ホワイトニングができないこともある?その理由と代替方法を解説!
歯を美しくするために選択されるホワイトニングですが、実は一部の方や歯の状態によっては施術ができない場合があります。
今回のコラムでは「ホワイトニングができない人や歯の状態」に加えて、「ホワイトニング以外の代替方法」について詳しく解説します。
ホワイトニング治療を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
ホワイトニングとは?
ホワイトニングとは、飲食物・喫煙・加齢・遺伝による歯の黄ばみを、歯を削ることなく白くする治療法です。
ホワイトニングには、主に3つの方法があります。
クリニックホワイトニング
歯科医院や専門サロンで行うホワイトニングを「クリニックホワイトニング」といいます。
専用の薬液を歯に塗布し、光を照射することで効果を高めます。
一度の施術で白さを実感しやすいものの、色戻りが早い傾向にあります。
そのため、白さを持続するには定期的に施術を受ける必要があります。
ホームホワイトニング
ご自宅で行うホワイトニングを「ホームホワイトニング」といいます。
歯科医院で作製したマウスピースに専用のホワイトニング剤を入れて、毎日一定時間装着します。
薬剤を歯の内部までじっくりと浸透させるため、クリニックホワイトニングに比べて白さが長持ちしやすいのが特徴です。
ただし、十分な効果を得るには継続的に行う必要があるでしょう。
デュアルホワイトニング
歯科医院で行うクリニックホワイトニングと、ご自宅で行うホームホワイトニングを併用する方法を「デュアルホワイトニング」といいます。
短期間で理想の白さを実現でき、白さも長持ちしやすいのが特徴です。
ただし、2種類のホワイトニングを併用するため費用が高くなる傾向にあります。
この項目では、ホワイトニングの種類とその特徴についてお伝えしました。
しかし、ホワイトニングはすべての人が必ず受けられる治療ではありません。
次項では、「ホワイトニングができない人」「ホワイトニングの効果が出ない歯」についてみていきましょう。
ホワイトニングができない人とは?
ホワイトニングができない、あるいは難しいケースは以下のとおりです。
①虫歯・歯周病がある
虫歯や歯周病がある部分にホワイトニング剤が触れると、痛みを感じることがあります。
とくに歯ぐきに出血や痛みがある状態でホワイトニングを行うと、症状が悪化する可能性も考えられます。
そのため、まずは虫歯や歯周病の治療を優先し、口腔内を健康な状態に整えましょう。
②18歳未満
18歳未満の方は歯が成長段階であるため、ホワイトニングは一般的に推奨されていません。
理由としては、ホワイトニング剤が乳歯や生えたばかりの永久歯にダメージを与える可能性があるからです。
③知覚過敏がある
「知覚過敏」とは、冷たい・甘い・熱いといったものに反応して痛みを感じる状態を指します。
ホワイトニング剤には刺激があるため、知覚過敏がある方が使用すると強い痛みを伴うことがあります。
ただし、ホワイトニング剤の濃度を調整することで施術が可能な場合があるため、まずは歯科医院に相談しましょう。
④妊娠中・授乳期間中
妊娠中・授乳期間中のホワイトニングは推奨されていません。
薬剤により胎児や乳児に影響を与える可能性があるほか、ホルモンバランスの変化により虫歯や歯周病のリスクが高まることも推奨されない理由のひとつです。
⑤無カタラーゼ症
体内で「カタラーゼ」という酵素を生成できない病気のことを「無カタラーゼ症」といいます。
このカタラーゼは、体内で発生する過酸化物を無害な物質に分解する働きを担っています。
ホワイトニング剤には過酸化水素が含まれており、通常であれば体内で分解されるため大きな影響はありません。
しかし、無カタラーゼ症の方は過酸化水素を適切に分解できず、体にダメージを与える可能性があるため、ホワイトニング治療は不可能とされています。
