入れ歯よりインプラントのほうがいい？違いを徹底比較！
歯を失ったときに新しい歯を補う方法として、インプラント、ブリッジ、入れ歯があります。数本失ったときなどブリッジが使えない場合はかつては入れ歯が主流でしたが、近年はインプラントの普及により治療の選択肢が広がりました。
「入れ歯って昔の治療じゃないの？」「インプラントのほうがよさそうだけど、実際はどうなの？」
選択肢が広がった分だけ、どの治療法にしたらよいのか悩むこともでてきますね。
今回は入れ歯とインプラントの特徴や違いを解説します。
どちらの治療法がより自分に合っているのか選択する際の参考にしてください。
入れ歯の特徴
入れ歯にはすべての歯を失ったときの総入れ歯と、歯が1本でも残っているときの部分入れ歯がありますが、インプラントと比較対象になるのは部分入れ歯です。
ここでは部分入れ歯の特徴、メリット・デメリット、どのような人に入れ歯がおすすめなのか解説します。
部分入れ歯とは？
部分入れ歯はプラスチックの歯ぐきに人工の歯を取り付け、残っている歯にバネを引っかけ固定します。
適用範囲は広く、失った歯が1本だけのケースから、残っている歯が1本だけのケースまで対応できますが、バネを引っかけるのに自分の歯が必要になり、歯の状態によっては部分入れ歯を選択できない場合があるので注意しましょう。
素材により保険適用のものと自費診療のものがあり、見た目や機能面で差がでてきます。自費診療のものは歯科医院により治療費が自由に設定できるので、費用など事前によく調べておくことをおすすめします。
メリット
- 比較的治療が簡単で治療期間が短い
- 保険適用のため治療費の負担が少ない
- ほとんどの歯科医院で治療ができる
- 失った歯の本数により柔軟に対応できる
デメリット
- 硬いものが噛みにくい
- 食べかすが詰まりやすく不衛生になりがち
- 見た目が気になる
このような人におすすめ
- 治療費の負担を少なくしたい
- 外科的手術はしたくない
- 短期間で治療を終えたい
- 毎日の衛生管理が苦にならない
インプラントの特徴
次にインプラントの特徴、メリット・デメリット、どのような人にインプラントがおすすめなのかについて解説します。
インプラントとは？
近年は歯科診療でのインプラント治療が一般的になり、インプラント＝歯科のインプラント治療という認識が定着していますが、本来は「体の中に埋め込む医療器具や材料」を指し、心臓のペースメーカーや整形外科で使用する人工関節などもインプラントの一種です。
歯科におけるインプラント治療は、あごの骨に金属性のネジを埋め込み土台を作り、その上に人工の歯を取り付けて失った歯を補う方法です。
メリット
- 天然の歯と同じようにしっかり噛める
- 天然の歯と見分けがつかないくらい自然な見た目
- 他の健康な歯に負担をかけない
- メンテナンスをしっかりおこなうことで半永久的に使用できる
デメリット
- 外科手術を伴う
- 治療費が高額になる
- 治療期間が長い
- 持病を持っている方は治療できない場合がある
このような人におすすめ
- 硬いものでもしっかりと噛みたい
- 自然な見た目にしたい
- 残っている健康な歯を長持ちさせたい
- 入れ歯に抵抗がある
入れ歯とインプラントの比較
それぞれの特徴について解説しましたが、ここでは2つの治療法の違いを様々な面で比較してみましょう。
治療費
- インプラント
インプラントは基本的に保険が適用されず全額自己負担になるため、1本あたり40万円前後と高額な治療費がかかります。
歯科医院によって治療費の設定が異なるため、それ以上高額になることも考えられます。
- 部分入れ歯
基本的に保険が適用になるため1～3割負担で治療でき、歯の本数に関係なく、部分入れ歯のひと装置は2万円ほどで作ることができます。
しかし、部分入れ歯でも素材によっては自費診療になる場合があるので注意しましょう。
見た目
- インプラント
インプラントは部分入れ歯のように見えるところに金属を使用しておらず、被せ物もセラミックなど天然の歯に近い素材を使用しているため、自然できれいな見た目になります。
- 部分入れ歯
部分入れ歯は金属のバネを隣の歯に引っかけるためバネが見えることが多く、見た目を気にする方も多くいます。
自費診療にはなりますが、金属を使用せず目立ちにくい部分入れ歯もありますので、見た目が気になる方は歯科医院に相談してみましょう。
噛み心地
- インプラント
インプラントは人工の歯の根っこを作るため、天然の歯と同じような構造になり、硬いものでも問題なくしっかり噛めます。
- 部分入れ歯
取り外しができる分、歯が少し浮いた感じになることもあるため、噛む力が弱くなり硬いものを噛むと痛みや違和感がでる場合があります。噛む力は天然の歯の30%ほどと言われています。
手入れの仕方
- インプラント
インプラントは外科手術後に特別なケアをしなければなりませんが、その後は天然の歯とほとんど同じ構造になるため、特別なケアの必要はありません。
天然の歯と同じように普段の歯みがきなどのケアで構いませんが、インプラントの周囲に歯周病と同じような症状がでる「インプラント周囲炎」になる場合があるので、デンタルフロスなどを使用するとよいでしょう。
- 部分入れ歯
部分入れ歯は自分で取り外し、しっかりとケアする必要があります。入れ歯専用のブラシでブラッシング後、専用の洗浄剤につけて消毒や消臭をおこないます。治療後の維持費という面では、インプラントより部分入れ歯のほうがかかる可能性があります。
寿命
- インプラント
多くのインプラントメーカーには10年保証がついています。これは最低でも10年は持つということにつながりますが、きちんとケアしていれば半永久的に使用できるとも言われています。
人工の歯の部分は経年劣化で破損などの可能性もありますが、埋め込んだ歯の根っこの部分は特別なトラブルがない限りは一生使うことができます。
- 部分入れ歯
入れ歯は一度作ったら一生使えると思っている方も多いのですが、入れ歯の寿命は3～5年程度と言われており、経年劣化によるすり減りや変形、着色、残っている天然の歯が抜けてしまうなど、数年で作り変える可能性もあります。
入れ歯とインプラントどっちがいいの？
入れ歯とインプラント、それぞれメリット・デメリットがあり、体の健康状態や口の中の状態により、どちらがいいとは一概には言えませんが、治療法を選択するときは長期的な視点で考えることが大切です。
体の健康を保つには食べることは必要不可欠です。
歯の健康は生きるために非常に重要な役割を果たしているため、食べる、飲み込む、話すことを、できるだけ支障なく自然におこなえるような治療法を選択したいものです。
また、見た目が気になったり食事の際に不快感があったりすると、精神面でも影響がでてきます。見た目のコンプレックスや不快感からくるストレスはできるだけ避けたいですね。
これらのことをふまえ、費用面や現在の歯の状態、健康面などから、どの治療法が最適なのかドクターと相談しながら選択していかなければなりません。
そのためにまずは、信頼できる歯科医院を見つけることとからはじめてみましょう。
まとめ
いかがでしたか。
今回は入れ歯とインプラントの特徴や違いについて解説しました。
歯は一生使う大切なものですし、それぞれメリット・デメリットもあるので、どの治療法を選択するか悩むのは当然のことでしょう。大切なのは、長期的な視点でみて後悔しない治療法を選択することです。
そのために歯科医院での相談は欠かせないものになるので、治療法でお悩みの方は気軽にご相談ください。
