矯正治療はしない方がいい?治療が上手くいかない原因と、後悔しないための方法を解説!
歯列矯正は、美しい笑顔と正しい噛み合わせを実現するために重要な治療方法です。
「歯列矯正で歯並びに自信を持つことができた」「食事がしやすくなった」など、喜びの感想を目にすることも多いでしょう。
一方で「歯列矯正はやらない方がいい」「治療をしなければよかった」という声も聞くことがあります。
この違いの原因は一体何なのでしょうか?
このコラムでは、歯列矯正が上手くいかない原因や、後悔しないための方法について詳しく解説します。
矯正治療の目的は?
まずは、歯列矯正の基本的な原理や目的についておさらいしておきましょう。
歯列矯正は、歯やあごを正しい位置に動かすことによって、噛み合わせや顔のバランスを改善する治療方法です。
歯列矯正に使用する装置には様々な種類があり、治療前の歯並びの状態や治療目標に基づいて選択されます。
歯列矯正の目的は、主に以下の4つです。
1.正しい噛み合わせと咀嚼機能の獲得
歯列矯正は、正しい噛み合わせ(咬合)を実現するために行われます。
上下の歯が適切に噛み合い、噛む力を均等に分散することで、食べ物を効率よく咀嚼することができ、消化や吸収を助けます。
2.美しい笑顔の実現
歯列矯正は、歯並びの美しさを向上させるためにも適しています。
歯並びが悪いことをコンプレックスに感じ、悩んでいる人はたくさんいます。
歯並びが整っていると、自信を持って笑顔を見せることができ、外見的な美しさを獲得することができます。
3.口腔内の健康の促進
歯並びが乱れていると、歯磨きや口腔内のケアが難しくなる場合があります。
歯ブラシやフロスが上手く使用できず、どうしても磨き残しが多くなりがちです。
歯列矯正は、歯と歯ぐきの正しい位置関係を整えて口腔内の衛生状態の向上を促進し、虫歯や歯周病のリスクを低減します。
4.噛み合わせに関連する問題の改善
歯列矯正は、噛み合わせに関連する問題を改善するためにも行われます。
例えば、噛み合わせのバランスが悪い場合、あごの関節の負担や摩耗を引き起こす可能性があり、あごの関節に痛みが出る「顎関節症」の発症につながります。
また、特定の歯に負担がかかることで、将来的にその歯の寿命が短くなるリスクもあります。
歯列矯正で噛み合わせを調整することで、噛み合わせに関連した様々な不具合を解決することができます。
矯正治療で後悔する理由
歯列矯正の目的を確認してみると、たくさんのメリットがあるように感じます。
それでは、なぜ歯列矯正はしない方がいい、という意見が出てくるのでしょうか。
その背景には「歯列矯正で後悔している人の声」があります。内容を詳しく見ていきましょう。
1.治療期間が長い
歯列矯正は、一般的に数ヶ月から数年にわたる治療期間が必要です。
治療中は定期的なメンテナンスも必要になり、患者さんは継続性が求められることになります。
治療期間やメンテナンスの負担が大きいと感じることが後悔の理由になる場合があります。
2.治療の不快感や痛みで生活に支障がある
矯正治療中、歯を動かす際に力がかかったり、金属のブラケットやワイヤーが口腔内で摩擦を起こしたりして、違和感や痛みを引き起こすことがあります。
このような不快感や痛みが強く、日常生活に支障をきたす場合、治療を続けたくないと感じることがあります。
3.経済的な負担が大きい
歯列矯正治療は健康保険が適用されない場合が多く、その場合は自費診療で治療を進めることになります。
治療費用が高額であり、経済的な負担が大きくなることによって、治療を後悔する場合があります。
4.結果が期待と異なる
歯列矯正は、治療後の歯並びを予測し、治療計画に基づいて行われます。
しかし歯の動きや噛み合わせの変化は、個人の口腔状態や治療計画によって影響を受けるため、理想的な結果が得られない場合が稀にあります。
いくつか例をご紹介します。
・歯を動かす際の負担により、歯ぐきが下がってしまった。
・歯列矯正の刺激で歯の神経が死んでしまった。
・マウスピース装置を使用した治療で、1日の装着時間を守れず、計画通りに進まなかった。
