歯周病菌

歯周病菌の細胞壁には有毒物質が含まれています。 その有毒物質をエンドトキシンと言いますが、それがいろいろな悪さをします。 糖尿病を悪化させたり、血管内に侵入して血糖値に影響を与えたりするのです。 脂肪組織や肝臓から、TNF-αというものの酸性を強力に進めます。

TNF-αが、歯周病菌の中に含まれていますが、それが血液中の糖分の取り込みを抑えてしまいます。 そして血糖値を下げるホルモン(インスリン)の働きを邪魔します。 ですから、例えば歯周病と合併した糖尿病の患者さんに、歯周病菌の抗菌薬を用いて歯周病治療を行いますと、血液中のTNF-αの濃度が低下して、血糖値のコントロール状態を示すHbA1c値という値が改善します。 歯周病菌をやっつける抗菌薬を投与する事によって、血糖値が下がるという事です。

そのほか、妊娠した女性が、歯肉炎、歯周炎にかかりやすいというデータもあります。 それには女性ホルモンが大きく関わっています。

エストロゲンという女性ホルモンが、特定の歯周病菌の増殖を促します。 妊娠した女性というのは、エストロゲンの分泌が活発になりますので、歯周病菌の繁殖を促します。 妊婦さんは、プロゲステロンというホルモンが活発出ているので、炎症の元であるプロスタグランジンを刺激します。 妊娠後期、出産間際になると、エストロゲンやプロゲステロンのホルモンが、月経時の10~30倍くらいになります。 月経時というのは、女性ホルモンが下がっている時です。 ただ、そういった女性ホルモンが分泌されていても、プラークや汚れさえついていなければ健康状態を保てるので、そのような化学反応が起こったとしても軽度ですみます。ですから、とにかくプラークを残さないという事が大切です。 高齢者では、誤嚥性肺炎というものが多いのですが、食べ物などが誤って気管に入ってしまった際に、歯周病菌が気管から肺に入ってしまい起きることが多いと言われています。

さらに、骨粗しょう症も歯周病菌と関連していると言われています。 骨粗しょう症とは、エストロゲンというホルモンの分泌の低下によって発症すると言われています。 そのエストロゲンの分泌が少なくなると、全身の骨が脆くなるとともに、太ももを支えている大腿骨が脆くなります。 それにより、歯周ポケットが深くなって、炎症を引き起こす物質が作られ、歯周炎が進行します。 よって、骨粗しょう症と歯槽膿漏というのは、非常に関連性が深いと考えられます。

関節炎や腎炎を発症する原因の一つとして、ウィルスなどの感染がありますが、関節炎や腎炎の原因となる黄色ブドウ球菌や連鎖球菌などの多くは、歯周病菌の原性細菌で、口の中に多く存在する菌です。つまり歯周病菌は、関節炎や糸球体腎炎の原因にもなるのです。

歯周病とメタボリックシンドロームも、詳しいメカニズムは解明されていませんが関連性があると言われています。 歯周病の病巣から放出されるLPSという歯周病由来の毒素が、脂肪組織や肝臓のインスリン抵抗性を増加させます。 それによって、血糖値も上昇します。 重度の歯周病患者になりますと、血中のCRPという値があるのですが、そのCRPの値が上昇して、動脈硬化や心筋梗塞発症のリスクが高まります。

歯周病の一番の原因は、不正咬合の一つである叢生です。 これはぜひとも改善しておく必要があります。 矯正と全身疾患の関連性は侮れません。矯正治療というのは、見た目の問題だけではなく全身疾患を予防する上でも、非常に重要です。 とっかかりは見た目が気になるという方が大半ですが、実は歯並びを良くする事によって、全身疾患を未然に防ぐというメリットもあるのです。

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