歯の色むらを改善する方法はありますか?
歯の色にむらがあり、白い斑点や帯状の模様がでている方はいらっしゃいませんか?
それは「ホワイトスポット」や「バンディング」と呼ばれるものかもしれません。茶色の着色汚れとは違い目立ちにくいですが、やはり気になるものですよね。
今回は歯の色むら、ホワイトスポットとバンディングについて、その原因や改善方法を解説します。
歯の色むらや模様が気になっている方はぜひ参考にしてください。
ホワイトスポットとは?
まず、ホワイトスポットとはどのような症状なのでしょうか。
ホワイトスポットは、歯の表面の一部が白く濁ったようになり斑点模様のように見える症状で、主に前歯に多く見られます。
何が原因なのかによっても違ってきますが、自然には治らないこともあるため、気になる方は歯科医院での治療が必要になります。
バンディングとは?
次にバンディングとはどのような症状なのでしょうか。
バンディングは歯の表面に縞模様のような帯状の色むらがでる症状です。
もともと、ほとんどの方は歯に縞模様がありますが、通常はほぼ目立ちません。
目立つのはホワイトニング後になりますが、そのことについては後にしっかりと解説します。
ホワイトスポットの原因
ここからは、ホワイトスポットとバンディングに分けて詳しく解説します。まずはホワイトスポットはどのようなことが原因でおこるのか、その原因を見てみましょう。
初期のむし歯
むし歯といえば、茶色や黒くなるイメージがありますが、むし歯の初期は白いことが多いです。
これはむし歯菌が食べかすの糖分をえさに酸を出すことで、エナメル質に含まれるミネラルが溶け出し、まだ穴はあいていませんが表面の結晶構造が壊れている状態です。
これを「脱灰」といい、光沢が失われ白く歯が濁る特徴があるため、ホワイトスポットの原因となります。
エナメル質形成不全症
エナメル質形成不全症は、歯の表面にあるエナメル質が何らかの原因で部分的にうまく作られずに歯の一部が白くなったままになることで、白くなったままの部分がホワイトスポットとして表れます。
遺伝が原因のものと非遺伝が原因のものがありますが、非遺伝的なものは生後まもなく高熱などで抗生物質を服用したり、歯が生える時期にビタミンなどの栄養素をうまくとれなかったりしたことが原因となります。
高濃度フッ素によるもの
赤ちゃんから中学生くらいまでの歯が形成される時期に高濃度フッ素を過剰にとることがホワイトスポットの原因になる場合があります。
「フッ素症」と呼ばれ、地域によっては水道水の中に高濃度フッ素が含まれている場合があり、長年暮らしていると自分でも気がつかないうちにフッ素症を引き起こしている可能性があります。
ホワイトスポットの改善方法
ホワイトスポットが完全に目立たなくなることは難しいですが、改善方法はいくつかありますが、原因やホワイトスポットがどの程度なのかによって改善方法が違ってきます。
初期むし歯が原因の場合
ホワイトスポットの原因が初期むし歯であれば、飲食後すぐに歯みがきするといったセルフケアをしっかりおこなうことで改善できる場合があります。併せてフッ素塗布もおこなえばより効果的です。
エナメル質形成不全症や高濃度フッ素が原因の場合
エナメル質形成不全症や高濃度フッ素が原因のものはセルフケアだけでは改善できないので、歯科医院で治療を受ける必要があります。
MIペースト(ホワイトスポットが浅い場合)
ミネラル成分を含んだペーストを塗布することで、ホワイトスポットを目立たなくする効果が期待できます。
歯を削る必要がないため、歯を削りたくない方にはおすすめですが、効果に即効性はなく、長期間続けて使用しなければなりません。
アイコン治療(ホワイトスポットがやや浅い場合)
歯の表面にプラスチック成分の特殊な薬剤をコーティングする方法です。
歯からミネラルが流れるのを防ぎ、エナメル質も強化されるので、ホワイトスポットの再発防止効果も期待できます。
しかし、後にホワイトニングを検討している方は、ホワイトニングの薬剤が浸透しにくくなるため注意しましょう。
ダイレクトボンディング(ホワイトスポットが深い場合)
ホワイトスポットの部分を削り、レジン(歯科用プラスチック)で修復する方法です。
見た目はきれいに仕上がりますが、レジンが劣化してくると変色したり、はがれてしまったりするため、耐久性に欠けます。
ラミネートベニヤ(ホワイトスポットが深く広い場合)
歯の表面を薄く削り、薄型のセラミックを付け爪のように貼りつける方法です。
ホワイトスポットの白くなった部分だけではなく、その周辺も削らなければなりませんが、表
を極薄く削るのでしみたり、神経をとったりする必要はありません。
セラミックを使用するため、汚れがつきにくく、変色などの心配もありません。
バンディングの原因
次にバンディングについて解説します。
ホワイトニングによるもの
もともと、ほとんどの人は歯に縞模様があります。ホワイトニングは白く染まりやすいところから白くなるため、白い部分はより白さが強調され、見えにくかった縞模様がはっきりと見えてきます。
テトラサイクリンによるもの
赤ちゃんから中学生くらいまでの歯の形成期にテトラサイクリン系の抗生物質を過剰にとることで歯が変色することを「テトラサイクリン歯」といい、灰色や茶色の着色や縞模様があることが特徴です。
バンディングの改善方法
バンディングの原因により改善方法が違うため、よりよい方法を選択しましょう。
ホワイトニングが原因の場合
ホワイトニングが原因の場合はホワイトニング直後に目立つものなので、時間がたてば落ち着いて縞模様が目立たなくなってきます。
一時的なものではあるものの、バンディングが気になり早く治したい方は、クリニックホワイトニング(オフィスホワイトニング)とホームホワイトニングを併用しておこなうデュアルホワイトニングが効果的です。
テトラサイクリンが原因の場合
デュアルホワイトニングをおこなう
歯科医院でおこなうクリニックホワイトニング(オフィスホワイトニング)と自宅でおこなうセルフホワイトニングを併用するデュアルホワイトニングであれば、歯の表面と内側の両方からアプローチできるので、テトラサイクリンが原因のバンディングに効率的に効果を発揮することができます。
その他の改善方法
その他、ホワイトスポットと同じようにラミネートベニヤやダイレクトボンディングなどの改善方法があります。
詳しくはホワイトスポットの改善方法をご覧ください。
その他の色むらについて
ホワイトスポットやバンディングの他にも色むらになることがありますが、多くは歯の変色によるものです。
歯の変色は内因性と外因性があり、内因性のものは遺伝や上記であげたようなホワイトスポットやバンディングなどになります。外因性のものはコーヒーやワインなど色の濃い飲食物による着色で歯が黄ばんできたり茶色になってきたりします。
また、加齢によりエナメル質に亀裂が入ると、亀裂に色の濃い色素が沈着することで茶色に見える部分がでてきます。
まとめ
いかがでしたか。今回は歯の色むらの原因と改善方法について解説しました。
特にホワイトスポットやバンディングは前歯に表れて非常に目立つため、一度気になってしまうと、コンプレックスになったり、人前で笑うことがためらったり、精神的にも影響がでてきますね。
完全に目立たなくするにはラミネートベニアが一番ですが、少しでも目立たなくする・改善する治療法はいくつかあるので、色むらが気になる方は早めに歯科医院を受診し、きれいな歯に改善していきましょう。