インプラントは安全ですか?
歯がなくなってしまった場合、補う方法は下記の3種類があります。
- インプラント
- ブリッジ
- 入れ歯
入れ歯は多くが保険適用で比較的容易に製作できることも要因ですが、インプラントやブリッジの技術が未開拓だったこともあります。
しかし、入れ歯は咀嚼力の弱さや衛生面から使い勝手が悪いと感じている方も少なくない状況でした。
現在では、歯がなくなった場合に入れ歯以外の治療法もあり、その中でも、インプラントに着目して解説していきます。
インプラントとは
そもそも、歯が抜けた場合(抜歯した場合でも同様)、放置しておくとどのようなリスクがあるのでしょうか。
歯は、隙間があると埋めようと勝手に動く性質があります。
仮に歯が一本抜けたら周囲の歯が動き出してしまうため、歯と歯の間に隙間が生じ、虫歯や歯周病のリスクを高めてしまいますし、見た目にも悪くなってしまいます。
歯が抜けた・抜歯した後には必ず歯を補うように治療をしていきましょう。
さて、話を戻して歯を補う治療の一つ、インプラントについてです。
インプラントは、人工歯根を顎の骨に埋め込み、その上に人工の歯をかぶせる手術です。
見た目のきれいな歯の部分をインプラントと呼ぶのではなく、埋め込む金属(多くは医療用のチタン製)をインプラントと呼ぶのです。
人工歯根のため強度があり、咀嚼率も非常に高いため、噛む機能は本来の歯と変わりがありません。
見た目も良いので人気がありますが、デメリットもいくつかあります。
インプラントのデメリット
先にインプラントのデメリットをお伝えしてしまうと、インプラントは麻酔を伴う手術のため、希望してもできない方もいるということです。
インプラントができない方は、
- 重度の金属アレルギーの方
- 麻酔成分に副作用を持っている方
- 心臓疾患などをお持ちの方
- 妊娠中の方
- ヘビースモーカーの方
ヘビースモーカーの方は、口内環境が非常に悪い状態になってしまっています。煙草に含まれるヤニ成分が、虫歯や歯周病リスクを高めてしまうため、生活習慣が変わらなければ手術後の状態を保つことが困難だといわれるからです。
もちろん、インプラント手術をきっかけに生活習慣が改善されていけば問題ありません。
お口の健康・歯の健康な状態を保つためには生活習慣も大事だということです。
金属アレルギーの方は、インプラントは医療用チタン製のためアレルギーは出にくいとされていますが、絶対に出ない訳ではないので不安な方は避けたほうがいいでしょう。
また、インプラントは土台となる顎にも影響を及ぼす手術だとお伝えしました。
そのため麻酔が必須になるので、麻酔成分にアレルギーがある方もインプラント手術はできません。
麻酔は体への負担が大きいため、心臓などに持病や疾患をお持ちの方にはおすすめできません。妊娠中の方ももちろんインプラントの適応対象外です。
そして、インプラントは全額自費治療のためコストの部分も大きなデメリットです。
インプラント治療を希望する際には、歯科医師とよく相談したうえで決めていくことが大切です。
当院ではインプラント治療にも豊富な実績がございます。
また、使用するインプラントのメーカーも多数あるため、患者さんのご希望に沿うようなアドバイスも可能ですので、ぜひ参考になさってください。
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インプラントのメリット
では、インプラントのメリットや魅力はなんでしょうか。
インプラントは人工歯根を土台となる顎に埋め込むため、耐久性が強く、その上にかぶせる人工歯も自然の色合いが選べるため見た目にも美しいです。
「耐久性と見た目の美しさ」がインプラントの最大のメリットといえるでしょう。
歯磨きなども通常と同様に行えますから、お口の状態も健康に保ちやすいのです。
咀嚼率が高いので、食事が普通にできるということも、満足感を高めるメリットといえるでしょう。
インプラントは本当に安全か?
