インプラントの治療期間はどれくらい?治療期間の目安を徹底解説
「インプラントの治療ってどれくらいの期間がかかるの?」
「インプラントの治療のために歯科医院に何回通院する必要があるの?」
インプラントの治療期間は個人差がありますが、欠損部分を補う他の治療よりも長いでしょう。
この記事では、インプラント治療にかかる期間の目安、治療の流れ、治療が長引く人の特徴などをまとめています。
ブリッジや入れ歯も気になるけれど、インプラントも考えたい方はぜひ読んでみてください。
インプラント治療の平均期間は?
インプラントの治療期間は歯の部位や口腔内の健康状態などさまざまな条件で異なります。
インプラントの治療期間は平均的には3ヶ月から1年ほどです。手術自体は1〜2日と短いのですが、インプラントと骨の結合に時間がかかります。結合は3〜6ヶ月かかると見込んでください。
インプラントの治療期間は個人差があるので、歯科医師とのカウンセリングの際に確認することをおすすめします。
インプラント治療の流れと、それぞれの工程でかかる期間
インプラント治療の流れは下記の通りです。
- カウンセリング・治療計画の立案・精密検査
- インプラント手術
- アバットメントと人工歯の装着
- メンテナンス
それぞれの工程と、かかる期間についてご説明します。
Step1:カウンセリング・治療計画の立案・精密検査
まずは歯科医師による問診・カウンセリングが行われ、下記のような事項を確認します。
- 全身の健康状態の確認
- 喫煙の有無
- 歯の病気の有無
- 残存している歯と顎の骨の確認(レントゲン撮影)
- 費用・治療方法・通院期間の説明
これらの工程は1度の通院では完了しないことが多いです。2〜3回ほど通院して時間をかけて行うため、2〜3週間ほどの期間が必要になるでしょう。
また、この期間中に口内の歯周病や虫歯といった問題が見つかった場合は、インプラント手術に入る前にこちらの治療を先に行います。
Step2:手術
インプラント手術は1回法と2回法の2種類あり、基本的に1〜2日で終わります。
手術後に骨とインプラントが結合するまでの平均期間は下顎3ヶ月、上顎は6ヶ月です。
1回法
1回法とは手術を1回で終わらせる手術方法です。手術後には、インプラントが粘膜の上に露出することになります。手術を短くして精神的・身体的負担をかけたくない人におすすめです。
2回法
2回法とは手術を2回かけて行う手術方法です。手術後にはインプラントが粘膜に覆われるという特徴があります。下記の方は2回法をおすすめします。- 高い感染リスクがある人
- インプラント露出時に、外部からの力によって骨との結合が妨げられるリスクが高い人
Step 3:アバットメントと人工歯の装着
骨とインプラントが結合したら、アバットメントを装着します。アバットメントとは、人工歯とインプラントをつなぐ土台のような役割を果たす装置です。
アバットメントを装着してみて、問題がなければ人工歯の装着に移ります。人工歯の装着の前に型取りがあるのですが、型取りから装着までは約1〜3週間です。
Step4:メンテナンス
人工歯を装着したら終わりではありません。その後も定期的なメンテナンスを受ける必要があります。2〜3ヶ月に1回通院することが一般的です。
インプラント治療後も、きちんと口内環境を整えたり歯磨きをしないと、天然歯と同様に歯周病を引き起こすことがあります。最悪の場合、顎の骨を溶かしてしまうため、インプラントが安定せず脱落してしまいます。
そういったことを予防するためにも、メンテナンスが重要です。
インプラントの治療期間が長引く要因
続いて、インプラントの治療期間が長引く人の特徴や要因についてご紹介します。
顎の骨量を増やす治療が必要
