歯の矯正はいつ始めるのがいいの?適切な開始時期や期間についてご紹介
歯の矯正をいつから始めたらいいか悩んでいる人は多いのではないでしょうか。
歯並びが悪いと食べ物がよく歯に詰まったり、人前で口を開けるのがはずかしいといったコンプレックスを感じることもあるでしょう。
この記事では、歯の矯正を考えている人に向けて適切な開始時期や、治療期間についてご紹介します。矯正をしようと思っている人や悩んでいる人もぜひ、この記事を読んで参考にしてみてください。
矯正時期は早ければ早いほどよい
歯の矯正時期は、可能であれば子どものうちに済ませておくのがよいとされています。子どもが矯正をする際、1期治療と2期治療が存在します。
1期治療とは、まだ永久歯が生えそろっていない乳歯と永久歯が混合している時期に行う矯正治療を指します。年齢でいうと5〜7歳程度から始めることが多く、成長に合わせた治療が可能です。
骨格の成長時期にあたるので、正しくあごを成長させたり、生え替わりを利用して歯並びを管理しやすく、抜歯の可能性を減らしたり骨格を綺麗に整えることも治療目的の一つです。治療期間は基本的に2年程度で、1〜2か月に1回歯科医院に通院します。
一方で2期治療とは、乳歯がすべてなくなり永久歯が生えそろってから矯正を行うことです。2期治療を行う年齢は、12〜13歳から始めることが多く、大人の矯正治療と同様にワイヤー矯正で歯列を整えることが多いです。
2期治療は、1期治療で改善できなかった歯並びや嚙み合わせが悪かった場合に行うため、いきなり2期治療から始めることはできません。よって1期治療を行わず12〜13歳以上で矯正を行う場合は、成人矯正に分類されます。
矯正をするのは早いほうがよいとされるのは、子どもの歯やあごが成長段階のうちに1期治療を行うことで、2期治療をしなくてもよくなる可能性があるからです。
また、1期治療では子どもの成長に合わせて取り外し可能なマウスピースなどの矯正器具を使用することも多く、患者さんの負担が少ないことも特徴です。
1期治療のみで完了すれば負担も少ないといったメリットから、早いうちに矯正を開始することをおすすめします。
矯正を始める3つのパターン
ここからは、矯正を始める時期について3つご紹介していきます。
歯並びが悪く矯正をしたいと考えている人や、子どもに矯正治療を受けさせたいと考えている人は、確認してみましょう。
乳歯だけが生えている時期
矯正を始める時期でもっとも早いのは乳歯列の時期から行うことです。乳歯の生え方やあごの成長状況で、おおよその永久歯の生え方が予想できます。
そのため、将来的に歯並びが悪かったり、嚙み合わせが悪くなったりする可能性が高い場合は、乳歯列の時期から矯正を行い、成長とともに綺麗な歯並びになるよう治療を行います。
矯正の治療内容は、基本的にあごの成長を管理する拡大装置を使用します。拡大装置を付ける理由は、あごの成長が促進され、口の前後左右のバランスがよくなり永久歯が綺麗に生えやすくなるからです。
気を付けなければならないのが、拡大装置を付けたからといって、必ず永久歯が綺麗に生えてくるわけではないということです。
あごの成長が順調に進めば歯並びがよくなったり、嚙み合わせも整う可能性が高くなりますが、なかには「期待していたものとは違った」という人もいます。
そのため、乳歯列の時期からの矯正を考えている場合は、このようなケースもあることを把握しておくことが重要です。
乳歯と永久歯が混合して生えている時期
次に乳歯と永久歯が混合している時期も矯正が可能です。この時期では、主に次に生えてくる永久歯が正しい位置になるように抜歯を行ったり、歯の移動を行ったりします。
また、この時期の矯正は先に述べたように1期治療と2期治療に分かれていることが特徴です。1期治療では、あごの成長を促進する拡大装置を装着し、これから生えてくる歯のバランスを整えます。
2期治療は主に1期治療を行っても歯並びが悪く、嚙み合わせが改善しなかった場合に行います。また、2期治療では大人と同様にワイヤーを使用した本格的な矯正を行っていくことが1期治療とは異なる点です。
乳歯と永久歯が混合している時期に矯正を行うことで注意しなければならないことは、1期治療と2期治療があるため、比較的治療に長い年月がかかるということです。1期治療だけでよい場合もありますが、そうでない場合は少なくとも2年以上の歳月がかかることを視野に入れておきましょう。
また、1期治療を行う年齢は5〜7歳と、まだ自分で歯磨きが正しくできない時期です。矯正器具を装着しているとさらに歯磨きがしづらくなるため、虫歯にならないように周囲の大人のサポートも重要です。
永久歯だけが生えている時期
永久歯だけの状態で矯正を行う場合は、すでに歯やあごの成長が終了しているため、1期や2期治療はなく、始めから歯列矯正を開始します。ワイヤー矯正が一般的な矯正方法になります。
歯並びの乱れが比較的軽ければ、取り外しができるマウスピース矯正治療も可能です。
しかし、この時期ではすでにあごの成長が止まっていることが多いため、歯並びを整える際にスペースが足りない場合は、抜歯をすることもあります。
また、歯の移動が成長期と比べると遅く、元に戻りやすくなっているため、矯正治療後には後戻り防止の装置をつけるなど、メンテナンスもしっかりと行うことが重要です。
歯の矯正は何歳でも可能
基本的に歯の矯正は、歯・歯ぐき・歯槽骨(しそうこつ)が健康であれば何歳でも可能です。歯槽骨とは、一言でいうと歯の根を支える骨のことを指します。そのため、歯周病がある場合は先に歯周病治療をすすめる必要があります。
また、虫歯がある場合もワイヤーをつけてしまってからでは治療ができなくなってしまいます。
矯正を考えている人は、まず虫歯や歯周病がないか確認し矯正を行うようにしましょう。
矯正期間について
ここでは、子どもと大人で変わる矯正期間についてご紹介していきます。矯正は非常に長い時間が必要になるため、簡単には行えないと考える人も多いのではないでしょうか。
どのくらいの矯正期間になるのか把握し、無理のない矯正スケジュールを立てることが重要です。
子どもの場合
子どもが矯正をする場合は、一般的に1期治療と2期治療に分けられ、1期治療の期間は1〜2年程度、2期治療の期間は3〜4年といわれています。
そのため、最長で6年間の矯正期間となるため、非常に長い年月が必要になることもあります。矯正期間を縮めるためには日ごろの努力が大切で、器具をしっかり装着したり定期的に歯科医院に通院したりすることが必要です。
大人の場合
大人の矯正期間は、基本的に1〜3年といわれています。子どもとは異なり、1期治療がないため比較すると短い期間で済むことが特徴です。
しかし、なかには虫歯や歯周病になっている人や歯並びがとくに乱れている人などは、矯正期間が5年以上になることもあります。反対にそこまで歯並びが乱れていない人は部分矯正という手段もあるので、まずは歯科医院でのカウンセリングで最適な矯正方法を確認しましょう。
個人によって矯正期間に差があるため、ご紹介した矯正期間はあくまで目安程度に覚えておきましょう。まずは歯科医院で診断してもらい、どのくらいの矯正期間になるか確認することをおすすめします。
焦らず自分にあった時期に矯正をするのが重要
この記事では、矯正を始める時期や必要な期間などについてご紹介してきました。矯正は長い時間が必要で、簡単にできる治療ではありません。
矯正治療は初めの1回が大切です。まずは、専門家であるドクターの説明をよく聞き、自分にあった矯正治療について確認することから始めましょう。