矯正の保定期間って何?保定の必要性や保定装置の種類も解説!

ワイヤー矯正やマウスピース矯正で歯を適切な位置に動かしたあと、歯が後戻りしないよう新しい位置に固定する「保定」は、矯正治療の最終段階といえるとても大切な工程です。
今回は、保定の必要性や行う期間、保定装置「リテーナー」の種類など、保定に関するさまざまな疑問を解説します。

矯正においての「保定」とは

矯正治療後は、周囲の骨が不安定で歯も通常より動きやすい状態です。矯正後の新しい歯並びが定着するためにはある程度の時間が必要なため、装置を外したあと何もしなかった場合、歯の位置が後戻りするリスクが高まります。
歯の後戻りを防ぐため、装置を用いて新しい歯並び固定することを「保定」といい、この保定に用いられる装置を「リテーナー」といいます。

保定しなかったらどうなるの?

リテーナーの装着を怠ると、矯正治療で整えた歯並びが元に戻ってしまうおそれがあります。また、リテーナーを長期間装着しなかった場合は、歯が後戻りしたことによってリテーナーが合わなくなり、装着自体ができなくなることもあるため注意が必要です。

また、しっかりと保定せずに大幅な歯の後戻りが起きてしまった場合は、矯正治療そのものをやり直さなければならないケースもあります。再矯正には高額な費用がかかるため、歯科医師の指導の下、決められた期間、しっかりとリテーナーを装着しましょう。

一般的な保定期間は?

保定期間は症例にもよりますが、通常は矯正にかかった期間と同程度の1~3年です。矯正装置が外れてから最初の3~4ヶ月は、とくに歯の後戻りがしやすい時期と考えられているため、可能な限り長時間リテーナーを装着することが求められます。
保定期間開始直後は、1日に20時間以上リテーナーを装着するのがよいとされています。1年程度フルタイムの装着を続けたあとは、定められた保定期間が終了するまで、就寝時のみリテーナーを装着するのが一般的です。

また、保定期間中も定期的に通院する必要があります。歯の後戻りはないか、リテーナーに不具合や破損はないか、虫歯などのトラブルが発生していないかなど、保定が順調に進んでいるかのチェックを行います。
通院の頻度は歯科医院によって異なりますが、保定期間前半は3~4ヶ月に1回程度、後半は半年~1年に1回程度です。

保定装置「リテーナー」の主な種類

ベッグタイプリテーナー

歯の表面をワイヤーで囲んで固定し、歯の裏側をプラスチックのプレートで固定する、着脱式のリテーナーです。多くの症例で用いられ、歯列の幅を拡げた矯正治療や、抜歯を伴う矯正治療のあとによく利用されます。
ワイヤーが歯全体を囲みながら締め付けるため保定する力が強く、噛み合わせが安定しやすいメリットがありますが、口を開けるとワイヤーがやや目立ち、審美性に欠けるのがデメリットです。

ホーレータイプリテーナー

ベッグタイプリテーナーと同じく、歯の表面をワイヤーで固定して裏側をプラスチックのプレートで固定する、着脱式のリテーナーです。
ベッグタイプとの違いは、後戻りしやすい前歯のみをワイヤーで固定する点で、口を開けた際に見えるワイヤーの量はホーレータイプのほうが少なくなります。

スプリングリテーナー

ホーレータイプリテーナーと似た構造で、歯の表面をワイヤーで固定して裏側をプラスチックのプレートで固定する着脱式のリテーナーです。主に、後戻りのリスクが高い下の前歯に使用されます。保定できる範囲が限定的なので、部分矯正に使用されることがほとんどです。

QCMリテーナー

ベッグタイプリテーナーやホーレータイプリテーナーと似た構造をしている、取り外し式のリテーナーです。この2つと違い、前歯を取り囲む部分が透明なプラスチックでできているため、装着していてもあまり目立ちません。しかしワイヤーよりも強度には劣るため、破損しやすいデメリットもあります。