重度な歯周病を患っている、歯が割れていた、根の先端に膿が溜まっていたなど、顎の骨量が少なくなっていたり、元々骨量が少ないという方もいます。その場合、インプラント手術に入る前に人工骨の埋入手術や造骨治療といったプロセスを挟む必要があるため、治療期間が長引きます。
この治療は4〜5ヶ月ほどかかるでしょう。
歯茎の移植手術が必要
重度な歯周病を患っている場合、歯茎が下がったり、痩せてしまうことがあります。
このような状態だとインプラントを安定させることが難しくなるため、歯肉を移植させる手術が必要です。
移植後に歯肉が安定するのを待つ必要があるため、治療期間が長くなります。
歯周病など歯の病気がある
インプラントの治療を開始する前に、歯科医師による問診やカウンセリングがあり、歯の病気の有無を確認します。
この段階で、虫歯や歯周病といった歯の病気が見つかった場合、インプラントの治療よりも先に、これらの治療が優先して行われることが一般的です。
これは、歯の病気を先に治療しておくことで、口の中の細菌数を減らすことができるため、後ほど行うインプラント手術の成功率を上げることにつながるからです。
ヘビースモーカーの方
ヘビースモーカーの方の場合、血流に問題があることが多く、このような方がインプラントの治療を受けてしまうと、最悪の場合、出血が止まらない、腫れがひかないといったことが起こります。
そのため、ヘビースモーカーでインプラント手術を考えている方は、早めに禁煙するようにしましょう。
インプラント治療期間の食事
インプラント手術後に食事をしても大丈夫ですが、その内容には気を付けなくてはいけません。
ここでは、インプラント手術後の飲食物で注意すべき点について解説します。
術後の食事の注意点
術後はまだ麻酔が残っていて痺れを感じていたり、手術をした箇所の細菌感染のリスクから、極力インプラント手術を行った歯とは反対側の歯を使って食事をとりましょう。
術後2〜3日は、雑炊、ヨーグルト、ゼリーなど柔らかくてあまり噛む必要がないメニューがおすすめです。
控えるべき飲食物
インプラント手術後に控えるべき食べ物は下記の通りです。
- 固い食べ物:ナッツやアーモンド類、フランスパン、飴、氷
- 刺激の強い食べ物:ワサビ、辛子、辛い食べ物
- アルコール類
これらの飲食物を術後にとってしまうと、出血や腫れを悪化させてしまったり、人工歯が割れてしまう要因にもなるので気をつけてください。
インプラントの治療に関するFAQ
最後に、インプラント治療に関するよくある質問とその回答をまとめます。
インプラントの治療で歯がない期間はあるの?
2回法で手術を受ける方はこのような不安があるかもしれません。1回目の手術でインプラントを埋め込み、2回目の手術で人工歯を装着します。1回目と2回目の手術の間は歯がないと思われがちですが、仮歯を使います。
ワンデイインプラントや即時負荷のインプラントで治療期間は短くなる?
はい。これらの治療法は従来のインプラント治療とは異なり、手術を受けた日に仮歯や人工歯を装着してしまいます。
治療期間は2〜4ヶ月と非常に短くなるため魅力的でしょう。しかし、リスクや術後に気をつけるべきことなどがあるので、詳しくは歯科医師に聞いてみましょう。
前歯と奥歯でインプラント治療の期間や費用に違いはある?
前歯と奥歯で治療期間や費用に違いがあるということはありません。
しかし、前歯のインプラントは奥歯と比較すると、骨再生のための治療や歯茎が下がることによる露出といったリスクがあります。そのため仮歯の期間に歯茎の移植術を行い、歯茎が安定した状態になってから最終的な人工歯を入れることをおすすめします。
まとめ
インプラントの治療期間は比較的長いと言えるでしょう。
非常に根気のいる治療になりますが、ブリッジや入れ歯よりも長持ちし、しっかりと自分の歯のように噛めるといったメリットもある治療です。まずは当院の歯科医師と問診やカウンセリングをしてインプラントが必要かどうか、適しているかを判断しましょう。