マウスピース矯正で後悔?!後悔しないためのポイントとは
大人になってから歯並びをきれいにしたいと思った時、「目立ちにくい」ということを重視して歯列矯正の方法をされる方が多いでしょう。
目立ちにくい矯正装置の一つにマウスピース矯正があり、近年、マウスピース矯正を選択する方も増えている人気の矯正方法です。
しかし、中には「マウスピース矯正をして後悔した」と思う方もいます。
そこで今回、マウスピース矯正治療で後悔しないために、原因や対策についてお伝えします。
マウスピース矯正とは
まずマウスピース矯正について簡単にお伝えします。
マウスピース矯正とは、透明なマウスピース型の装置を使用し、でマウスピースを交換するごとに歯を動かしていく矯正方法です。目立ちにくいため、周囲の人に気づかれずに行うこともできます。そのため、人と会ったり喋る機会が多い仕事の方に人気です。
また、食事や歯磨き時に取り外せること、治療前に矯正後の状態をシミュレーションできる、金属アレルギーの心配がない、といったメリットもあります。
マウスピース矯正を後悔する原因とは
目立ちにくく取り外しができるマウスピース矯正ですが、後悔する原因にはどのようなことがあるのか、様々な原因を1つずつ解説していきます。
装着時間が長い
マウスピース矯正は1日20時間以上装着しなければなりません。矯正開始前にこのことを知っていたとしても、実際に始めると,「ほぼ1日装着している。装着時間が長い」と後悔してしまうようです。
矯正期間が長い
マウスピース矯正で重度の歯並びを改善するには、3年ほどかかる場合があります。
しかし「最初に計画した期間よりも延びてしまった」ということもあり、いつまで続くのかという不安から後悔してしまうことがあるようです。
歯を削る処置が必要になった
マウスピース矯正は歯を抜かずに行うことも多く、その代わりに歯と歯が接している部分を削る処置(IPR)をして矯正をすることもあります。
「抜歯をせずに矯正できる」と思っている方にとっては、歯を削る処置に抵抗感があるかもしれません。
しかし、IPRで削るのは紙数枚分で、ほとんど見た目に変化はありません。また、歯を削ったことで虫歯になりやすくなるといった報告はありません。
痛みがあった
「マウスピース矯正は痛みがないと思っていたのに、痛かった」という方もいます。初めてマウスピースを装着した時やマウスピースを交換した時に、締めつけられるような痛みが出ることがあります。
マウスピース矯正に限らず、どの矯正方法でも歯を動かす時にはある程度の痛みが生じます。その中でも、マウスピース矯正は少しずつ歯を動かしていくため、ワイヤー矯正と比べると痛みが少ないといわれています。
思っていたより費用がかかる
矯正費用は、矯正の装置以外にも、治療前の各種検査料や通院毎の調整料などが必要です。そのため、装置の費用のみを見ていると「思ったより費用がかかる」と後悔する原因になるでしょう。
治療結果に納得がいかなかった
矯正治療を開始する前に、歯科医師とのカウンセリングで仕上がりのイメージを確認し、最終的に求めている歯並びをすり合わせていく必要があります。しかし、希望を上手く伝えられない、歯科医師の説明が曖昧などのコミュニケーション不足によって、イメージしていた歯並びにならなかったと後悔をする方もいるようです。
歯茎が下がった
マウスピースを装着していて歯に過度な負担がかかる、矯正中の口腔内のケアを怠るといったことが原因で、歯茎が下がることがあります。歯茎が下がると、歯が長く見えたり、歯と歯の間に隙間ができて物が詰まりやすくなったりします。
噛み合わせが変になった
出っ歯や八重歯などパッと見た時の目立つ歯並びは改善したが、中心がずれてしまった、奥歯は噛み合うが前歯で以前より噛めなくなってしまったなど、噛み合わせが変になってしまうことがあります。
本来なら全体を動かさないと改善しない歯並びを、部分矯正で済ませた場合などに起こります。
計画した期間内に終わらなかった
マウスピースを無くして作り直した、装置が外れてしまった、放置していたなど、1日20時間以上の装着が守れなかったり定期的な通院ができなかった場合は、最初に計画した治療期間内に完了せず延長しまいます。
