょう。
後天的な原因には、生後間もない時期にかかった病気、カルシウムやビタミンDなどの栄養不足があげられます。さらに乳歯に外傷を受けたり感染したりすると、永久歯に影響を及ぼし、白い斑点が発生することもあります。
また、エナメル質形成不全には段階があります。
軽度では変色のみが見られますが、重度になるとエナメル質表面にクレーターができることもあるでしょう。
③フッ素の過剰摂取
生後6ヶ月から5歳くらいまでの時期にフッ素を過剰に摂取すると、歯の表面に白や茶色の斑点が現れることがあります。この歯は「斑状歯」とも呼ばれています。
斑状歯は、フッ素を水道水に添加している地域・国で起こることが多い傾向です。現在のところ、日本では発生するリスクが低いとされていますが、海外で子育てを行う場合は注意しましょう。
④矯正治療の影響
矯正治療後にホワイトスポットが現れることがあります。これは、治療中のケア不足が主な原因とされています。
たとえばワイヤー矯正では、歯の表面に取り付けた四角い装置にワイヤーを通します。
矯正装置の周囲はブラッシングがしにくいため歯垢がたまりやすく、その結果、初期の虫歯が生じ、ホワイトスポットが現れることがあります。
ホワイトスポットの治療法
ホワイトスポットはその原因に応じて治療法が異なります。
どのような治療法があるのか見ていきましょう。
ホワイトニング
ホワイトニングとは、歯磨きやクリーニングでは落とせない着色を取り除くだけでなく、歯をトーンアップさせる治療法です。歯の表面にホワイトニング剤を塗布し、白くしていきます。
また、ホワイトニングには歯科医院で行う「クリニックホワイトニング」と、患者様がご自宅で行う「ホームホワイトニング」の2種類があります。
ホワイトニングにより、ホワイトスポットと周囲の歯の色調を合わせて、目立ちにくくすることができます。
フッ素・MIペースト
虫歯菌の働きを弱める効果がある「フッ素」や、豊富なミネラル成分を配合する「MIペースト」をホワイトスポットが生じている部位に塗布します。継続して塗ることで、周囲の歯と同じような透明感を取り戻せる可能性があります。
フッ素は歯科医院で塗ることができますが、歯磨き粉にも配合されている成分です。
また、MIペーストは「MIペースト」として市販されているため、普段のケアアイテムとしても取り入れやすいでしょう。
歯面研磨
歯面研磨はポリッシングとも呼ばれています。歯の表面に付着した汚れを取り除く治療法です。
ホワイトスポットがエナメル質の表面に生じている場合、歯面研磨を行って小さくすることができます。
しかし、ホワイトスポットを完全に取り除くことは難しいでしょう。
コンポジットレジン充填
コンポジットレジンは、歯科治療の際に用いられる白いプラスチックの素材です。
ホワイトスポット部分だけを削り取り、コンポジットレジンを貼り付けます。
しかし、プラスチック素材のため経年劣化によりすり減ったり、着色したりするリスクがあります。
ラミネートべニア
ラミネートベニアは歯の表面だけ一層削り、そこに薄いセラミックをピッタリと貼り付ける治療法です。
また、歯を削らずにラミネートべニアを貼り付ける方法もあります。
ホワイトスポットが広範囲にわたっている場合や、深くまで白くなっている場合に用いられることが多いでしょう。
セラミックはケアをきちんと行えば、長期にわたり天然歯のような美しい状態を保つことが可能です。また、歯垢や着色も付着しにくいといった点がメリットといえます。
ダイレクトボンディング
ダイレクトボンディングとは、プラスチック素材(レジン・セラミック樹脂)を歯の表面に塗り重ねて、色や形を整える治療法です。
ホワイトスポットが発生した部位のみをわずかに削り取る必要があるものの、短時間で天然歯のような自然な仕上がりにできるといったメリットがあります。
低粘性レジン浸潤法(アイコン)
低粘性レジン浸潤法は、ホワイトスポットを含めた歯の表面に浸透性のあるレジンを浸み込ませる治療法です。
これは「アイコン」という製品を用いて行います。
歯を削らずに治療できるというメリットがあり、歯の塩酸処理が必要ですが、ホワイトスポットを目立ちにくい状態にすることができます。
ただしホワイトスポットの状態によっては施術できないことも多く、治療できたとしても、場合によっては何度か通院する必要があります。
ティースマニキュア
ティースマニキュアは、その名の通り歯のマニキュアです。ホワイトスポット部分をコンシーラーのように隠すことができます。
歯を削らずに済み、1日で処置することが可能です。
しかし、2週間ほど経過するとマニキュアの表面がポロポロと落ちてしまい、長持ちしにくいといったデメリットがあります。
まとめ
いかがでしたか。
今回は、ホワイトスポットの原因とその治療法を解説しました。
ホワイトスポットの原因として考えられるのは、「初期の虫歯」「エナメル質の形成不全」「フッ素の過剰摂取」「矯正治療の影響」などです。
改善するためには、それぞれの原因に応じて治療を行う必要があります。
普段からフッ素を配合した歯磨き粉やMIペーストといったケア用品を取り入れることもおすすめですが、まずは歯科医院に相談して、適切な処置を受けるようにしましょう。