インプラント・矯正治療を始める前に知っておきたいこと ◆第一回◆
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インプラント・ブリッジ・入れ歯…その違いと選び方 〜河合 毅師〜
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永久歯が欠損すると、補綴方法として歯科医師より三種類提案されます。
[1]インプラント
手術を行い欠損部に人工歯根を埋入します。自然な歯並び、天然歯と同等の見た目、噛み心地を得られます。両隣の歯にも影響ありません。
[2]ブリッジ
自分の歯と比べても食感や味覚にあまり差はないが、橋脚となる健康な歯を削らなくてはならない。少ない本数で広範囲を支えるため支えている歯に負担が生じて悪い状態になることがある。清掃が難しい…などの欠点があります。
[3] 入れ歯
比較的簡単に治療できますが食後の取り外し渡船場雨は必須。固いものや粘りのある食べ物には対応しづらい。臭いや汚れがつき易い。味覚が変わる。見た目が悪いという欠点があります。
−− 以上、それぞれに利点・欠点がありますが、抜歯直後でまだ親知らずがある場合はレントゲン上で適合の可能性を判断した上で、自家歯牙移植という方法もあります。これは自分の親知らずを抜歯して欠損部分に移植するので、成功すればインプラントと同等の状態で噛めるうえ、周囲への影響もないので非常に良い治療と言えます。
自分の歯に最もよく、噛んだ感じも自然なのは、“第三の歯”と呼ばれているインプラントですが、上顎骨の場合は、上顎洞と呼ばれている鼻の奥にある空洞までの距離が近かったり、下顎骨の場合は、下歯槽神経という神経管までの距離が近かったりすると、インプラントの埋入が困難となりリスクを伴いますので、インプラント専門医に相談するか、ブリッジか入れ歯を選択することになります。ブリッジはその名の通り橋をかけるわけですから橋脚となるしっかりとした歯が必須で、その本数が足りなかったり脆弱だったりするとブリッジの適応症ではなくなり、入れ歯しか選択肢が残らない場合もあります。インプラントは保険適用外ですが、ブリッジや入れ歯は、保険適用のものとそうでないものがありますので、選択基準の一つの要素になってくると思います。
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矯正に抜歯は必要か? 〜藤田 博紀〜
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矯正治療を希望される方の多くは叢生(そうせい/歯が混み合って生えている)、出っ歯、受け口の改善が目的ですが、これらの症状の改善にはスペースが必要です。そのスペース確保には、
①歯列弓を外側へ拡大
②抜歯(通常は前から4番目か5番目の小臼歯)
③歯と歯の間を少しずつ削る
−−等が考えられます。しかし例えば、受け口の場合ですと、下顎を基準として上前歯を外側に拡大する方法と、上顎を基準として下前歯を内側へ引っ込める方法があり、引っ込める場合にはその程度に応じて抜歯が必要になります。その方法によって口元で具合が異なってくるので、最近ではシミュレーションソフトを用いて治療方針を決めていくのが一般的です。矯正に抵抗感のある方は多いと思いますが、抜歯や外科的に顎骨削除をしない限り大幅に口元を引っ込めることはできないという認識のもと矯正治療を検討されたほうが良いと思います。
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執筆者紹介
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●河合 毅師(かわい たけし):アトラスタワー歯科 インプラントセンター長 / 印西総合病院総合歯科センター インプラント科 科長 / 東京大学医学部付属病院 顎口腔外科 臨床登録医 / 厚生労働相認定歯科医師臨床研修指導医 / 2003 東京医科大卒 歯学博士(口腔外科専攻)/ 2009 中目黒インプラントセンター長(アトラスタワー歯科内)
●藤田 博紀(ふじた ひろき):アトラスタワー歯科 院長 / 厚生労働者認定歯科医師臨床研修指導 / 1987 広島大学歯学部卒 / 1993 フジタ歯科開業 / 2009 アトラスタワー歯科開業
●山手会 アトラスタワー歯科
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