インプラント・矯正治療を始める前に知っておきたいこと ◆第六回◆
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インプラントと入れ歯の組み合わせ 〜河合 毅師〜
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総入れ歯や部分入れ歯をお使いの患者様の中にも、入れ歯が外れ易いとか、固いものが噛めないなど様々な悩みを抱えていらっしゃる方が多く見受けられます。だからといって欠損部すべてをインプラントにしたりせず、現在の入れ歯を安定させることができるインプラントを希望される方も多くおられます。そういった患者様に最適なのがインプラントオーバーデンチャー(以下IOD)です。IODとは、インプラントの上に入れ歯を製作していく方法です。
入れ歯は粘膜や残存歯で支えますが、IODは入れ歯でありながらインプラントで支えますので、通常の入れ歯よりも支持性が上がり良く噛めるようになるのが最大の利点です。また、入れ歯の構造もシンプルで、修理などがしやすいことも臨床で多く使われている理由です。粘膜で支える入れ歯には噛む力に限界が生じますが、インプラントを用いれば、物を噛む力を上げるだけでなく残存歯を保護するうえで非常に有効な手段ともなります。IODは総入れ歯から、部分入れ歯まで適応範囲は広く、その患者さんの欠損状態によって入れ歯のデザインをし設計を立てます。従って、成功の鍵は、その設計・デザインそして噛み合わせの調整です。IODの種類として 主に以下の4種類が挙げられます。
①バーオーバーデンチャー:インプラントの上にバーで橋渡しを造り連結、そのバーと義歯内面の脱着装置で取り外します。
②ボールアバットメントオーバーデンチャー:義歯とインプラントの接合面をボールで固定するタイプです。①よりインプラントの埋入本数は少なくできますが、維持はやや劣ります。
③マグネットオーバーデンチャー:義歯とインプラントをマグネットで固定するタイプです。脱着が容易で本数も少なく磁力により②より安定性は得ることができます。
④オールオン4:4本のインプラントで義歯全体を固定するインプラントです。安定はしますが固定式のため、清掃性はやや不良、噛み合わせの調整もかなり難しいため、術者の技量が要求されます。
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矯正によって 何故、歯が動くのか 〜藤田 博紀〜
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歯は、歯肉の中で、歯槽骨という頑丈な骨によって支えられ、歯と骨の間には歯根膜という繊維質のクッションがあります。矯正器具を用いて歯に力を加えることにより、動かしたい側の歯根膜が圧迫され縮み、反対側の歯根膜は伸びます。歯根膜の繊維はある一定の幅を維持しようとするため、歯根膜が縮んだ部分には「破骨細胞」と呼ばれる細胞が出現し、骨を破壊して歯が動くスペースをつくり、歯根膜が幅を一定に保つのを助けるわけです。逆に歯根膜が伸びた部分では、「骨芽細胞」と呼ばれる細胞が出現し新たな骨を作ってくれます。矯正治療はこのような骨の代謝機能を利用して歯を動かすため時間がかかるのです。
▶歯の後戻りを防ぐ保定段階
矯正治療によって望ましい位置に移動させた歯は、矯正装置を外すと再び元に戻ろうとしてしまいます。歯が動いて到達した“新しい場所”というのは柔らかい土壌に木を植えかえたようなものです。その場所の土が固まり根が張るまでサポートする(歯の後戻りを防ぐ)必要がありますが、それを保定といい、治療の流れにおいては仕上げにあたる重要な段階です。
矯正治療では、歯が綺麗に並び保定段階に入った時が第二のスタートという位の気持ちで取り組んで頂きたいと思います。
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執筆者紹介
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●河合 毅師(かわい たけし):アトラスタワー歯科 インプラントセンター長 / 印西総合病院総合歯科センター インプラント科 科長 / 東京大学医学部付属病院 顎口腔外科 臨床登録医 / 厚生労働相認定歯科医師臨床研修指導医 / 2003 東京医科大卒 歯学博士(口腔外科専攻)/ 2009 中目黒インプラントセンター長(アトラスタワー歯科内)
●藤田 博紀(ふじた ひろき):アトラスタワー歯科 院長 / 厚生労働者認定歯科医師臨床研修指導 / 1987 広島大学歯学部卒 / 1993 フジタ歯科開業 / 2009 アトラスタワー歯科開業
◼山手会 アトラスタワー歯科
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