・歯並びの美しさだけを重視して治療した結果、噛み合わせが悪くなってしまった。
歯列矯正は治療前の期待が大きいため、結果が伴わない場合の後悔も大きくなり、最終的に「治療をしなければよかった」という感想に行き着いてしまいます。
5.治療後の歯並びの維持が難しい
歯列矯正治療後は、歯並びの後戻りを防ぐための「保定装置(リテーナー)」の使用が必要な場合があります。
「治療が終わってからも続くリテーナーの使用が大変」「上手く歯並びを維持できず治療前の状態に戻ってしまった」などの理由により後悔することがあります。
後悔しない矯正治療をするために
歯列矯正の適応性は患者さんによって異なるため、治療中や治療後の不具合がどうしても避けられない場合もあります。
しかし、なるべく理想に近い治療ができれば嬉しいですよね。
ここからは、後悔しない矯正治療をするためにできることを紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
1.信頼できる歯科医師を選択する
矯正治療は、専門的な知識と経験を持つ歯科医師によって行われるべきです。
信頼できる歯科医師を選ぶために、専門的な資格や経歴、実際の治療症例を調べてみましょう。
また、歯科医師とのコミュニケーションが円滑であることも重要です。
歯列矯正についての無料相談を行っている歯科医院も多いので、雰囲気を確かめるためにもぜひ利用してみてください。
2.治療計画を理解して治療に協力する
歯科医師との相互の信頼関係を築き、治療計画や予想される結果についてよく理解しましょう。
疑問や不安がある場合は遠慮せず質問し、解決することが大切です。
また、矯正装置の使用や定期的な調整に対して協力的であることも重要です。
歯科医師の指示に従い、定期的な受診や装置のケアを行いましょう。
特に自宅で取り外し可能な矯正装置を使用する場合は、装着時間や方法をしっかりと守ることで治療がスムーズに進みます。
3.清潔な口腔内を維持する
ワイヤーを利用したマルチブラケット装置など、固定式の矯正装置を装着している場合、装置の隙間に食べ物が溜まりやすくなり、虫歯や歯周病のリスクが高まります。
毎日の歯磨きやフロッシング、口腔洗浄剤などの使用を徹底し、清潔なお口を維持することが重要です。
取り外し式の装置を使用する場合も同様に、歯や装置のケアを丁寧に行い、口腔内のトラブルを予防しましょう。
患者さんによって磨きにくい部分が異なるので、歯科医院での歯磨き指導をしっかり聞いておくと、効率が良い清掃ができるようになります。
4.食事に注意する
矯正治療中は、硬い食べ物はできるだけ避けましょう。
特に固定式の装置を使用している場合、装置が損傷したり外れたりするリスクを減らすことができます。
また、歯を移動している際は違和感や痛みを感じやすいため、咀嚼に負担のかからない食事を選択することによって、不快感を軽減することができます。
粘着性のある食べ物も装置や歯にくっつきやすく、虫歯などのトラブルにもつながるため、避けた方が良いでしょう。
5.治療後のメンテナンスを継続する
矯正治療が完了した後も、歯並びを保持するための期間が必要な場合があります。
リテーナーを指示通りに使用し、治療結果を維持するためのメンテナンスに取り組みましょう。
6.適切なタイミングで治療を行う
歯列矯正は、適切なタイミングで行うことが重要です。
成長期の子供や、噛み合わせや顎の問題を抱える人など、歯の悩みには個人差があります。
歯科医師との相談を通じて、自分に合ったタイミングで治療を開始しましょう。
まとめ
歯列矯正は、美しい歯並びや健康な咬み合わせを実現するための効果的な治療法です。しかし、できるだけ後悔を避けるためにはいくつかの点に気をつける必要があります。
今回のコラムを参考にして要点を押さえることで、効果的な矯正治療を受けられる可能性がぐんと高まります。
歯の美しさと機能性を追求し、自信に満ちた笑顔を手に入れるために、正しいアプローチを選びましょう。