治療中に虫歯になった
ワイヤー矯正と違って取り外しができるため、歯磨きがしやすく虫歯になりにくいといわれていますが、日頃からのケアを怠ってしまったり、しっかり汚れを落とさずにマウスピースを装着してしまうと、汚れがマウスピース内に留まり菌のエサになってしまいます。
治療後に後戻りした
矯正治療が終わった後は、動かした歯を固定するために保定期間があります。この期間はリテーナーを装着し、歯が元の位置に戻る「後戻り」を防ぎます。
マウスピース矯正に限らず、どの矯正治療後もリテーナーの装着を怠ると、後戻りしてしまいます。そのため、自己判断でリテーナーの装着期間を決めないようにしましょう。
マウスピース矯正を後悔しないためには
次に、マウスピース矯正を後悔しないために気をつけるポイントをお伝えします。
治療中のルールを守る
マウスピース矯正は、マウスピースを交換していくことで治療が進みます。同じマウスピースを装着し続けても、歯並びはよくなりません。歯科医師の指示に従い、交換時期を守る必要があります。
また、マウスピースは1日20時間以上装着し、つけ忘れや外したままにならないように気をつけましょう。長いと思うかもしれませんが、装着時間を守れないと、最初に立てた治療計画通りに歯が動かず、治療期間が延びてしまいます。
マウスピース矯正の種類によっては、第1大臼歯が生えた6〜7歳頃いわゆる小学校低学年から始められる場合もあります。お子様や自己管理が難しい方がマウスピース矯正を行う場合は、装着時間や交換時期を守るために、保護者や周囲の方によるサポートも重要です。
理想の歯並びを目指すには、ルールを守る努力が必要です。
違和感を我慢しない
マウスピース矯正を始めた頃や、新しいマウスピースに交換したばかりだと、違和感や痛みを感じるでしょう。しかし、症状によっては虫歯や歯周病での違和感や痛みの可能性があります。
「虫歯かもしれない」「噛むと違和感がある」「前回と違う」といった少しでも気になることがあれば、歯科医院に連絡しましょう。
口腔内をきれいに保つ
マウスピースは取り外しができるため、ワイヤー矯正よりブラッシングがしやすいです。しかし、いずれにしても丁寧なケアは重要になるため、歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやデンタルフロスなども使い、汚れを徹底的に取りましょう。
また、装着するマウスピース自体が汚れているのもよくありません。口腔内に長時間装着されるものでもあるため、外した時は歯ブラシなどでさっと磨くようにもしましょう。
信頼できる歯科医院・歯科医師を選ぶ
マウスピース矯正は、口腔内をスキャナーで撮影し、データ処理してくれる会社に送ります。そのデータをもとにシュミレーション画像が作られ、修正等をして3Dモデルを作ります。この3Dモデルをもとにしてマウスピースを作製するのですが、もととなるモデルは歯科医師が作製します。この3Dモデルがうまく作れていないと治療もうまくできません。
また、歯科医師の腕だけではなく、きちんと説明をしてくれるのか、質問がしやすい雰囲気か、治療中のトラブルなどにもどう対応するのか等、治療経験が豊富で信頼できる歯科医師を選びましょう。
治療後は必ずリテーナーを使う
矯正治療が終了した後も、歯が元の位置に戻らないようリテーナーを装着し続けましょう。リテーナーは治療にかかった倍の期間装着すると想定しておいてください。
また、後戻りの予防や歯の状態をチェックしてもらうためにも、矯正治療後も定期検診に行きましょう。
まとめ
マウスピース矯正ではどんな時に後悔するのか、後悔しないためのポイントをお伝えしました。
せっかく始めたマウスピース矯正を後悔したり失敗してつらい思いをしないためには、相談したりコミュニケーションがとれる歯科医師を探すだけでなく、ご自身で丁寧に歯のケアを行ったり、マウスピースの装着時間や交換時期など、自己管理が大切なことがおわかりいただけたでしょうか?
自分で意識して治療に積極的に取り組み、マウスピース矯正で理想の歯並びを目指していきましょう。