ワイヤー矯正がつらいと感じる方へ|インビザラインへの変更は可能?

歯並びを整えるためにワイヤー矯正を始めたものの、予想以上の違和感や見た目への不安、痛みに悩む方もいるかもしれません。
違和感や痛みなどの感じ方はそれぞれ個人差があるため、しばらく装置をつけていても慣れず、日々ストレスを感じている方の中には、インビザライン(マウスピース矯正)に変更したいと考えている方もいるでしょう。

「ワイヤー矯正をしていても、途中からインビザラインに変更できるの?」「変更するには何が必要?」など、疑問がたくさんあるかと思います。

そこで今回は、ワイヤー矯正の途中からインビザラインに変更できるのか、変更するにあたっての注意点について解説します。

ワイヤー矯正からインビザラインに変更できる?

結論から言えば、ワイヤー矯正からインビザラインへの変更は可能です。

 日々の矯正装置による違和感や痛みを軽減するために、インビザラインに変えることが選択肢となる場合もあります。

ただし、以下のようなケースではインビザラインへの変更が難しいこともあります。

  • 骨格性の上顎前突/下顎前突
  • 重度の叢生
  • 過蓋咬合
  • 小臼歯を4本抜歯して大きくスペースが空いている場合

これらの場合は、インビザラインでの治療が難しいとされています。
しかし、ある程度ワイヤー矯正や外科処置を行ってからであればインビザラインに移行できることがあります。詳しくは担当の歯科医師に確認してみましょう。

ワイヤー矯正からインビザラインに変更したい理由

納得してワイヤー矯正を始めたものの、インビザラインに変更したいと思う理由がいくつかあります。一つずつみていきましょう。

見た目の問題

ワイヤーなどの装置が想像以上に目立って見た目が気になる、特に接客業やカメラの前に立つ活動を行う方々は、見た目による第一印象が大事になり、業績や評価にも直結することが多いようです。そのため、目立ちにくいインビザラインに変更し、見た目を気にすることなく日常生活を送りたいと思うようです。

通院が難しい

転勤・転職、進学や留学、妊娠・出産、家族の事情など様々な理由で通院が難しくなることがあります。

ワイヤー矯正は1ヶ月に1回ワイヤーの調整をして歯並びを整えていくため、毎月の定期的な通院が大変だと感じる方もいるでしょう。

インビザラインは通院頻度が少なく済むため、ライフスタイルに合わせて変更を希望する方が多いです。

インビザラインの方が適しているケース

ワイヤー矯正は多くの歯並びに対応できますが、前歯が噛んでいない開咬や軽度な受け口などは、実はインビザラインの方が効果的なこともあります。

このような歯並びの場合は、矯正治療の最終段階でワイヤー装置からインビザラインに移行することもあります。
また、微調整のために使用していたアライナーをそのまま保定装置(歯が元の位置に戻らないようにする装置)として使用することもあるでしょう。

ワイヤー矯正からインビザラインに変更する場合の注意点

ワイヤー矯正からインビザラインに変更ができたとしても、注意点がいくつかあるのでみていきましょう。

すぐにインビザラインを装着できない

ワイヤー矯正の場合、ブラケットという装置を歯につけています。そのため、ワイヤーとブラケットすべてを外してから、インビザラインの型取りを行います。

具体的にいうと、iTeroという口腔内スキャナーを使って歯型をとります。その後、治療計画を立ててシミュレーションし、データと治療計画をもとにインビザラインが作られます。製作場所は海外のため、完成して手元に届くまで約1ヶ月の期間が必要です。

そのため、ワイヤーなどの装置を外してインビザラインが届くのを待ってる間に、歯が後戻りしないような対策が必要です。

待機期間中はリテーナーが必須

前項でお伝えしましたが、インビザラインに変更するには、ワイヤー矯正の装置を外してから約1ヶ月ほど期間があります。

その間、歯は元の位置に戻ろうとしたり、スペースがある箇所に動きます。そのため、リテーナーを使用しないと、インビザラインが届いたものの型取りした時と歯の位置が違うため、インビザラインが合わないといったことがあります。

そうなると、再度口腔内スキャナーで型取りしてまた1ヶ月後と治療期間がかなり延びてしまいます。

インビザラインでも痛みを感じることがある

インビザラインはワイヤー矯正に比べると、少しずつ歯を動かすため、比較的痛みを感じにくいとされています。

新しいアライナーに交換するごとに、数日間は歯が動くことによる痛みを一時的に感じる場合があります。この痛みは2〜3日で気にならなくなることが多いです。

また、ワイヤー矯正で多い、装置が当たって唇や頬の粘膜を傷つけてできる痛みは、インビザラインではほとんどないといわれています。しかし、アライナーを外した時に歯につけているアタッチメントやアライナーの縁が粘膜に触れて、痛みや違和感を感じる可能性はあります。

アライナーをつけたままの飲食に注意

ワイヤー矯正は歯に装置が固定されているため、取り外すことなく飲食ができます。インビザラインのアライナーをつけたまま、水分をとることはできますが、以下の場合はアライナーを外してください

  • ジュースなど糖分が含まれる飲み物:アライナーの中に糖分が溜まり虫歯になりやすくなるため
  • お茶やコーヒーなど着色しやすい飲み物:アライナーが変色する原因になるため

また、食事時にはアライナーを外さないと、変形や破損の恐れがあります。

自己管理の徹底が必要

インビザラインは自分でアライナーを管理して、スケジュール通りに交換していく必要があります。

また、1日20時間以上のアライナー装着が必要です。食事の時間と歯磨き以外は装着していることになりますが、装着時間を守らないと計画通りに治療が進まず、希望した歯並びになりません。

ワイヤー矯正と比べると、自己管理ができているかどうかで治療の進み具合や最終的な歯並びに影響が出ると言われているので、自己管理を徹底する必要があります。

まとめ

しっかり検討してワイヤー矯正にすると決断しても、ワイヤー矯正が想像以上に痛くてつらいと感じてしまうのは仕方がないことでしょうインビザラインへの変更は可能ですが、変更にあたっての注意点やデメリットも考慮する必要があります。

また、途中で装置を交換するとなると追加費用がかかる場合もあります。とくに、ワイヤー矯正とは別の歯科医院でインビザラインをしたいと思っても、治療を引き継いでもらえない可能性があるだけでなく、治療費も検査費用から必要になり高額になってしまうことが多いでしょう。

そのため、まずは担当の歯科医師に痛みがつらいことや不安に思っていることをしっかりと相談し、インビザライン以外の解決策も含めて検討することが大切です。

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