インプラントは歯科治療の中では比較的新しい治療方法です。
インプラントの技術や安全性は日々進歩していますが、お伝えしているように「手術」を伴う治療となるため、リスクがゼロとはいい切れません。
また、手術中だけでなく術後にトラブルが発生することもあります。
耐久性の強さもお伝えしていますが、「本当に半永久的に使用できるのか」と不安を感じる人も多いのではないでしょうか。
ここでは、インプラント治療の具体的なリスクを考えていきましょう。
手術中にトラブルが起こるリスク
インプラント手術の成功率が気になりますね。
歯科医院や歯科医師の経験値、治療する部位などにもよりますが、インプラントは成功率の高い治療法です。
手術中に起こり得るトラブルとしては、以下のようなことが考えられます。
- 神経の損傷
- 血管を傷つける
- インプラントが適切な位置に入らない
神経を損傷した場合には、顎に痺れや麻痺といった症状が出てしまい、リハビリや薬物療法が必要となる場合があります。
また、血管を傷つけた場合には大量の出血なども心配されます。
インプラントが適切な位置に入らないと、咀嚼が十分ではない・痛みや違和感に繋がるでしょう。
上記はあくまで「考えられる例」であり、治療前にしっかりとご自分の健康状態を歯科医師に伝え、不安や心配がある場合には歯科医師と相談しましょう。
また、歯科医師からもリスクについては十分に説明されますから、疑問があれば解決していきましょう。
リスクに関しての説明を怠るような歯科医師であれば、セカンドオピニオンを考えた方が良いかもしれません。
手術後にトラブルが起こるリスク
手術後に起こり得るトラブルとしては、以下のようなことが考えられます。
- 痛みや腫れが引かない
- インプラントが顎の骨に定着しない
- 長持ちしない(耐久力がない)
インプラントを埋め込むために、顎の骨に穴をあける必要があります。その際、穴の大きさや深さが適切かつ患者さんの負担にならない程度でないと、手術後に痛みや腫れが引かない状態が続いてしまいます。
手術後ですから、麻酔が切れてからしばらくは違和感も含め痛みもあるかもしれませんが、長引くようであればすぐに担当ドクターに相談しましょう。
前述した穴の大きさや深さが適切でない場合は、インプラントの定着も悪くなりますから、やはり痛みが残ったり、思った以上の効果が出なかったりが考えられます。
また、長持ちしないという点では、日常の口腔内のお手入れが大切になってきます。
口腔内の環境を清潔に保つことで、インプラントも長持ちします。お手入れを怠って、他の歯が虫歯になったり、歯周病になったりしたら、インプラント自体も長持ちできないでしょう。
術後のケアもしっかりと行うことが重要です。
インプラントはやらない方が良いのか?
インプラントのメリット・デメリットに加え、リスクについてもお伝えしました。
メリット以上にリスクがあるのではないかと心配された方もいらっしゃるでしょう。
歯を失った際に放置してはいけない理由をお伝えしましたが、治療の選択肢はインプラントだけでなく、「入れ歯」や「ブリッジ」もあります。
「インプラントをやらない方が安全だ」という考えよりも、「自分に合った治療方法は何だろうか」と考えていきましょう。
例えば、高齢になれば総入れ歯の方が洗浄液につけるだけで、歯磨きよりも手入れが簡単だと考える方もいらっしゃいます。
両隣の歯が残っていれば、ブリッジが適していると考える方もいます。
そして、入れ歯やブリッジにもメリット・デメリットはあります。
今回はインプラントという選択肢の一つを紹介したに過ぎません。
みなさんの生活スタイルや希望は遠慮せず歯科医師に伝えることが大切です。
まとめ
インプラントについて解説してきました。
口腔内の手術と聞くと不安もありますよね。
正しい知識と、安全性・リスクを考えて選択していきましょう。
歯の健康は一生ものです。
当院でもインプラントの手術例がございますし、ご相談も承っております。
患者さんのご要望にお応えできるように対応して参りますので、インプラントをご検討の際はぜひご相談ください。