インビザラインが壊れた!なくなった!そんな時の対処方法
インビザラインは、マウスピース型矯正装置のパイオニア企業である、米国アライン・テクノロジー社が提供する商品(サービス名)です。
マウスピース矯正といえばインビザラインをまず耳にする方も多いのではないでしょうか。この他にもスイスのストローマンが製造しているクリアコレクト等も日本で有名になってきています。
歯列矯正といえば昔からワイヤー矯正が主流ですが、今では矯正の程度や患者さんの希望によって矯正方法にも選択肢が増えています。
マウスピース矯正もそのひとつで、インビザラインは特に有名で、日本の歯科医院でも取り扱いが多くなっている状況です。
ところで、ワイヤー矯正は口内にワイヤーががっしりと張られていて、もしワイヤーが切れた、口内の調子が悪いなどの異常があればすぐに歯科医院に相談すれば良いことは分かります。
インビザラインの場合はどうしたら良いのでしょうか?
マウスピースも扱い方によっては、壊れてしまったり、なくしてしまったりといったことが起きるかもしれません。
この記事では、インビザラインの基本とともに、インビザライン治療中の困った時の対処方法などもご紹介していきます。
マウスピース矯正とは
インビザラインやクリアコレクトも含めて、新たな歯列矯正方法として注目されているのがマウスピース矯正です。
スポーツの際に、力を込めたりショックがかかった際に口内を痛めないようにマウスピースを装着しますよね。同じマウスピースでも、マウスピース矯正では透明な薄いマウスピースを歯に被せることで矯正を行っていきます。
歯は、隙間があると埋めるように動いていく性質があります。
マウスピース矯正では、その性質を利用しながら、理想の歯並びへと緩やかに歯を動かしていく仕組みです。歯に「あなたの正しい位置はここですよ」と教えていくようなイメージです。
そのため、矯正のゴールをイメージして、数十枚のマウスピースが最初に作られます。期間ごとに歯が動いた想定で変えていくためです。矯正の程度にもよりますが、一般的に20枚ぐらい、多い時には100枚程のマウスピースが必要になるといわれます。
これでは、保存している間になくなってしまった!
といったトラブルも考えられそうです。
マウスピース矯正は急激に市場を拡大しています。
どこに魅力があり、また、欠点があるとしたらどこでしょうか。
マウスピース矯正のメリット・デメリットをまとめていきましょう。
マウスピース矯正のメリット
前述しましたが、マウスピースは透明に近い装置です。
ワイヤー矯正と比べて大きなメリットとなるのは、見た目の良さともいえるでしょう。
- 見た目が良い(矯正していると周囲に気づかれにくい)
- 装着時間を守れば、食事も歯磨きも普段通りに行える
- 痛みが少ない
- 多くのサービスがあり選択肢の幅が増える
治療中の見た目については、ワイヤー矯正も最近では装着器具のブラケットとワイヤーを、白色や目立ちにくい色にして行う方法も増えてきています。また、歯の表面ではなく、裏側にワイヤーを装着する矯正方法もあります。こうすると装置は見えにくいですが、舌にあたって違和感が強いなどのデメリットも生じます。
マウスピース矯正の装着時間は、一日20時間程度です。食事や歯磨きの時には外せますが、その他の時間はしっかりと装着しなければなりません。
痛みは個人差が大きいものですが、ワイヤー矯正と比較すると、歯の移動が緩やかな分、痛みも少ないと感じる方が多いようです。
デメリットで後述しますが、適用できる矯正の範囲にもよるため、比較的軽度の矯正であれば痛みが少ないといえるでしょう。
また、インビザラインがマウスピース矯正では最大手ですが、多くの企業が参入してきているのもマウスピース業界の特徴です。
サービスも様々で、若者をターゲットにした場合は、費用や期間のコストダウンに努める等の工夫も見られます。
マウスピース矯正のデメリット
メリットばかりに目がいってしまうマウスピース矯正ですが、デメリットは以下のとおりです。
- 比較的軽度の矯正にしか対応できない
- マウスピースの交換が自己責任
項目数は少ないですが、軽度の矯正にしか対応できないというのは最大のデメリットといえるでしょう。
例えばですが、抜歯が必要な歯列矯正をする場合にはマウスピース矯正では対応できません。
また、マウスピース矯正はワイヤー矯正に比べると装置が柔らかめなので口内を痛めないといわれますが、お口の中の環境は患者さんによって異なります。虫歯ができやすい口内環境の方であれば、自己管理の時間が長いマウスピース矯正が向かないなどもデメリットになりえます。
自己管理という言葉が飛び出しましたが、マウスピース矯正の装置の着脱・期間ごとの装置の交換は全て自己管理です。口内に装着するものですから、マウスピースも洗浄が必要ですし、毎日20時間の装着を守るなど、やや決まりに縛られる印象もあります。
歯科医院に頻繁に行かなくても済む一方で、お口の状態も矯正の進行も自分で管理しなければマウスピース矯正は成功しません。そういった自己管理が苦手な方には不向きな矯正治療かもしれません。
もしインビザラインが壊れたら?
メリット・デメリットを踏まえ、また、頼れる歯科医師に相談してインビザラインでの矯正がスタートしたとしましょう。
インビザラインは透明なポリウレタン製で、厚みも0.5mm程度しかないのでつけていることを忘れそうな装着感ともいわれます。しかし、逆にいえば強度がありません。わざと力を込めてオーダーメイドの商品を壊すことはないと思いますが、日常生活の中で「もしも」はあるかもしれません。
噛む力が強い方は、マウスピースにひびが入る、穴が開くことなどもあるそうです。
このように日常生活の中でインビザラインが壊れてしまった場合はどうしたら良いのでしょうか。
まずは、かかりつけの歯科医師に報告と相談をしましょう。
インビザラインは完全オーダーメイドで作られているので、すぐに取り換えがきくものではありません。
しかし、矯正中の患者さんを見守ってくれているのは歯科医師です。
まずは状況をしっかりと伝え、それから指示を仰ぎましょう。
インビザラインをなくしてしまったら?
壊れた時と同様ですが、インビザラインを紛失してしまった場合も、気付いた時点でかかりつけの歯科医師に報告と相談をしましょう。
仮に現時点で使用しているマウスピースではなくて将来的に使うものであっても、気付いた時の報告が一番です。
インビザラインの紛失を防ぐためにも、保存ケースを活用するのもおすすめです。
まとめ
いかがでしたか?
今回はインビザラインの特徴と、困った時の対処法についてまとめてみました。
インビザラインの特徴をじっくり理解し、自分がどのような治療を受けたいのかをきちんと考えた上で、ピッタリ合う治療法を探してみましょう。
インビザラインも数多くある矯正装置のひとつにすぎません。矯正を始めようとなった際には、他にも様々な観点で比較検討することがおすすめです。
治療を始めてから後悔しないためにも、相談の段階で自分の希望や理想はしっかりと伝え、矯正専門・あるいは矯正施術例の多い歯科医師の診断をきちんと受けた上で、装置や治療方針を選んでいきましょう。