アスティクスリテーナー

QCMリテーナーと似ていますが、前歯を取り囲む部分が乳白色のファイバーでできています。こちらも取り外し可能なリテーナーです。

インビジブルリテーナー(マウスピース型)

クリアリテーナーとも呼ばれる、着脱可能なマウスピースタイプのリテーナーです。歯列全体を覆っているため歯並びを保定する力が強く、透明なので装着していても目立ちにくいのがメリットです。
ただ、装着すると上下の歯の間にマウスピースが挟まるため噛み合わせの安定には不向きなのと、ワイヤータイプやプレートタイプの製品よりも耐久性が低く、強い噛み合わせや歯ぎしりで破損することがあるのがデメリットです。

フィックスリテーナー

前歯の裏側に細いワイヤー(金属製やプラスチック製)を固定するタイプのリテーナーです。ワイヤーは歯科用の接着剤で固定するため、保定が完了するまで取り外すことはできません。
フィックスリテーナーを装着すると前歯の噛む力が均等に分散されるため、歯や顎関節への負担が軽くなるのが特徴です。ただ固定式で外すことができないので、ワイヤー周辺に汚れがたまらないよう、ブラッシングを丁寧に行う必要があります。

リンガルリテーナー(犬歯間リテーナー)

フィックスリテーナーと同じく、歯の裏側にワイヤーを固定して使用するリテーナーで、こちらも保定が終了するまで取り外しはできません。主に下の前歯に使用されます。

リテーナー使用中の注意点

決められた装着時間を守る

ベッグタイプリテーナーやインビジブルリテーナーなど着脱が可能なリテーナーの場合、食事中と歯磨き時以外は装着し続ける必要があります。装着時間をしっかりと守らないと、歯並びが後戻りするリスクが高くなるため注意が必要です。
保定が順調に進んで歯並びが安定してきたら、歯科医師の判断で1日の装着時間が短くなります。

リテーナーを清潔に保つ

リテーナーが不衛生な状態だと、口腔内の健康を害するおそれがあります。通常の歯磨きと同様、リテーナーも毎日ブラッシングをして清潔な状態を維持することが大切です。
リテーナーをブラッシングする際は普通の歯ブラシでかまいませんが、リテーナーを傷付けないよう毛先の柔らかいものを選びましょう。歯磨き粉は研磨剤が含まれていることがあるため、使用しないほうが無難です。また、熱湯やアルコールで消毒をするのも、リテーナーの変形を招くためおすすめできません。リテーナーの清掃に関して不安がある場合は、担当の歯科医師に相談してみましょう。

歯磨きをしっかりと行う

固定式のリテーナーの場合は、歯磨きがしにくくなることで虫歯のリスクが高くなります。保定期間に虫歯や歯周病などの口腔内トラブルが発生してしまうと、保定の進行に支障が出てしまうおそれがあるため、普段よりも歯磨きなどの口腔ケアには気を使いましょう。

外しているときは専用のケースにしまう

リテーナーを外している間は、専用のケースに入れるようにしましょう。
「少し外すだけだから」とティッシュにくるんで置いたらうっかり捨ててしまった、適当に置いていたら踏んで壊してしまったなどのトラブルも少なくありません。紛失したり破損したりした場合は作り直しになり、その間は保定ができなくなるため、リテーナーを外したらすぐケースに入れる習慣を付けるとよいでしょう。

まとめ

矯正の保定期間にリテーナーの装着をおろそかにしてしまうと、矯正治療によって整った歯並びが後戻りするリスクが高まります。リテーナーの着脱や管理などはご自身で行わなければならないので少し大変かもしれませんが、正しい歯並びや噛み合わせを手に入れるために必要な工程です。
保定方法や保定期間は症例によって異なるため、担当の歯科医師としっかり相談しながら、適切な保定を行いましょう。

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