矯正装置にはどんな種類がある?

一口に矯正治療と言っても、その方法は様々あります。方法が違えば、使う装置も変わってくるので、「自分にはどの様なものが合っているのかわからない!」という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そこで今回は矯正治療で用いる装置について、代表的なものをまとめてご紹介します。それぞれの特徴やメリット、デメリットなどをわかりやすく解説していきます。

見た目が気づかれにくい「裏側矯正」

矯正治療をためらってしまう理由の一つに、「治療中の見た目」があります。一般的な矯正治療では、金属の装置やワイヤーを歯に接着するため、治療中にどうしても装置が目立ってしまうという問題がありました。
裏側矯正では、この見た目の問題を回避して治療をすることができます。この治療法は舌側矯正とも呼び、歯の裏側に矯正装置をつけることで歯を移動していきます。メリットは何よりも矯正装置をつけてることがわかりにくい点です。歯並びを綺麗にするために行っている矯正治療ですが、その治療期間中に見た目を我慢しなければならないのは、決して短い時間で終わる治療ではないだけに大きな問題です。
また人前に出るお仕事をされている方、芸能関係の方などもこの裏側矯正を選択されることが多いです。
一方で裏側矯正にはデメリットもあります。例えば裏側矯正の場合、一般的な表側の矯正装置と比較して歯を移動させるために非常に高度な技術が求められます。結果的に治療期間が表側の装置よりも数ヶ月〜半年ほど長くかかることもあります。そのため費用面でも表側の矯正装置よりやや高くなる傾向にあります。
また歯磨きのしにくさもあります。装置が歯の内側につくことでどうしても細かな隙間に歯ブラシが入りにくくなってしまいます。内側の装置は会話の面でもやや負担になります。舌の動きを阻害して、発音がしにくくなってしまうことがあります。

裏側矯正は2種類ある

実は、裏側矯正にも2つの種類があります。 一つがフルリンガルという上下すべての歯の裏側に装置をつけて治療をする方法。もう一つがハーフリンガルと呼ばれる上下どちらか片方だけに裏側の装置をつけ、もう半分は歯の表側に装置をつける方法です。
フルリンガルのメリットは何よりも目立ちにくいことです。上下どちらの歯にも裏側に装置をつけるので、外から見たときに矯正治療中であることがわかりません。しかし費用の面で負担が大きくなってしまいます。一方ハーフリンガルは裏側矯正の目立ちにくさと費用の負担を軽くすることができます。またハーフリンガルはフルリンガルに比べて舌の動きや発音への影響が少なく済みます。

表側矯正・ブラケット矯正(ワイヤー矯正)

表側矯正は一般的にはワイヤー矯正と呼ばれています。歯にワイヤーを固定するためのブラケットという装置を使うため、ブラケット矯正と呼ばれることもあります。最もスタンダードな治療法で、適応できる症例も幅広いです。
表側矯正のメリットは以下のとおりです。

  • ほぼ全ての症状に対応できる
  • 比較的費用が抑えられる

一方で表側矯正のデメリットは次のとおりです。
  • 歯磨きしにくく虫歯になりやすい
  • 矯正装置をつけていることがわかりやすい

ワイヤー矯正で使うブラケットには、金属だけでなく、セラミックやプラスチックなどさまざまな素材があります。これまでは金属製が当たり前でしたが、より治療中にも目立ちにくい見た目を目指して、白色に加工されたものや白い素材を用いた装置も登場しています。
また、装置だけでなくワイヤーにも白色に加工されたホワイトワイヤーというタイプもあり、白いブラケットと組み合わせることでかなり目立ちにくくすることができます。
適応症例が幅広い分、見た目の問題を解決できれば選ぶ方の多い治療法といえます。

マウスピース矯正

近年では革新的な技術が続々と登場し、その流れは歯科界においても同様です。金属の装置やワイヤーを使うのが当たり前だった矯正治療にも、全く新しい考え方で治療をおこなうことができるようになりました。それがマウスピース矯正です。
透明なマウスピースを複数枚使用していくことで、少しずつ歯に力を加えて歯並びを整えていくことができます。当初はかなり限定的な症例にのみ適応されてきましたが、近年では十分なデータが得られてきたことから少しずつ適応例の幅も広がっています。
マウスピース矯正の最大のメリットは、装置が透明であることです。これにより治療中も言われるまでは気づかないほど目立ちにくくなります。加えて、治療期間中でも自由に取り外せる点も優れています。そのため、一定の使用時間さえ守れば食事や歯磨きの時は外したまま過ごすことができます。
一方で、マウスピース矯正のデメリットは次の2つです

  • 1日のうち20時間以上装置をつける必要がある
  • 適応できる症例が少ない

自由に取り外しができるメリットがある反面、患者さん自身の管理がとても重要になってきます。1日20時間以上の装置使用を守らない場合は十分な効果が得られず、 計画通りに歯並びが整わないことにつながります。
また適応症例が多くなってきてはいるものの、ワイヤー矯正ほどではありません。なんでも治せる矯正と呼ぶのは難しく、装置の特性からも難しい症例は多数存在します。

インプラント矯正

インプラント矯正は主に部分矯正で使われる装置で特殊な手法です。インプラントアンカーと呼ばれる矯正用のインプラントを埋め込み、そこを支えとして歯を1本ずつ移動させることに向いています。
インプラント矯正のメリットは動かしたい歯だけをピンポイントで動かせることです。そのため、ごく限定的な部分矯正や、他の治療との組み合わせで使用されることがあります。
デメリットはインプラントを埋め込む外科的処置が伴うことです。またインプラント矯正単体では歯並び全体を改善する効果は得られず、あくまで一部分の調整として用いられることがほとんどです。

番外編:外科矯正

外科矯正はあごの骨の形に起因する重度の症状に対して行われる、外科的な手術を併用した矯正治療法です。通常の装置を使った矯正だけでなく、あごの骨の手術を併用して治療を行います。
適応される症例は重度のしゃくれ・下顎前突などの顎変形症で、生活に直接問題のあるようなケースが該当します。このような症例は矯正装置だけでの治療が困難で、外科的な治療を併用しての対応が必要となります。
正確な名称は「外科的矯正治療」となりますが、一般的には外科矯正と呼ばれている場合が多いです。

まとめ

いかがでしたか?
今回は数ある矯正装置とその特徴についてまとめてみました。
矯正装置ごとの特徴をじっくり理解し、自分がどのような治療を受けたいのかをきちんと考えた上で、ピッタリ合う治療法を探してみましょう。
矯正装置はあくまで矯正治療という大きなテーマの一部にすぎません。他にもさまざまな観点で比較検討することがおすすめです。

治療を始めてから後悔しないためにも、相談の段階で自分の希望や理想はしっかりと伝え、専門家の診断をきちんと受けた上で装置や治療方針を選んでいきましょう。
全ての歯科治療で言えることですが、何よりもきちんと話し合うことが最良の治療への第一歩です。この記事が選択・判断の参考となれば嬉しいです。ぜひ他の記事もお役立てください。

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