顎がカクカク鳴る顎関節症、矯正で治る?

「顎がカクカク鳴る」「口が開きにくい」「口を開けると顎が痛む」などは顎関節症の症状で、虫歯や歯周病と並び、多くの方が悩んでいます。

顎関節症の初期症状は、口を開ける時にカクカク鳴る程度ですが、症状が悪化すると、口を開けると顎が痛い、口が大きく開かないなど日常生活に影響が出てしまいます。

今回は顎関節症に悩んでる方に向けて、矯正治療をしたほうがいいのか解説していきます。

顎関節症とは

まず顎関節症について簡単にお伝えします。

顎関節症は、顎関節やそれを動かしている筋肉に痛みや動きの制限が生じる病気です。よくある症状として、顎がカクカク鳴る、口を開けると顎が痛い、口を開けにくいなどがあります。

噛み合わせの不具合や歯ぎしり・食いしばりをすることで顎に強く負担がかかり、顎関節症を引き起こすことがあります。

顎関節症は男性より女性に多く、2倍〜8倍という報告もあり、20代~50代で発症することが多いとされています。

ほとんどの場合、症状が出ても一時的で、セルフケアや対処療法で改善しますが、中には難治化する方もいます。

また、顎関節症は顎を支えている関節の異常ですが、症状が顎だけとは限りません。

頭痛や首の痛み、腰痛などの不定愁訴(検査しても原因が分からない不調)を引き起こすこともあり、顎からの症状とは気づかずに整形外科を受診する方もいます。

顎関節症の原因になる歯列不正

顎関節症は歯並びや噛み合わせの悪さが原因で起こることがあり、特に一部の歯に負担がかかっている歯並びの場合はリスクが高いと考えられています。

開咬(かいこう)

開咬は、奥歯で噛み合わせた時に、上下の前歯が噛み合わず隙間がある歯並びです。
舌を前に出す癖や指しゃぶりの期間が長いとなりやすい歯並びで、前歯で物を噛みにくいとされています。
奥歯でしか噛むことができず、その分の負担が顎にかかり、顎関節になりやすい歯並びです。

過蓋咬合(かがいこうごう)

過蓋咬合は、上の前歯が下の前歯に大きく被さる歯並びです。
開咬と同じで前歯が噛み合わず、重症だと上の前歯の裏側や歯茎に下の前歯が当たってしまうこともあります。
乳歯列の時に大きな虫歯ができてしまい、歯を早く失ったことで奥歯が十分に成長するスペースがなかったことが考えられます。
根元が当たることで顎関節の動きが制限され、顎の関節に痛みを生じることがあります。

交叉咬合(こうさこうごう)

正しい噛み合わせ・歯並びは、上の歯が下の歯より外側にあり少し下の歯を覆いますが、交叉咬合は、顎のずれなどで下の歯の一部が外側に出ている状態です。

一部が外側に出ていることによって、噛み合わせのバランスが崩れてしまい、顎関節に負担がかかりやすくなります。

その他の顎関節症になる原因

顎関節症になる原因は歯列不正だけでなく、ほかにもさまざまな要因が絡んでいる場合があります。

歯ぎしり・ 食いしばり

歯ぎしり・食いしばりは、自覚症状がなく無意識に行っていることも多いです。特に就寝中は無意識なので、食事などで噛む時にかかる圧力と比べて2~4倍あるといわれています。
体重以上の力が顎関節にかかるため、特定の歯や顎に強い力がかかり、顎関節症のリスクが高まります。

食いしばりはスポーツなどで瞬間的にぐっと力がかかるだけでなく、ストレスや集中している時にしていることもあります。
意識すれば改善しやすいので、緊張状態の時に食いしばりをしないように意識しましょう。
また、食いしばりによる顎や歯へのダメージを和らげるマウスピースもあるので、スポーツ中や食いしばりのコントロールが難しい場合には、マウスピースを使用して歯や顎を保護しましょう。

日頃の習慣

パソコンやスマホを長時間使用している方は前傾姿勢になりやすく、猫背になりやすいといわれています。
猫背を長期間続けていると、頭が前に傾き、顎の位置も自然と前方に移動するため、顎関節に負担がかかりやすくなります。

また、噛み合わせのバランスが悪く噛みにくいことで、同じ側ばかりで噛む習慣がついてしまうことも少なくありません。
そうすると、左右のバランスが偏り、噛む時に顎を動かす筋肉「咀嚼筋(そしゃくきん)」が緊張しやすくなり、顎関節に負担がかかります。
そのため、左右バランスよく咀嚼して食事をすることが理想的です。

他には、頬杖や横向きで寝る(毎回同じ向き)、うつ伏せ寝なども顎に負担がかかるため、顎関節症になりやすいといわれています。

ぶつかったり交通事故などで強い力が加わった

スポーツや交通事故などで強い力がかかり外傷となった場合、顎関節に負担がかかって顎関節症になる場合があります。

顎関節の関節円板の転位が起こっている

顎関節は頭側と顎側の間に「関節円板」がクッションの役割をして動きますが、その関節円板の位置がずれてしまうことがあります。そうすると、顎関節に痛みや開口障害、がくがくという音などさまざまな症状を起こします。

関節円板がなぜずれてしまうのかは、明確な原因は分かっていません。

筋肉の過緊張

首や肩が凝っている、口周辺の口輪筋などの筋肉が固いといった過度な緊張があると、顎関節に負担をかけてしまうことがあります。
筋肉の緊張は、噛み合わせのずれや悪い生活習慣から起きることもあるといわれています。

顎関節症は矯正治療で治る?

顎関節症の原因によっては、矯正治療をすることで顎関節症の症状が緩和されることがあります。
しかし、噛み合わせ以外が原因で顎関節症になっている場合には、改善されないこともありますので、その原因を特定して対処することが大切です。

歯ぎしり・食いしばりは、歯列不正による噛み合わせのずれから起きるともいわれているので、矯正治療をすることで改善する可能性があります。

また、頬杖やうつぶせ寝などの外的圧力によって顎や歯並びの歪みが起き、噛み合わせがずれた場合も、矯正治療で歯並びを整えると改善する場合があります。

ただ、歯並びが悪くなった原因である頬杖やうつ伏せ寝をやめない限り、また歯列不整になる可能性もあるため、根本的な原因を改善する必要があります。

まとめ

顎関節症は、歯並び・噛み合わせの悪さだけでなく、さまざまな要因が重なって起こります。

歯並び・噛み合わせが原因の場合には、治療をすることで顎関節症状が落ち着く場合もありますが、顎関節症の直接的な改善に繋がらないこともあります。
歯並び・噛み合わせ以外が原因の場合、根本的な要因が改善しない限り、矯正治療をして一時的によくなっても再発することも考えられます。

そのため、何が原因か、他にも要因はないかなど、さまざまな角度から原因を探ったり、治療を行う必要があります。
とはいえ、矯正治療をして噛み合わせのバランスが整うことで口周りの緊張が緩和され、顎周りの筋肉も緩むことがあります。

また、歯並びが整うと顎関節症が改善するだけでなく、汚れが落としやすく、虫歯や歯周病のリスクを軽減することも可能です。

矯正治療は顎関節症の解決策の一つとなりますので、たかが顎関節症と考えるのではなく、一度歯科医院で相談しましょう。

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