⑥光線過敏症(光線アレルギー)
光や日光に反応して赤み・かゆみ・腫れといった炎症が起こる病気のことを「光線過敏症(光線アレルギー)」といいます。
一般的にクリニックホワイトニングでは、ホワイトニング剤とブルーライトを併用して治療を進めます。
光線アレルギーのある方は、このブルーライトに反応してアレルギー症状が出る可能性があります。
そのため、光線アレルギーのある方はブルーライトを使用しないホワイトニング方法を選ぶ必要があるでしょう。
ホワイトニング効果が出にくい歯
ホワイトニングを行っても、すべての歯に効果が出るわけではありません。
ホワイトニング効果が出にくい歯には、以下があげられます。
①神経を失った歯
歯の神経を除去していたり損傷していたりすると、歯の内部にある物質が変色することがあります。
この変色は、通常のホワイトニングで改善することが困難です。
②詰め物・被せ物
ホワイトニング剤は天然歯にのみ効果を発揮します。
そのため、詰め物・被せ物・差し歯といった人工物はホワイトニングで白くすることはできません。
③テトラサイクリンによって変色した歯
テトラサイクリンとは、さまざまな感染症に用いられる抗生物質です。
この抗生物質を幼少期に服用すると、歯が着色したり、エナメル質の形成不全を引き起こしたりする場合があります。
テトラサイクリンによる変色は歯の内部に起因するため、ホワイトニングで効果を得ることは難しいでしょう。
④歯にヒビが入っている
歯にヒビが入っている場合、基本的にホワイトニングを行うことは推奨されていません。
理由は、割れた部分からホワイトニングが内部に浸透し、強い痛みを感じることがあるからです。
また深いヒビが入っている場合、ホワイトニングによって歯の神経に炎症を引き起こす可能性もあります。
ホワイトニングができない場合の代替方法
ホワイトニングができない、あるいはホワイトニングをしても効果が出にくい歯がある場合でも、歯を白くする方法は存在します。
ここでは、ホワイトニングの代替手段として5つの方法を紹介します。
①歯科医院でクリーニングを受ける
歯科医院でのクリーニングは、歯を白くするというよりも歯の表面の汚れを取り除くものです。
紅茶やコーヒーといった飲食物などによる着色汚れを除去することで、歯を本来の白さに近づけることが可能です。
②ラミネートべニア
「ラミネートべニア」は、歯の表面のエナメル質をわずかに削り、その上に薄いセラミックの板を貼り付ける審美治療です。
この方法は歯をほとんど削らず、自然で美しい仕上がりを得ることができます。
さらに、セラミックを使用するため変色が起こりにくく、審美性を保てるといったメリットもあります。
③オールセラミッククラウン
「オールセラミッククラウン」は、歯を全周削り、その上にセラミックの被せ物を装着する方法です。
歯の色や透明感を細かく調整できるため、高い審美性を実現できます。
また、セラミックは経年劣化しにくく、長期間使用できるとされています。
④ホワイトコート
「ホワイトコート」は歯科専用の白いプラスチックを歯の表面に塗って白くする方法で、歯のマニキュアとも呼ばれています。
一度の施術で歯を白くすることができ、銀歯や差し歯にも対応が可能です。
ただし、ホワイトコートの効果は1~3ヶ月とされています。長期間、白さを維持したい場合は定期的なメンテナンスが必要です。
⑤ウォーキングブリーチ
「ウォーキングブリーチ」とは、外傷や虫歯によって神経を失った歯に対して行うホワイトニング法です。
歯の内部に高濃度の漂白剤を入れ、内側から白くしていきます。
まとめ
今回は、「ホワイトニングの概要」「ホワイトニングができない人・歯」「ホワイトニングの代替方法」について解説しました。
ホワイトニングはすべての方が受けられる施術ではありません。
しかし、ホワイトニングができない場合でも歯を白くする方法はあります。
まずは歯科医院に相談し、ご自身に合った治療法を見つけましょう。